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第15話:ゲームの悪夢


明日は、とうとう合格したJ大学の入学式の日だ。

僕も明日から、夢見てきた大学生になるんだと思い、握りこぶしを作りながら感動していた。

そんなとき、白が僕に話しかけてきた。

「あの~タケオさん、明日、J大学の入学式ですよね?」

「そうだよ」

「それなら一緒にイキマセンカ?」


『あっそうだった。僕は白と同じ大学なんだった』と僕。


「いいねー。同期で同じ大学って珍しいから一緒に行こうか!確か、場所は有楽町だったよね」


「エエ、国際フォーラムですよ」

「よし、じゃあ一緒にいこうね」

「ハイ、それじゃヨロシクお願いシマス」

「こちらこそ」

ということで明日は、白と一緒に入学式を迎えることとなり、僕は明日が待ち遠しいと思いながら夜を迎えたのだった。


僕はなんとなく、談話室に向かった。

すると
『あっ金さんがいない!!』

なんと、いつも談話室のテレビを独占している金さんがいないのだ。

これは奇跡に近かった。

おおーこれはなんと素晴らしいことだろう。

いつもテレビを独占していた金さんがいない。

そしてテレビの優先権となる年功序列となる先輩方も今日に限っていなかったのだ。


僕は思った。
『こんなチャンスは滅多にない。今なら待ちに待っていたゲームができるじゃないか!!

オウーーーーこれはなんと素晴らしいことだろう。

思えば、小学1年生のときにお年玉でファミコンゲームを買ったのに、二ヶ月も経たないうちに集中しすぎて目を悪くしてしまい、親からゲーム禁止令が出てから早11年。

友達の家でゲームをやれば、友達のお母さんが僕の親にチクリ、怒られたあの日々。

そして、ばれないかなとビクビクしながらゲームセンターに通い、補導されそうになったら、全力で逃げしたあの日々。

ゲームセンターは当然お金がいる。そう、お金がなくなれば、他の人がやっているゲームを見て自分がやっているように疑似体験で喜ばなくてはならなかったあの日々。

そんな忌まわしい過去から、とうとう解放される時がきたんだ!

堂々とゲームができる。なんと素晴らしいことだろう。』


闇の中に光がさした。

今、この表現を大げさだと感じたそこのあなた!

そう思った人は、ゲーム禁止令を出された子どものことはわからないことであろう。

それほどに、大きな感動だったのだ。

僕は我に返り、走って自分の部屋に戻り、そしてゲームを掴み走って談話室に戻ってきた。


『金さんが帰ってくる前に、ゲームをしなければ』
僕は必死だった。


そして、プレステの蓋をあけ、CDをセット。そしてONに。。。

FF8のオープニングがでてきた。

「おお!これがプレステなんだ。そしてこれがロールプレイングゲームというやつなんだ」

僕はまたまた感動した。

これを読んでなぜロープレに感動するんだろう?と思われる方もいるかもしれない。


そんな人は、ゲーム禁止令を出された子どものことを全くわかっていない。


そう、僕はロールプレイングゲーム、いわゆるロープレをやったことがなかったのだ。

なぜなら、ゲームセンターにはアクションゲームしかない。


ロープレは家庭用ゲームだけにしか存在しない(当時)。そうゲームセンターには存在しないのだ。

ロープレの代表と言えば、FFシリーズと云われる【ファイナルファンタジー】とドラクエと云われる【ドラゴンクエスト】だ。


このロープレとかいう奴も俺にとって忌まわしき存在だった。


それは、小学校のときだ。


「ねえ、今度のドラクエって○○だよねー」とか、


「○○レベルで覚えられる魔法ってなんだっけ?」という会話が飛び交う教室。


入れない。


入れない。

そう、僕はその会話に入ることができなかった。

でも、クラスでの会話はロープレの話で持ちきりだったのだ。


僕は、取り残された。

というより四面楚歌といっても過言ではなかっただろう。


みんなが敵に見えた。


「あの敵強いよね~。どうしたら倒せるのかな」とある子どもが言う。


『おめーが敵だよ。敵なんだよ』

といつも僕は心に思っていた。


しかし、入りたかった。


「メラ、メラゾーマって○○なんだよね~」


僕もそんな会話がしたかった。



そして僕は、勉強した。


ダイの大冒険を読んで。。。。。(当時、少年ジャンプに連載されていたマンガである)


ウオオオオオ~~

なんて僕は健気(けなげ)なんだろう!! 

そんな手の届かなかったロープレが今できるのだ。

これを読んで感動せずにおられないことを皆さんにもお分かりいただけた事だろう。


そして、コントローラーをもってスタートボタンを押した。


僕にとって記念すべき瞬間だった。


しかし、この記念すべき瞬間が、僕にとっての最悪の入学式の思い出とのなるスタートボタンとなった。



けれども、そのときの僕はまだそんなことを知るよしもない。





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