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第138話:震えのとまらない手に 

「江田!ちょっと待て!!」


僕は思わず叫んだ。



それに対して江田は、、、、



「は?なんだって?」


こっちを振り返るなり江田の口調が荒っぽくなった。


そして僕の方に近づいてくる。



僕はそれでも後ずさりせずググッと拳を握り締めて、


「俺はもう・・・・に負けない」

そう呟いた。



「はああ、お前今なんて言った!!」


江田は首を振りつつ目を細めながら近づいてくる。




『もう俺は負けない。。。自分をなくしてたまるか!

いつまでも中途半端な俺でたまるか!』




「俺はもうお前なんかに負けない!っていったんだよ!」

僕はこう江田に言い放ったのだった。



すると、この僕の言葉に


「なっなに~!!」

江田が僕に顔を近づけにらみつける。








・・・・・・・・・・『神様!ちょっとの間でいい、俺に勇気をくれ!』



僕は心の中で叫んだ。



すると、そのときだった。


不思議な事に僕は今までに経験した事のない、内側から沸きあがってくる力を感じた。



そして


「俺はいつまでも高校のときの俺じゃない。

俺は東京に出てから格闘技を始めて体も心も鍛えられてきた。

だから、
俺はもうお前には絶対負けないし、お前は俺に勝てない。

今度、さっきの言葉を言ってみろ。

絶対に俺はお前を
許さない!!」


僕は目を見開いて江田の方をじっと見つつ、自分でもビックリするほどに覇気のある口調で江田にこう言い放ったのだった。



すると、江田も何か感じたのだろうか・・・


「おっおまえ、急に何を言ってるんだ。

ふっふん、そんな事ねーよ。

じゃっじゃあな!」


さっきまでのケンカ腰はどこへやら・・・江田は声を小さくし、そのまま帰っていってしまった。



それからどれだけ時間が経ったのだろう・・・・・しばらくして、、、、

ハッと僕は我に返った。


そして僕は自分の手が震えていることに気がつく。



『震えてる・・・・・まだ震えてるよ。。。。。。。。。

でも・・・・言えた。

俺言えちゃった、言えちゃったよ!!

あれだけ言えなかったひと言を・・・・

この3年間言えなかった事を、、、、、、俺言えちゃったよ!!

うお
!!!』


自分でもビックリだった。


でもなぜあんな言葉を堂々と江田に対して言えたのか・・・・・・実は今でもよくわからない。


だがひとつ言える事は、僕の言葉は江田にとっても大変大きな衝撃だったようで、、、、あれ以来、江田が僕に対してちょっかいを出すことも

僕のアキレツ腱となっていたあの【プー】という言葉も一切使わなくなっていた。



しかもいつの間にか僕自身にとっても、

この【プー】という言葉はもう、僕のアキレス腱でも何でもなくなっていたのだった。



こうして僕にとっての大きなトゲが、そして大きなトラウマがふっと消え去ったのだった。


この消え去る時の早さは、なんと早いことだろう。


なにせこれまでのずっと重荷となっていたものが一気になくなったのだから。



僕は江田が帰った後も、まだ震えのとまらない手をじっと眺めていたのだった。




すると、

ルルルルルー  PHSが鳴った。


ピッ

「はいタケオです。


えっ!アルトノさんですか?


どうしたんですか急に」


「・・・・・・・・・・・。」


「ええ僕は元気ですよ。アルトノさんはどうですか??」


「・・・・・・・・・・・。」



「ああ~そうですか!


で、今日はどうしたんですか?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「えっ!学舎の固定電話の番号が止められてる!?


・・・って俺のせいですか!?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「あっはい・・・・。俺が早く復旧させろ・・・と。今鹿児島にいたとしても・・・ですね」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「あっはい、わかりました。鹿児島にいつつもなんとかします・・・それじゃあ」

ピッ





「だあああ、学舎の固定電話の料金支払うのすっかり忘れてた~!!!!」





一難過ぎてまた一難・・・・・俺の人生って・・・・トホホホ。


つづく。

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この記事に対するコメント

無題

久しぶりに更新を楽しんでいます。がんばってください。

【2009/05/16 10:14】tadatosi #2ac779526e()[編集]

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