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第26話:関西弁も色々らしい


山手学舎には広い屋上があり、

そこでの夕方の風はとても気持ちがよかった。


なぜ僕が屋上にいるのかというと、洗濯物を干しにきたのだ。


学舎には備え付けの洗濯機がある。


勿論、共同だから順番待ちというときもある。

しかし、大抵は洗濯機を使いたいときには、問題なく洗濯できる。


なぜなら舎生の洗濯する時間もそれぞれ違うからだ。


僕は洗濯物を干すときはいつも屋上に干しに行く。


屋上に着くとそこには都会にしかない風景が広がっており、

高層ビル群を遠くに見ることができる。


夜に屋上に行くと、それは夜景が綺麗で、僕はそれを見るたびに

「俺、東京に来たんだなー」と実感するのだ。



しかし、洗濯物を部屋で干す人もいる。


田端や金さんは部屋干し派だ。


そう言えば、最近まで田端は田代さんと一緒の部屋だったっけ。


田代さんとは、T外大の4年生で、バリバリの関西弁の人だ。


田端も同じ関西人だから、関西弁を使えるはずなのだが、あまり使ったところを見たことがない。

そして普通に共通語が使っている。



僕が、田代さんが関西弁を使っているから、

「田代さん関西弁だね~」

というと、田端は

「あれは、神戸弁だ!」という。


僕から見ると同じ関西だから同じように関西弁に聞こえてしまう。


しかし、田端から言わせると、田代さんのは神戸訛りの関西弁らしい。


田端は大阪だから、ある意味、僕らが聞いているような関西弁なのだ。


僕にはその違いはよくわからないのだが、同じ関西ということもあり、田代さんと田端の間には見えない溝があるようだった。


そんな田端と田代さんが相部屋なのだから、さぞかし大変だろうと彼らの部屋を覗いてみると、、、、、


奥の机で田代さんが勉強しており、二段ベッドの上に田端がいた。


しかし、田端の様子がおかしい。


こちらを見ているかのように体全体はこちらを向いているのだが、明らかに視線はコチラをむいてはおらず、こちらの壁の方をみていた。


そして集中しているように思えた。


僕は不思議に感じながら、田端の方に近づいた。



「ねえー田端、何やってんの??」






「ああああーーーーーーー」



僕は思わず叫んでしまった!!



僕がそこで見たものとは、、、、、、、、




なっなんと21~25インチのどデカイテレビがベットの上にあるではないか。


そしてカモフラージュするかのようなに布団をテレビにかぶせている。




そう彼は、そこでゲームを


しかも、【ゼルダの伝説】をやっていたのだ。



つまり、田端も僕と同じゲーマーだったのである。


あとで、聞いた話によると、彼も僕と同じようなゲーム禁止令を出された悲しい歴史をもっており、大学に入った今、ゲームをしたくてたまらなかったという。


学舎にはゲームをする環境がある。



しかし、学舎の現状はどうだろう。


ビデオ大将軍である金さんがテレビを独占。



下級生である僕達はそんな中を細々とゲームするしかない。




そこで!!


田端は考え、自分の部屋のベッドに禁断のテレビを置き、密ゲーをしたのだった。


しかし、自分の部屋にテレビを置くことはご法度である。




この『テレビがご法度』というのには理由がある。


それは山手学舎は小さい寮ゆえに、コミュニケーションが重要な鍵を握っている。



しかし、テレビを自分の部屋においてしまうとそのコミュニケーションが半減。


『談話室においてテレビを共有するからこそ、そこに会話が生まれ、コミュニケーションができるのだ』というのである。


僕はその理由には賛同する。


しかし、現実はどうか?

悪代官と化した金さんがテレビを独占している上、よくわからんビデオ借りてきており、そんなところからは会話が生まれるはずもない。



所謂、学舎テレビの冬の時代なのだ。



だから、田端の気持ちはよ~くわかる。




がしかし、やっている行為自体は、ご法度だ。





そしてこの田端の行為は、すぐに学舎中に広まった。(まあ小さい寮なので当たり前の事だが)



そして、そこに検察に付した山田さんが、いつものようにメガネを人差し指で直すしぐさをしながら、田端の部屋にやってきた。



そして、田端はあえなく御用。。。





しかし、ひと言、言っておこう!!


田端はゲーマーとしては誇り高い戦士である。



金さんのテレビ独占という圧政に苦しみながらも、その打開策として地下にもぐり、念願のゲームを手に入れたのだから。。。





しかし、そんな田端も御用となってしまった。



これでまた、学舎テレビは冬の時代に戻るのだろうか。。。





学舎ではご法度に触れた者は、奉行所で裁きを受けなければならない。


その奉行所とも言うべきものが、定例舎生懇談会と呼ばれる全舎生が集まる会議なのだ。


これは、月に一度行われる。


この定例懇談会、略して舎懇は、冠婚葬祭以外の理由では決して休んではいけないという学舎に住んでいるものにとって、最重要会議なのである。


勿論、アルバイトなどという理由での欠席は言語道断。


この舎懇を休むと、退舎勧告、つまり出て行けという勧告を受けることもあるほど。


その会議で、田端の行為が議論され、裁かれるのである。


さあ、舎懇という奉行所での、判定はどうなるのか???




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