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第22話:初めて見学者を招く


少しずつではあるが、山手学舎の生活にも慣れてきた。

そんなある日、

リ~~~~ン


電話が鳴った。


山手学舎には共同の電話があるのだ。


リ~~~~ン


リ~~~~ン?


リ~~~~ン???


なんかおかしい。


21世紀にもなったのに何か懐かしい音がする。


リ~~~~ン


電話の着信音と言ったら、電子音が普通なこのご時勢。


そう、山手学舎に今は懐かしく、見るのも珍しいピンク電話が存在しているのだ。


「お好きな番号の後に♯(シャープ)を押してください」

「お名前とご用件をお話いただき終わりましたら♯(シャープ)のボタンを押してください」

と言われたら、

ありもしないシャープボタンを探してしまうピンク式電話。


電話機のはずなのに、なにか世の中の流れに取り残されたような感覚をもってしまうピンク電話。

留守電機能がないので、ひたすらなり続け、音量も調節できず馬鹿でかい音を放つピンク電話。


そんな電話が鳴った。



そしてそんな電話は気持ちよく寝ているときによく鳴るものだ。



リ~~~~ン


そんなうるさい呼び鈴に限って誰も出ようとしない。


ここから我慢比べがはじまる。

リ~~~~ン


誰も出ない。


リ~~~~ン

誰も出ない。


『早く誰か出てよ。』

リ~~~~ン


リ~~~~ン


リ~~~~ン

『うっるせーから、はよでてよー』


しかし、本当は下級生である僕が出なければならないのだが。。。。でも、、、ねむい、眠い


リ~~~~ン


まだ誰も出ない。


『だあー俺がでるかー』
ピンク電話に駆け寄った。


ガチャ


「はい、もしもし」


先輩が電話をとった。



『あっ!』

ピンク電話に駆け寄って、しかも電話がとれずにそこに立っている自分がむなしくなる瞬間である。




しばらくして


ガチャ。。
先輩が受話器を置いた。


「おーい。タケオ。」

「はい。」

「これから学舎(山手学舎)に見学者が来るから対応してくれないか?俺これからちょっとでかけないといけないし、今、学舎にお前しかいないからお願いなー」


「えっ?そうなんですか。。いいですよ」


「大体のことはわかってきたと思うから、説明できるだろ」


「はあ~。たぶん、大丈夫です。」



「じゃあ!よろしく~」
と言って先輩は出かけて行った。


見渡せば、学舎には僕ひとり。



『先輩には大丈夫とはいったものの何話せばいいんだろう。』


はっきり言って僕が見学にきたときはあまり参考にならない。


焼酎片手に、というわけにはいかないし、

「はああ」
なんともため息がでてしまう。


そしてしばらくすると防火扉が開いた。

そこには2人の男の人が立っており、2人ともめがねをかけていた。

「こんにちはー」

1人の男の人が挨拶した。

「こんにちはー」
僕は答えた。


「どうぞ、靴を脱いであがってください。」
と僕。


2人は軽く会釈をして、スリッパに履き替えた。


僕はとりあえず、2人部屋と談話室、お風呂場などに案内し寮費や、門限などの事をそれぞれ説明した。



2人の様子がなんとなく日本人とは違うような感じがしたので

「留学生の方ですか?」
と質問した。


そうすると彼らは
「韓国からの留学生です」
と答え、


ひとりの男の人が
「僕は付き添いなだけで、彼がここに入りたいといっている学生なんですよ」
と話してくれた。



「そうですか。ここには2人の留学生が現在いるんですよ」



入るとしたらいつぐらいから入れそうですか?」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



『しっシカト?』



しかし、僕は平静を装った。



「えっと、まず面接する日を決めてから、面接をしてもらいます。そこでOKがでたら入れますよ」



「じゃあ、面接をしたいんですが、、、」

すぐにでも入りたい気持ちが僕には伝わってきた。


「わかりました。じゃあ、一応連絡先と住所、大学名、名前をこちらに書いてください。後ほどこちらから面接日をお知らせしますので、、、」


入りたいと願う韓国人の彼にペンと所定の紙を渡した。


彼は、すらすらと所定事項を書いた。

そして書き終わった。


「えっと、これはパ  クと読めばいいですか」


「そうです。朴、パクと申します」


「わかりました。それじゃあまた連絡します」


「宜しくお願いします」


彼らはそう言って帰っていった。


防火扉が閉まる。


ガタン!


ちゃんと僕にも見学者への対応ができた瞬間だった。


初めての見学者対応は留学生だったが、何事もなく終わることができ、

そして何日かが経ち、無事面接も終わり(僕は参加できなかったが)、パクという韓国からの留学生が寮に入ってくることとなったのである。


しかし、このパクという名の人物は見学の際はうまく対応でき、

捌(さば)けたのが

のちに僕に、いや僕たちに強烈な程までの印象を与え、

さばけることができなかった人物の一人となっていくのであった。。。。トホホ





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