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第19話:東大生がやってきた



僕が山手学舎に入ってからも、何人かの新入生(山手学舎では、新舎生と呼ぶのだが、)が入ってきた。



ある日のこと。


「明日、新入生のための面接があるんだが、タケオは面接にでれるよな?」


「えっ?はい。大丈夫ですが」


「じゃあ、よろしくな」


「わかりました~」


榎本さんが僕に山手学舎に入舎するための面接にでれるかどうかの確認をとったのだ。


『面接かー。面接と言えば、俺も受けたあの面接か~。


「自分の冷蔵庫の中身が取られたらどうしますか?」

「自分の卵が知らない間にとられたらどうしますか?」   
(【これって面接!?】の日誌より)


とまあ、なんとも言いがたい面接だったけど、今度受ける奴はどんな奴なんだろう。俺と同じ一年かなー』


そんなことを思いながら、次の日の面接の時間。


僕が面接をしてもらったときは、面接官の一人も談話室にいないという衝撃的で、印象的、そして赦せなかった舎生(寮生)の集まり具合いだったが、自分が面接官となった今、その理由がわかるような気がした。



なぜなら、学舎は門限がなく、また自炊であるため、一人ひとりの舎生の生活形態は違う。


昼夜逆転し、狼かコウモリみたいに云わば夜行性化している奴。


ビデオばっかり見ている奴。



バイトに明け暮れている奴。



部屋にこもる奴。



様々だった。   



そんな十人十色の生活形態をもった者同士が集まるのは、容易ではないし、はっきり言って奇跡に近いと思う。


そして今回の面接は夜8時からだった。


面接が始まる10分前になると


榎本さんが、
「そろそろ面接だぞー」と集合の号令をだす。

(ちなみ僕の面接には榎本さんはいなかった。)



それを聞いた舎生の中には、

「えっまじ!今、めし作ったばっかりなのに」
と中華なべ片手に、具を皿に盛り付けしながら不満をもらす奴。


ギーーーーー
自分の部屋のドアを開け、頭をかきながら出てくる奴。



グオオオー
自分の部屋でまだ笑顔で夢をみている奴。



「あと五分だけ」
とビデオ鑑賞のために懇願する奴。


・・・・・・・

・・・・・・・・・・


どうしようもない。


とまあ色々で、

こんな『一致』という言葉を知らないような奴らに「喝」を入れるのが、寮長である榎本さんの仕事だった。


かーーーーーつ!!!


そんな榎本さんの喝が入った言葉や行動はすごかった。


「残り五分で食べろ!!」

それを聞いた、皿に盛り付けしながら不満をもらした奴は、食べ物を口にほお張りながら必死で夕飯を食べる。


「起きろ、コラー!!」
夢見ている奴は容赦なくたたき起こされた。


「ダメ!!」

プチっ

ビデオ鑑賞している奴に対しては、テレビの電源を切るという行動ぶり。



これが舎生たちを一致させる寮長の仕事であった。


そんな寮長の活躍ぶりもあり、面接時間にはちゃんと全員が揃った。



そしてそこに彼はやってきたのである。





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