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第21話:ラッサールはオ・サッール??


僕は、同じ鹿児島出身でしかもオ・サール(前回を参照)を卒業し、東大生である田端にどう対応していいかわからなかった。


しかし、そんな僕の驚きと迷いをよそに面接は続いた。


前回僕が受けたような質問を案の定、受けていた。



「自分が買ってきた冷蔵庫の中身を食べられたらどうしますか?」


僕はこの質問を耳にし、

『あっ!きたきた。この質問。。。

さあ東大生はどう答えるのか?』

僕は東大生の答えに集中した。



僕の面接でその質問が出たときは

「そんな状況になったことまだないからよくわからないですけど、、、そんなに卵は重要なんでしょうか?」(11話を参照)

と答えたが


さあ東大生の答えはどうなる???


東大生の答えに期待が高まった。

・・・・

・・・・

・・・・

「泣き寝入りします。」




『うおおおーいきなり泣き寝入りかよ!!』



なんて君は諦めが早いんだ。


そんな簡単に人生あきらめちゃいけないよと言いたくなった。




そして、質問は続く。


「ごはんがとられたらどうしますか?」


これも僕の面接の時と同じ質問。


僕はこれに対して
「いやーそれもわかんないですけど、取られたら犯人探しします。」と回答していた。



しかし東大生は



「泣き寝入りします。」

とキッパリ。



「じゃあ自分の買ってきた材料で冷蔵庫に入れていたものが、勝手に先輩に使われたらどうしますか?」


これも僕のときと同じだ。


僕はこの質問に

「先輩だったとしても悪いことは悪いのでちゃんと注意します!」

と強気な発言をしていたが、


さあ東大生の答えは??



「泣き寝入りします」



『うおおおーこれまた泣き寝入りかよ!!』


ここまでくると、悟りの境地といっていい。


なんだか哲学的なものを感じた。




【すべてを受け入れよ】


そんな声が聞こえてきそうだ。


それほどに田端という東大生は落ち着いているように見えた。




そして難なく面接が終了。


彼は別室へと移された。



彼が別室に移されたことが確認されると

榎本さんは切り出した。


「どうよ?」



みんな言葉に詰まった。



「じゃあ、反対意見はあるか?」


榎本さんは、舎生ひとりひとりを見回した。


手があがらない。


「それじゃあ、賛成意見は?」


それにも手があがらない。


それは当然であろう。


あの作文、あの面接なだけに、みんなあの東大生に圧倒されたのかも知れない。


今考えてみると、みんなどうしていいかわからなかったんだと思う。



僕も別の人種だと長年思ってきたオ・サール出身者にこんな形で会うとは全く予想だにしていなかったので、意見を求めれたが、

「いやー、ラ・サールとは縁がないと思っていたし、オ・サールと言っていたレベルですから、よくわかんないです」

としか答えられなかった。



「そうか。わかった。じゃあ多数決を取ろう」

と榎本さんは言った。


「彼が寮に入ることに反対と賛成とどちらかと言えば賛成だ。いいな!」



「それじゃあ反対の奴?」

誰も手を上げなかった。



「じゃあ賛成の奴?」

2人ほど手があがった。


「じゃあどちらかと言えば賛成の奴?」

その他全員が手を上げた。



それほどに東大生の田端はこれまでにないキャラクターの持ち主であると言えるであろう。


そして無事、彼の入舎が決定したのだった。


彼の入舎が決定したときに、一人の先輩が田端にこう言った。


「そんなに泣き寝入りしなくていいから、言いたいことは先輩だろうがなんだろうがバンバン言いなさい」
と。






それから数日が経ち、彼が寮へ引越してきた。




僕がその時担当したのだが、先ほども言ったように、別の人種と思っていたので、対応に困った。



しかし今となってはどう対応したか自分では覚えていない。



後に田端は、この時の様子をこう語っている。


「はじめて会ったときに、態度とこの寮への適応から見て先輩だと思い、結構長い時間、敬語使ったが、実は同じ学年だと知ったときなんかむかついた」と。





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