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第30話:舎懇を回想する


とうとうこの時が、舎懇の時がやってきた。

舎懇ではまず、これまでの一ヶ月間を振り返り、舎生達が役割を与えられている仕事についての報告をする。


次にその月にある行事を再確認し、議論する。



そして最後の最後に来る事項が、【自由討論】と言われる項目だ。



この自由討論の項目で田端の行為はジャッジされることとなった。



まずは舎長の一人であるアルトノさんが発言した。


「田端がやった行為を皆はどう思うか?」



一瞬、静かになったが


その沈黙を破るように山田さんが、


「田端の行為は、山手学舎の規則を破る行為であり、許されない行為である。

テレビを自分の部屋においてはいけないという事を知りながらの行為であるため、確信犯と言えるだろう。

しかし、この行為に及ばせる原因にもなった金の行為も正されなければならないだろう」

と発言。



しかしこの発言に対して金さんが猛反対した。


「俺は、クンッ 誰もテレビを見ないからビデオを借りて
クンッ 見ているだけだよ!誰にも迷惑をかけていない!」



その言葉を聴いた僕は、
『うそだ~嘘だあああ!そんなのうそだー


だって俺がゲームをやっているときずっと見えない圧力をかけてたじゃないか!!(泣』

と、心で泣きながら叫んでいた。




「でも、あれだけビデオを見続けるのは異常だし、あれでは誰も見れないぜ」

と榎本さんがペンを指先で回しながら金さんの方を向いて言った。



「とにかく、金はもっとテレビを開放的にしなければならないな」



「俺はちゃんとクンッ!気をつけてるぞ!」

金さんは、右手の甲を鼻に当てるような動作をしながら少し強い口調で話した。


そんなこんなで、金さんは、この件に関しては、なかなか譲らない。


しかし、ここでよく考えてみると、この自由討論での議題は田端の行為についてのはず。

なぜ金さんがメインになっているのだろうか?


それは、舎生の皆がこれまでの金さんのテレビ独占行為に不満があったのだろう、舎生全体から金さんに対する批判が続出することとなる。


「見たいドラマが見れない」

とか

「後輩は先輩にはさからえないから、テレビを譲らざるをえない」


とか


「長時間の独占は禁止にすべき」

とか。



しかし、金さんは


「俺はそんな事やっていない」

の一点張り。



このように「やった」・「やっていない」の議論が永遠と続く。。。。。。。





しかし、人間は面白い。


そんな長時間の議論が続くと、脳が麻痺するのか、なぜか話はだんだんと脱線し、いつの間にか話の中心は金さんのビデオの話題になっていた。


「そもそも、あんなにビデオを入手していることが問題だ!」

とか

「なぜ金さんは、あんなにビデオを借りることができるのか?」



「金さんは、どこからあのビデオ入手しているのか?」

などなど。


さらに話は脱線していき、


「日本語字幕を持って来い!!」

という奴まで現れ、



しまいには


「あのビデオはいくらなのか!!

えっ?4本で1000円??

じゃあ俺にも買ってきて」


「英語の勉強したいから英語字幕を買ってきて」


「ハリウッドの最新の映画を持ってきてよ」


と、全く関係のない話まで飛び出すことに。



でもまあそんな脱線話に花を咲かせ、ネタが尽きた頃、

舎長であるアルトノさんが本題に戻した。


「あの~。本題にもどっていいですか??」



その言葉に皆、


ハッ!!としたのは言うまでもない。



そして、議論も煮詰まり、ある決定が下されることとなった。



その決定事項は以下の通りである。


①もう一度、テレビを見る権利の順番を明確にする。

1位、普通の地上波の番組 

2位、ビデオ

3位、ゲーム


但し、深夜枠はゲームをする人に配慮する事。


②田端の部屋のテレビは使用禁止、学舎側でテレビを預かる。


このように決定した。



そしてこの問題の発端者である田端の処遇はというと、




原因は金さんにあり、酌量の余地はあると言うことで、厳重注意。




よかったね!!田端!



しかし、あとで分かったことだが、押収されたテレビは、実は田端のではなく、田代さんの物であった。




そういう事実もわかり、テレビは田代さんに一時返却されたが、

現在談話室にあるテレビの調子がおかしい(具体的には、ブラウン管の上部の画像が切れてしまっており、ゲームをするときには、かなりやりずらい)

ということもあり、学舎側が田代さんから格安でテレビを購入するとなった。


【災い転じて福となす】

という言葉がふさわしく談話室に新しいテレビがデビューしたのであった。



ちなみに、

以前のテレビは、粗大ゴミ置き場からもってきたものであったらしい。


『そりゃあ調子悪くなるわ!』




僕はそんなこんなで、この一ヶ月間を回想していたのだが、いつの間にか夕日も沈み、周りは暗くなっていた。


「あっ!もうこんな時間か~。さあって洗濯物も干し終わったことだし、

気持ちよくこの一ヶ月間を回想できた事ですし、部屋に帰るとしますかね。」



そう僕は独り言をいって、屋上から降りようと屋上にある階段のドアに手をかけた。


ガチ!!!


あれっ??



ドアが開かない。。。


ガチャガチャ!


「なんでドアが開かないの??」



「ええっなんで??」


ガチャガチャッ!


ドンドン! 


「お~い誰かあけてくれ~。」
と僕。



ドン!ドン!ドン!




結局僕は、その日の夜になるまで、ドアに向かって叩き叫び続けることとなってしまったのだった。



一体誰がこんな事を・・・。




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