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第27話:ミッションインポシブル


とうとうその日がやってきた。


山手学舎には、月に一度、舎生懇談会、略して『舎懇』と呼ばれるものが開かれる。


山手学舎は自治寮である。


つまり、そこに住んでいる学生達が自分たちで規則を決め、役割を分担し寮運営を行なうのだ。


その寮運営に不可欠なのがこの舎懇である。


ここでは一ヶ月の総括を行い、学生達がとことんまで議論しあう。

そしてそこで決められた事項に従い、これからの一ヶ月間を過ごしていくのだ。


であるから、

あまりに熱心に議論し合い過ぎて、

通常夜10時前に舎懇は始まるのだが、

翌朝の4時に終わるということもあり得てしまう程、危険なでディープな会議でなのである。



あっ!!


ひとつ言い忘れたが、舎懇の前に一時間半ほど、全員で寮の大掃除をする。


小さな寮に男子学生が12人以上集まれば、一ヶ月で汚くなるのは当たり前。


そこでその汚れを舎懇の前に全員でキレイにしようと言うのがこの大掃除のコンセプトである。


この大掃除では掃除班が三班に分かれていた。

①談話室班

②台所班

③トイレ・廊下・空き部屋班

である。


これは、じゃんけんで決まるが、当時一番競争率の激しかったのはトイレ・廊下・空き部屋班であった。

そして、談話室班は全くと言っていいほど人気がなかった。




僕はとりあえず、談話室をやってみようと談話室班に挙手。


すんなり談話室班の一員となった。


「さあ掃除開始!」 

舎長(寮長)の掛け声の下、各班に分かれ任務が遂行されていく。


談話室掃除はどう遂行されていくのか?

僕は談話室の掃除というのだから、ホウキと雑巾がでてきて、床を掃いたり拭いたりするのだろうと思っていた。


しかし、僕のこの思いはカンペキに裏切られた。


なんと出てきたの、デッキブラシと桶。


「えっ?これを使うんですか?」

「そうだよ。このデッキブラシで床を磨くんだ!」
と榎本さん。


僕は、これまで自分の家をデッキブラシで磨いた事は一度もない。



というか床が痛むんじゃ・・・・。

と突込みをいれたくなったが、談話室の床の汚れを考えると納得もいった。



そして桶に家庭用洗剤とお湯を入れただけで作った床用洗剤をデッキブラシにつけ、床を磨いていく。


この作業は床の乾きを入れて約30分ほどで終わった。


『あれっ??以外と簡単だったな~。なんでこれだけなのに談話室班は人気がないんだろう。でもラッキーかもね』

僕は心の中でそう思った。


けれどもこの淡い思いは次の言葉に完全に打ち崩された。


「さあ次は冷蔵庫やるぞー」


『・・・えっ冷蔵庫??』



僕の想像の粋をカンペキに越えた掃除が始まるのであった。




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