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第152話:勇気ひとつを共にして

「うちに使っていないレプリカのバイクがあるけど、あげよっか!」


と、真さんがなんと!仰天発言。


「えっ!!えっ~!!!ホッ!ホントですか!!」


僕はあまりの急転換に目が飛び出そうになった。


「あっ!やった!」


僕は思わず心の叫びを実際の声に出してしまった。


けれどもこの出来事は、僕にとってこれまで生きてきた中で、

マイ仰天トップ10には入るほどの大ニュースだったのだ!


しかし、

そんな思いも束の間、、、



「あっ!でも待てよ。 


あ~あ、やっぱり駄目だわ!」


・・・・・・・・・・・・・


「へえ?」

僕は一瞬わが耳を疑い、目を丸くし真さんを見た。



「いや・・・あのな。。。そういえば、あのバイク、、、ガソリン入れっぱなしだし、、、ダメなんだ。。

全く動かねーし」



僕の一気に急上昇したさきほどの高揚感は、

あのギリシャ神話に出てくるイカロスのロウの羽のように、みるみる溶けて舞い散り、、、


落ちた。


どこからともなくあの歌が流れてくるようだった。

【・・・つばさ~うばーわーれイカロスは~、堕ちて~命を失った~】




けれども、僕はあきらめなかった。



「いえ!それでもいいから僕にそのバイクを譲って下さい!!」



こんな堂々とした言葉、以前の僕なら言えただろうか?


、、、、いや、言えなかっただろう。



けれどもこの半年近くをあの過酷な環境下で過ごしてきた僕は、いつの間にか、鉄の勇気を自然と身につけてしまったようだ。


そう、まさにあの 

「だけーど、僕らはイカロースのー、てーつの勇気を受け継いで、あーしたへ向かいー飛び立った―。

僕らは強く生きていく~、勇気ひとーつを共にして」


の、小学生当時の僕にとって、あの曲をNHKで聴いたときには衝撃的だった歌詞同様に!




「なんだ!結局、頑張っても落ちたんか!!」


と。





「うーん、そうは言ってもなあ」


真さんは困惑気味。




そんとき、僕の後方から声がした。



「いや!それは大丈夫だと思う。

俺が、修理してやるよ!」


と。



ヒーローそこに現る!!






その声の主は木田さんだった。



「ホントですか!」


僕は再び普段でもドデカい目なのにもっともっと広げて、しかも目を輝かせた。




「おいおい!大丈夫かよ!

ガソリン、1年以上入れっぱなしだぜ!しかもエンジンかかんないんだぜ!」


真さんが心配そうに木田さんに語ると、


「大丈夫!俺もバイクわかるし、車と変わんないでしょ、、それに、ガソリンは、、、、」



こう言って木田さんは専門用語を並べて、真さんとしゃべり、、、


まもなく、


「よしわかった!

まあお前は車自分で改造するくらいだもんな。。。

エンジン動かなくてもいいなら、タダでやるよ!

但し、俺はバイクを渡した後の、責任は取らないからな!」



「まあ、俺に任せておきな!」

なんとも力強い木田さんの言葉。


あのときの僕にとって、あのときほど木田さんの姿がまぶしく見えた事はない。



そしてこれが最初で最後のまぶしい姿だったと今振り返って、そう思う。




さて、この出来事から2か月後の10月。



僕は上智大学の北門で木田さんから依頼された書類を揃え、手続きを終え、

そして人生初のバイク保険にも入り、

万全な体制で、


とうとう運命の日を迎える事となったのだった。



そう、あの運命の、、、


「バイク・カゲロウの如く事件」の日。


あの歌が今でも頭の中をよぎる。

「・・・明日へ向かい飛びたった。

ぼくらは強く生きていく

勇気ひとつを~共に~しーてーーーー!!ラララ~」




・・・落ちなきゃいいけど、、、ね。



つづく。

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この記事に対するコメント

無題

こんにちわー。イ・クメンです。
「勇気一つを共にして」めちゃ懐かしーですね☆
この悲しげな響きがすきでした。

【2011/02/11 11:27】イ・クメン #8d3edd4918()[編集]

無題

>イ・クメンさん

今の子は知ってるかな~と思いつつ、この歌は後世にも引き継いでほしいですよね!!

【2011/02/13 19:34】管理人 #2264fddb41(URL)[編集]

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