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第118話:もう間に合わない 

僕は決死の覚悟で朝日新聞東京本社に足を踏み入れる。
 
勿論、割烹着を脱いで…。
 
 
僕にだって羞恥心はあるから、割烹着はそこらへんにあるベンチに置いてから新聞社に向かった。
 
しかしそれでも、焼け石に水とはよく言ったもので、格好の悪さと魚臭さは変わらない。
 
割烹着を脱いでもTシャツ一枚に汚れたチノパンと長靴という格好なのだから…。
 
この格好、どこから見ても怪しい。
 
怪しすぎる。
 
僕が見てもそう思うのだから周りが見たらもっとそうなんだろう。
 
誰がこんな通勤ラッシュにTシャツ一枚で、長靴を履き、しかも香水の香りの如くに磯の香りを漂わして、新聞社に用がある人がいるだろうか。
 
 
 
 
 
ここにいた。
 
 
 
 
 
僕はそれでもなんとか怪しまれないように、新聞社に入っていくサラリーマンに混じって玄関へと向かった。
 
 
そんな正面玄関には二人の警備員が立っていた。
 
しかし、僕があまりにも堂々と歩いていたからだろうか、
すんなり侵入成功。
 
『な~~んだ。びびるほどでもなかったじゃん』
 
と僕は思ったものの、
 
次の瞬間、
 
「すいません。何かご用ですか?」
 
と警備員二・三人に取り囲まれ、あっさりご用。
 
 
やっぱり僕は警備員にとって怪しすぎる人物だったようだ。
 
 
しかしそうは言っても、
 
「すいません。何かご用ですか?」
 
と言いながら、僕が話をする前に僕の周囲を囲んだ警備員の行動にはなんかムカついた。
 
 
第三者がこの状況をみたら、
 
絶対に
 
何かの犯人か変質者ではないか!
 
 
 
僕はた
だ【 子どもの科学 自由研究 小学4年生用 9月号】を買いにきただけなのに。。。。

 
僕はお使いの内容を警備員に話した後、

警備員に連れられて~が売ってる書店(朝日新聞社が出版している書物だけを扱った店)に案内されたのだった。
 
そして僕はそこで依頼されたブツを無事に購入。
 
 
「はああ、やっと買えたよ」
 
僕は新聞社を出たときには、すで精神的にふらふらだった。


「なんで俺がこんな思いをせにゃあならんのだ!
 
しかも書店のレジの人めちゃくちゃキレイなお姉さんだったし…こっちが緊張しちゃってやな汗かいちゃったし

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかもあのお姉さん、

さっきはレジでは笑顔に

『ありがとうございました~』

とか言ってたけど、
 
笑顔の裏には、
 
 
『おえ~!くせ~!吐きそう!おえ~!』
 
 とか
 
『変質者よ、やだ~変質者よ!』
 
とか
 
『いやっ!こっち見た! こっち来ないで~』
 
とか絶対いってんだろうなあ~。
 
 
 
あ~あ、もう絶対頼まれてもこんな事やんねーぞ!まじで。

頼んだお客からそれ相応のものもらわねーと割に合わねーよ、ホント」
 
と、ひとりぼやいていた。
 
 
そして僕は、てくてくと歩きながら、頼まれた本にパラパラと目を通す。



その本の今月号の特集のタイトルはこうだった


【まだ間に合うぞ!君の自由研究】


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スウウーーーー


なにかさむい風が僕の体を通り抜けていったのを感じた。




『俺はこんな本の為に・・・・。


はああ、自由研究は間に合っても、僕のはもう・・・・間に合わないよ。。。




はああ、姉さん、

人生はつらいっス!

世の中の風は厳しいっス!

冷たいっス!

そんな事をまたまた知ってしまった日であった。





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