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第125話:指定席と自由席の現実

グイーーーーーン。

僕の右側前方にある自動ドアが開く。


「あれ、あんなところに自動ドアが・・・・」


僕はちょこっと覗こうと思い、背伸びしてみた。


するとそこには・・・・・


なんとリクライニングシートが広がっているではないか!



それを見て僕は

「あっそう言えば・・・・」

と、ある事を思い出した。



それは約7時間前のこと・・・・


「えっと、あの夜行列車には指定席と自由席があるんですよ」

改札口の駅員が僕にこう告げたのだった。

この言葉に、

『おー指定席があるのか、あーチョー楽だわ~。もう鈍行電車はいいわ~。俺、指定席にしようっと』

と、もうこの時点で列車の気分をお腹いっぱい、充分に堪能してしまっていた僕は、

「えっ?そうなんですか?

それなら僕も指定席にします。」

と、速攻で指定席を注文。


がしかし、


「いや~お客さん、もうこの時期は指定席は満杯で無理ですよ。もっと早く予約しとけば良かったのに~。まあ、あとは自由席に乗るしかないですね。」

と、速攻で駅員に拒否られたのだった。


「えっ?あはははは・・・そうですか。

んんんまあ、んまあいいや。この時間だから自由席も乗れるでしょ・・・あはははは」


『じゃ、指定席なんて希望を持たすような言葉言うんじゃねーよ。コノヤロー』

と心の中でググッと握りこぶしを作り、

まああまり自由席の状況を考えずに乗りこんだ僕だったのであるが、その7時間後はというと、


揺れまくる車両の連結部分で、

しかも便所の横で、

さらに誰にも指導されてもいないのに、


なぜか体育座りをしながらお腹が減り、苦しんでいる僕がいた。


しかし、そんな僕を尻目に自動ドアの向こうの斜め前方のシートには家族連れだろうか、

子どもがお父さんらしき人物から「おにぎり」をもらって

大きな口をあけてほおばっていたのである。



僕は思った。



『なんなんじゃ!この差は~』



指定席と自由席ではこんなにも違うものなのかと思わざるを得ないこの現実を突きつけられた僕。



なんともやり切れない。


やりきれなすぎて、

『なんでたかが指定席がとれなかっただけで、

向こうはおいしそうにおにぎりをほおばっていて、

一方の俺はこんな便所の横でしかも体育座りをしなければならないんだよ!

ゆるせねー、ゆるせねーよ!』

と、僕は心の中で何度も叫んでいたのだった。



しかもこの家族連れ、


よく会話を聞いていると発音が日本語ではない。



『あれ?この発音どこかで聞いたような~』

と僕が思った瞬間、


トゥルルルルル


子どもにおにぎりをあげたお父さんらしき人物の携帯が鳴ったようで、

お父さんが携帯を取り出し

ピッ!

「ヨボセヨ?」


としゃべったのだった。




『ヨボセヨ?

ヨボセヨって、・・・・・・・・・・パクさんじゃねーかよ!』』


僕に考える時間は、必要なかった。


なんと!

どこかで聞いた発音だと思ったら、パクさんと同じ発音ではないか!


僕は気付いていしまった。気付いてしまったのだ。


そう、つまりこの家族連れ、、、、韓国人ということになる。




『フン!パクさんかよ!』


僕は鼻で笑った。



ここで読者にお願いがあるのだが、この上記の言葉だけを読んで、僕が人種差別主義者だと思わないで欲しい。


なぜならこのときの僕にとって不運にも、韓国人と言ったら、


『あのパクさんしか思い出せない』。

からだ。



過去の物語を読んでいただければわかると思うが、

僕の人生の中で初めてあった韓国人はあのオカマチックな口調で言動も強烈なパクさんしかいない。


しかも一緒に暮らした韓国人がパクさんだから、これまた良いのか悪いのか・・・。


ともあれ、僕の中で韓国人と言えば、パクさんだけなのである。


それはつまり、韓国人=パクさんという事。


まあこのときの僕のイメージは極端に偏っている事は言うまでもない。


けれども、韓国人であるパクさんからこの旅行の直前で裏切られたという事があったため、

全く関係のない韓国人の家族連れを見ても、このときの僕にとってはパクさんと一緒にしか見えない。

つまりそれは、強烈なアレルギー反応のであり、そのアレルギー反応が、僕に鼻で笑い、目を側める(そばめる)行為をさせてしまったのである。


でもしかし、後の寮生活の中で僕は、他の韓国人達とも生活することになるのでこの

パクさん=韓国人

というイメージはガラリと変わることとなっていく。


またしかも、後々の話に登場してくる後輩の韓国人留学生も

「パクさんは同じ韓国人から見ても大変特異な人なので、パクさんを見て韓国人みんなが皆パクさんだと思わないで下さい」

としきりにフォローをしていた事を思い出すと・・・。


ともあれ話は戻って、僕はそういう理由から前方の指定席に座っていた韓国人の家族連れに目を側めてしまったのであるが、

・・・・しかし、そう入っても人間は単純な動物のようで・・・・・

グイーーーーン 

「あっまた開いた」

僕は自動ドアの事に気付いてしまってからというもの、自動ドアが開く毎に背伸びをして中の様子をしきりに伺っていたのだった。


『ああ、うまそうなーおにぎりだな~・・・・。』


『あっ、あのお父さん、ビールまで飲んでるよ。。。。

クウウ、うらやましい!!!!』

と。。。。




トホホホ・・・・これではなんのための旅なのか・・・・なんとも【ぶらり途中下車の旅】には程遠い僕の旅なのであった。




僕はしばらくの間、そうして気が沈みまくっていたのであるが、

しかし、日が昇り、その朝日の光がすこしずつ車内を照らすにつれ、僕の心にあったひとつの小さな希望が少しずつ大きくなっていくのを感じた。

それは、、、、

『でもまあいいや!なんて言ったって、そろそろ京都に着くんだしな~。

そうだ!僕の目的は京都じゃないか!

あんなパクさんやこの今のこの揺れる・臭い・痛い(体育座りで)現状は、これからの京都の旅の布石に過ぎないんだ。

そう!

つまり、京都では楽しい旅が待っているって事だよ』

と。


だから僕はこの望みがあるからこそ、この状況を耐える事ができているのであった。


この夜行列車が京都まで行かない事なんかをすっかり忘れながら・・・・。



姉さん、事件は近いです。

つづく。

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