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2018/12/11 [PR]
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2007/12/16 第31話:何かが狂い始めた
「ハハッ、そんなに怒るなよ」 「いや、冗談にもほどがあるでしょう」 「相部屋としてちょっとからかっただけだろ。コミュニケーションをさあ~」 「そんなコミュニケーシ
2007/12/17 第32話:受けたい授業
「あ~もうこんな時間か」 ベッドの傍らにある時計はすでに12時を回っていた。 「はああ、だるい。」 「ふうう~」 なんだか体がだるい。それに肩も重い。
2007/12/18 第33話:ぬれ衣
「だれっ?だれなの?」 あの高音が教室の中をこだまする。 「今の音はなに??今なにか鳴ったわよね。誰なの!誰なのよ?」 『お前こそ・・・・・・・ なんでお
2007/12/19 第34話:これが恐ろしい授業だ!
「あなたの携帯電話を今すぐここに出しなさい」 先生は完全にいきり立っていた。 カタッ 『アレッ??』 僕の後ろから音がした。
2007/12/19 第35話:すべてが空しい
そんなこんなで授業も終わり、僕は帰る支度をした。 しかしなにかが空しい。 今日のこれからの予定は、寮に帰って夕飯の食材を買いにいき、夕食を作り、寝る事。
2007/12/22 第36話:偽りの友情
トン、トン、トン 『俺の部屋に誰だろ?』 「はい、どうぞ」 ガチャッ ドアノブが回り、 「タケオいる~?」 恐る恐る覗き込むように
2007/12/23 第37話:敬語の使い方をきっかけに
敬語、、、、、 敬語とは自分より目上の人に対して使う言葉である。     しかし、山手学舎では同期と言っても年齢が違う者同士が入舎(入寮)するこ
2007/12/24 第38話:疑惑の当事者たち
「おっおまえらの秘密を、俺はしっ知っているんだぞ。」 「えっなにが?」   「お前達が・・・・・・ホモだって事を!」 ・・・・・・・ ・・・・
2007/12/30 第39話:男の教訓
結局、山田さんのスクープした高木さんとアルトノさんとのホモ疑惑は、第三者である白の証言によって完全に否定された。 まあ状況証拠ばかりで当たり前の事だが・・・・。
2008/01/01 第40話:掃除とは
「やばいっ! やばい! 早く帰らないと遅刻する!」 僕は学校が終わると、全速力で帰るのであった。 ハァーハァーハァー 僕の息は完

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第31話:何かが狂い始めた


「ハハッ、そんなに怒るなよ」


「いや、冗談にもほどがあるでしょう」


「相部屋としてちょっとからかっただけだろ。コミュニケーションをさあ~」


「そんなコミュニケーションはいりませんよ!!マジやめてください!」

僕は、かなり激高していた。


しかし激高したときほど、言いたい言葉はなかなかでないものだ。


鍵を掛けた犯人が僕と同じ部屋の山田さんと知ったらなおの事。


山田さんは屋上で僕をみかけ、出来心で鍵を閉めたらしい。


そんな出来心って、、、、


山田さんはすぐに開けようと思ったらしいのだが、ちょうど携帯にバイト先から緊急の連絡がありそのままバイト先へ。


僕が救出されたのはそれから1時間後のこと。


『誰がこんな事を』と思ったときは、頭に血が回ったのだが、

犯人が山田さんと分かったとき、瞬間的には怒りがこみ上げてきたものの、

しばらくすると、山田さんに対しての怒りよりも失望感の方が大きくなっていった。



『あれほど、クールで規律に厳しく俺らに指示や注意する人がそんな事をするのか』


その日は、山田さんと会話する事はなかった。



しかし、ここが寮の皮肉なところ。

相部屋である以上、帰る部屋・寝る部屋は同じ。


嫌でも、山田さんとは顔を合わせなければならない。


コミュニケーションとは難しいものだ。


山田さんは僕とのコミュニケーションを図ろうと思い行動したのであろうが、僕はその行動によって傷ついたのだから。


この事件以来、なんとなく山田さんと僕との距離は一定の距離を持つ事となってしまった。


けれども、彼がひと言でも

「ごめんね」

と言ってくれるのであれば状況はかわっていたかもしれない。



その頃からだろうか、僕が他の相部屋の人たちをうらやむようになったのは。


僕が自分のベッドで本を読んでいると、壁の向こうから笑い声が聞こえる。

白と高木さんの部屋からだ。


「あははははははは!」


隣の部屋はいつも笑いが絶えない。


『いいな~』


笑い声を聞くたびにそう思った。


「あははははははは!」




笑い声を聞くとなんともいえない気持ちとなる。


「あははははははは!」


・・・・・・・

・・・・・・・・

『くそっ!同じ寮で同じ一年生なのになんでこんなに違うんだよ。どうして俺にはないんだよ。クソッ』


悔しくて悔しくてたまらない。


あんなのぶち壊してやる。




僕の大学生活の歯車は狂っていった。





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第32話:受けたい授業


「あ~もうこんな時間か」


ベッドの傍らにある時計はすでに12時を回っていた。


「はああ、だるい。」

「ふうう~」

なんだか体がだるい。それに肩も重い。


起きたばっかりなのに、8時間寝たのにだるい、だるすぎる。


『学校行きたくねーな』

僕の心も湿度も、すでに不快指数が80を越えていた。


今日は特に嫌な授業が午後からあるのだ。


「行く気がしない」


「行きたくない」


「絶対やだ」

「今日はさぼろっかな~」

・・・・・

・・・・・・・

「えー哲学者プラトンが提唱した世界観。個別の事物の背後には、その本質であるイデア  が実在すると主張す・・・・」

・・・・・・・

『・・・来てしまった


しょうがない。


しょうがない。


しょうがないんだ。


すでにすでに欠席枠を全て使ってしまったんだから・・・』


そうこの授業は出席を取るのだ。


日本全国の大学生にとって、履修するときの最大の要素なんなのか。


それは簡単な事。



出席をとる授業か、とらない授業かの違いである。



大学は高校とは違い、ある程度自分で受けたい授業を選択できる。


その時、多くの学生は単位の取り易い授業を選択する傾向にある。(勿論、頑張っている学生もいるが)


単位の取り易い授業とはなんぞや。


それは出席があるかないかである。


その理由は、ある学生はアルバイトを重視するためかもしれないし、ある学生にとってはサークルを重視するためかもしれない。

あるいは資格をとるために授業を犠牲にするのかも。


まあ理由は様々なのだが、このような理由から出席のとる授業は敬遠されがちとなる。



しかし、幸運?にも僕のJ大学は出席には厳しい。



しかも僕の学部にいたっては99%の授業は出席をとるのだ。



大学へ進学したものならわかるであろう。


この99%=出席の意味を。

どうか僕の思いを察してほしい。


「同情するなら単位をくれ!」


そんな心境であろうか。


僕の大学では前期の授業のうち3回欠席するとアウトとなる。


そう僕は、すでにこの授業で2回欠席をしてしまっているのだ。




しかもこの授業は『時間厳守』・『携帯禁止』・『私語禁止』を三か条にしており、1分遅刻しても欠席扱いとなってしまう非常に冷酷極まりない授業だったのだ。



また一番許せないのは、ここの先生の今にも耳鳴りが起こりそうな高いキーキー声。




頭痛がする。



ロッテンマイヤーさんの眼鏡(クララの女執事-アルプスの少女ハイジ-)に類似したメガネをかけながら、私語をしている学生・携帯をしている学生がいないか、いつもキョロキョロしている。


『おめーが、一番うるせいし、うぜーよ』



しかも、あのキーキー声での哲学の授業。



動物園のサル山で授業をうけているようだった。



「ウキキキキ、ウキョキョキョキョキョー!」

・・・・

・・・・・・

絶えられない。



しかもこの先生、自分が生まれ変われるとしたら本気でギリシャの彫刻になりたいと言い切っている男なのである。



そんなとき、携帯が鳴った。

タリラリラー タリラリラー タリラリラリラリラー

トルコ行進曲だった・・・。




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第33話:ぬれ衣


「だれっ?だれなの?」

あの高音が教室の中をこだまする。


「今の音はなに??今なにか鳴ったわよね。誰なの!誰なのよ?」



『お前こそ・・・・・・・

なんでお姉系なわけ?』
と僕。



この携帯音事件で完全に授業は止まってしまった。


「白状しないさい!携帯ならした人は誰?

犯人がわかるまで授業はしません。」


『あ~あ、やらかした。やらかしちゃったよ。携帯電話を鳴らしてはいけない時に、それも鳴らしてはいけない先生の前でやらかしちゃったよ』


『誰なんだ~。こんな時に鳴らしたやつは?』

僕は周りを見渡した。


そんなときだった。


先生の目と僕の目が合ってしまったのだ。


『えっ??』



「そこのあなた!あなたね。あなたがやったのね」


『えっ俺?』

思わず目が飛び出そうになった。



先生はどんどん僕の方に近づいてくる。


「携帯電話はあれほど切りなさいと言っておいたじゃないの」


彼はそう言いながらどんどん近づいてくる。


『俺じゃない。俺じゃないって』


「なんで私の、私の言う事がきけないの!!」


いつものキーキー声がさらに1オクターブ高くなって僕の方へ。


『違う。違う俺じゃない。俺は潔白だよ』

僕は心で叫び続けた。



そして先生は僕の目の前に立ったのだった。


「あなたの携帯電話を今すぐここに出しなさい」


『やっべー。こんな授業くるんじゃなかった・・・・トホホホホ』




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第34話:これが恐ろしい授業だ!


「あなたの携帯電話を今すぐここに出しなさい」


先生は完全にいきり立っていた。




カタッ



『アレッ??』


僕の後ろから音がした。



「すいませんでした。」


僕の席のひとつ後ろの男が携帯電話を机の上の置いたのだ。



『お前かよ!


もっと早く白状しろよ。


バカヤロー』

僕はホッとしたのと同時に、これまでのドキドキ感をどうしてくれるんだと思い、


後ろの彼に対して怒りがこみ上げてきた。



がしかし、次の瞬間、



「あっあなたが携帯電話鳴らしたことでどうなったかわかってるの?

全体が迷惑しているのよ。


ほら見て見なさい、あなた!

今の自分の顔を見て見なさい。


醜い!


なんて醜いの!


人に迷惑をかけることをするとそんな醜い顔になるのよ。


ギリシャの彫刻を見て見なさい。


あの美しさからいったら、今のあなたの顔は醜い。醜すぎるわ」


・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

なんと言えばいいのだろう。。。。


僕の怒りは、笑いをこらえる事に変わっていった。



『醜い・・・


みにくいってなに?


フフフ』

僕は思い出し笑いをしそうになった。



『これって笑っちゃいけないんだよね。』


僕は今にも吹き出しそうな笑いをこらえながら、周囲を見渡した。



他の学生達も顔を伏せたり、うつむいたりしている。



『絶対、こいつらこらえてる』


僕は直感した。



けれども、先生は真剣そのもの。



僕の後ろで叱られている学生はなんと哀れな事だろう。



僕のさっきまで怒りはどこえやら、僕は後ろの彼に同情するようになった。



普通に「携帯電話はやめなさい」などと叱られていれば、すぐにその場をしのげるはずなのに

「あなたの顔はなんて醜いの!」

と言われた日にゃ、どうだろう。


十九・二十歳のそこらの学生で、友人や知人から「あなたの顔はなんて醜いの!」と言われたことのある人はまずいないだろう。



だからまず第一に言われたときのリアクションほど、難しいものはない。


リアクションが取れない。


またあまりにも奇抜なフレーズ故に、言われた本人はめちゃくちゃ恥ずかしい。


注意される事が恥ずかしいのではない。


奇抜なフレーズと自分とをマッチングさせられる事が恥ずかしいのである。


そしてなんと言っても、可哀相なのは後ろの彼は、これからしばらくの間、

きっと

「あれって××先生に醜いと言われた●●君だよね~」

と不名誉な枕詞をつけられ呼ばれ、女の子にも不名誉な枕詞付の名前で覚えられるに違いない。


なんと恐ろしい叱り方だろうか。


僕はこの叱り方は最凶最悪な死の宣告だと思う。



案の定、後ろの彼はそれ以来この授業には来なかった。



『ああ僕じゃなくてよかった。』

僕は安堵の胸をなでおろす。



なんと恐ろしい授業だろうか。





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第35話:すべてが空しい


そんなこんなで授業も終わり、僕は帰る支度をした。


しかしなにかが空しい。



今日のこれからの予定は、寮に帰って夕飯の食材を買いにいき、夕食を作り、寝る事。



僕はこんな生活をこの2ヶ月近く行なってきた。


また寮に帰ったらいつものように僕のベッドの壁からお隣さんの楽しそうな笑い声が聞こえる。


だからと言って僕に関係があるわけではない。



しかしその笑い声を聞くとなんだかむかついてくる。




今年僕と同じように一年生として寮に入った人間は僕を合わせて四人。


僕と白と田端とN大学に入学した佐竹というやつだ。



けれども、僕はこの2ヶ月間、一年生同士であまり深く話をした事はない。



というのは、白はいつも高木さんとアルトノさんとつるんでおり、田端はサークルで忙しく、寮にいるときは佐竹とつるんでいたからだ。


つまり僕は蚊帳の外という感じ。



別に僕は彼らと何かケンカをしたわけではない。


また、彼らに関心がないわけでもない。


ある時期、僕は自分から掛け合おうと白たちや田端たちに頑張って近づいたのも事実だ。


しかしなんとなく僕は浮いていた。


そう感じたのだ。


頑張って掛け合いながらも浮く自分が馬鹿馬鹿しくなり、僕は自分の部屋にこもるようになった。



だから授業が早く終わっても別に早く寮に帰ろうとは思わない。


だって結局、早く帰ったところで買物してご飯作って寝るだけなのだから。


また相部屋といってもあの事件以来、相変わらず山田さんとはあまり話していない。


というより、生活リズム自体も違うから、全く話す機会すらないといった状況だ。



寮に帰っても話をする人が特にはいない。


なんとなく空しさを感じる。


『大学生活とはこんなものなのかな~。高校時代に描いていたものと全く違う。

毎日毎日、同じことのくり返し。くだらない。


ああ空しい。


すべてが空しい。』



僕はどんどん空しさの深みにはまっていく。



そしてその結果、行きつき先は


『こんな寮マジでやめたい。すぐやめたい。今すぐ出て行きたい』

という切実なる思い。



当時、僕と山手学舎とのつながりは【原則4年間、寮に住まなくてはならない】という面接時の誓約だけでしかなかった。


そんな時、寮生活を空しく感じる僕の部屋をノックする人がした。


トン、トン、トン




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第36話:偽りの友情


トン、トン、トン

『俺の部屋に誰だろ?』


「はい、どうぞ」


ガチャッ


ドアノブが回り、


「タケオいる~?」


恐る恐る覗き込むように顔を突き出しながらゆっくりドアが開いていった。



「珍しいですね。どうしたんですか、パクさん?」


そうそこには、僕が初めて寮を案内したパクさんがいたのである。


パクさんは韓国からの留学生でT大学2年生。


といってもすでに年齢は25歳であった。


しかし、この年齢なのはお国の事情が絡んでいるので仕方がない。


なぜならお隣、韓国は徴兵制なので2年以上、軍隊に入隊しないといけないのだから。


つまり軍隊に入隊する事は義務なわけで、どうしても大学進学する時の年齢は日本より高くなってしまうのだ。


またパクさんの世代の場合、現在よりも入隊期間は半年以上長く、2年8ヶ月間、軍隊にいたとか。


<現実に戻って>

「この部屋にくるなんてめずらしいじゃないですか?どうしたんですか?」
と僕。



「どうしたものこうしたものないけど・・・


私がこの部屋に来ちゃいけないわけ?」


パクさんが即座につっかかってきた。



「いやいやいや、そういうわけじゃあないんですが、パクさんが僕の部屋に来るのは珍しいなーと思って。」


僕は愛想笑いをしながら答える。


するとちょっと間をおいてから


「そうなのよ。・・・・ちょっとタケちゃん。聞いてくれる~?」

とパクさん。


「いいですよ。どうしたんですか?」

僕はベッドから起き上がり、パクさんの話に耳を傾けた。


「最近、寂しくて・・・。相部屋の田代も大学院の受験勉強でほとんど大学の図書館にこもっちゃうし、

アルトノも卒論で忙しいからつれないのよね・・・。それに高木もいないし、だからちょっと寄ってみたの。」



この言葉に僕は、パクさんはただ単にしゃべる人がほしかったんだろうなあと直感した。


なぜならパクさんは日頃、相部屋の田代さんと自分達の部屋でよくしゃべっていたし、2人でよく飲みにもいっていた。


また、留学生ということもあるのだろうかアルトノさんと仲良かったようだし、同期である高木さんとも楽しく話をしていたのを僕はよく目にしていたからだ。



そして、しゃべる人がいないから、最終的に回り回って僕のところにきたという所か。


しかし、僕はそれでもよかった。


これまでの同じことのくり返しの生活だった事、寮生達と話ができなかった事を考えると、

ちょっと違和感はあるものの、パクさんが退屈しのぎに僕のところに来ただけであったとしても、なんだか嬉しくなった。



そしてこの事をきっかけに僕はパクさんと食事をしたり、話をするようになる。


寮の事を語ってみたり、大学の事を語ってみたり、僕は水泳が得意だと言うと、パクさんは水泳を教えて欲しいというので、僕がコーチをしてあげたりと・・・。


それは僕にとってとても楽しい時間だった。


これまでの空しい時間から一転。


『やっと僕にも大学生らしい時間が与えられたんだな』

僕はそう思った。


しかし、今考えるとその時の僕は、自分を見てくれない同期たちに対して、

何か一種の競争意識を持っており、純粋に楽しむ・友情を育むというよりは

『お前らより面白いんだ・楽しんでいるんだ』という優越感をただ持ちたかっただけだったように思う。


友情はそう簡単に、しかも優越感・競争意識から生まれるはずもないのに。


そうこの時の僕はまだそれに気付いていなかったんだ。




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第37話:敬語の使い方をきっかけに


敬語、、、、、


敬語とは自分より目上の人に対して使う言葉である。

 

 

しかし、山手学舎では同期と言っても年齢が違う者同士が入舎(入寮)することが多いので年齢的に目上の人が多い。

 

 

極端な事を言えば、寮の後輩であるのに、年齢的には自分より一回り違うという事もあり得る。(これは現実の話となるが・・それはもう少し先のお話)

 

 

だから山手学舎に入ると世の中以上にまず敬語の使い方に困る。

 

 

この人に対しては「タメ語でいいのだろうか」それとも「敬語で話さないといけないのだろうか」と。

 

 

けれども山手学舎ではそれを解決するべく掟が制定されていた。

 

 

それは、

 

 

【学年毎ですべて切るべし】

 

と。

 

 

つまり、どんなに年齢に差があったとしても学年から見て先輩であれば、敬語を必ず使わなければならないのだ。

 

 

僕も面接時、そう教えられたしそれを守ってきた。

 

 

しかし、その掟に対して敬語の自由化を求める勢力が現れたのだ。

 

 

それは誰か?

 

 

帰国子女の高木さんと現寮長(舎長)でインドネシアからの留学生のアルトノさんだ。

 

 

彼らの主張はこうだ。

 

 

「先輩と後輩であったとしても両者の同意があれば、その二人の中では敬語はいらないんじゃなーい?」

 

と。

 

 

なんとも外国らしいラディカルシンキングじゃあないだろうか。

 

 

 

まあ人間とは面白いものでこのような勢力が現れると、それに対しての対抗勢力が現れるもので・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

案の定、対抗勢力が現れた。

 

 

 

 

ちなみにそれは誰なのかというと、

 

 

僕の相部屋の山田さんともうひとりの現寮長(舎長)の榎本さんだ。

 

 

彼らの主張はこうだ。

 

「2者間の同意があったとしてもこの小さなコミュニティの中で敬語を使わない人が一人でもいたら、敬語の掟は崩される」と。

 

 

なんとも日本的ファンダメンタルシンキングではなかろうか。

 

 

この相対する2つの主張。。。何時ぞやの黒船襲来を思わせる。

 

 

まあプチのプチのプチ版だけど・・・・。

 

 

しかし、学舎にとっては由々しき問題であった。

 

 

なぜならば山手学舎を守る2人の寮長(舎長)がそれぞれ相対する勢力にいるのだから。

 

 

さあこれは大変。

 

 

普段もうるさい寮なのに、ラディカルチームの高木・アルトノペアとファンダメンタルチームの山田・榎本ペアの非難合戦でお祭り騒ぎに。

 

 

僕もたまたま大学から早く帰ってきたばかりにこの合戦に巻き込まれてしまったのだ。


このとき、僕は自分の運の悪さを恨んだ。

 

 

ちなみに僕は熱く語る彼らの主張にじっと耳を傾け、



真剣に思った。

 

 

 

 

 

『どっちでもいいや』

 

 

 
 

 

そんな事は、今の僕にどうでもよかった。

 

 

僕が早く帰ってきた理由はただ一つ。

 

 

 

『究極的にお腹が空いたので夕食を作りたい!』

 

 

この一点のみ。

 

 

けれども、分けも分からず談話室のソファーに座らされ、彼らの主張を聞き続けるはめに。

 

 

 

そしてしばらくすると、白も僕と同じように巻き込まれ、ソファーに座らされてしまった。

 

『ああもう一人犠牲者が・・・・・白はまだそんなに日本語がうまくないのに』

と白の境遇を憂う僕。

 

 

『いつまで続くんだろうかこの状況は?早くご飯が食べたいな~』

 

 

と思ったそんな時だ。

 

 

あのスキャンダル的発言を耳にしたのは。

 

 

「おっおまえらの秘密を、俺はしっ知っているんだぞ。」

 

 

「えっなにが?」

 

 

「お前達が・・・・・・

 

 

ホモだって事を!」

 

 

姉さん、事件です。




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第38話:疑惑の当事者たち


「おっおまえらの秘密を、俺はしっ知っているんだぞ。」


「えっなにが?」
 

「お前達が・・・・・・ホモだって事を!」


・・・・・・・

・・・・・・・・

 
僕は突然のことでリアクションが取れなかった。


人はあまりにも自分の範疇を超えた領域の出来事に遭遇すると全くリアクションが取れないとは聞いてはいたが、、、、、、本当だった。



「お前、何言ってんだよ!!」

とアルトノさんの声が僕の耳に入ってきたので


ハッと

われに返り、


『えっホモ??誰が??』
と僕は辺りを見回した。


この突然のスキャンダラス的発言をしたのは山田さんで

そして突然ホモ疑惑を持たれたのはアルトノさんと高木さんだった。



しかしなぜアルトノさんと高木さんはホモ疑惑をかけられてしまったのか。


内実はこうだ。


ある日、山田さんはアルトノさんに用事があり、アルトノさんの部屋をノックしたという。


トン、トン、トン


「アルトノいる~?」

と山田さん。



すると


ガシャ、ガシャ、ガシャ


部屋の中で何か片付ける音がした。



そしてしばらくするするとドアノブが回ったのだった。


ガチャ


「・・・・・ハイッ」


「えっ??」


山田さんはその姿に言葉もなかったという。



なんとそこからでてきたのは



高木さんだった。



しかもその姿は、上半身裸だったというのだ。



『ここはアルトノの部屋だよなっ』

と山田さんは一瞬、部屋を間違えたのかと思ったらしい。


しかし、ここは確かにアルトノさんが住んでいる一人部屋。


「あっアルトノ、いっいないんだっらいいわ」

と、あまりにも山田さんにとって驚愕な出来事だったらしく、用件を言い出す事ができなかったという。


またしばらくするとアルトノさんが部屋から出てきたのを山田さんは目撃してしまったということで、


『アルトノ・・・あの時、いたんだ・・・・・・・この時期に上半身裸


・・・・高木がでてきた


・・・・ということは



彼らはできている!?』

と山田さんは確信したというのだ。




「だからお前らは、敬語を使わなくてもいいと主張するんだよ!」

と、山田さんは高木&アルトノ派を攻撃。



高木&アルトノ派もこれに対して

「それはたまたまの事。その日は夜遅くまで一緒にしゃべっていて、高木が俺の部屋で寝てただけ」

と主張。


僕はその主張合戦を延々と聞く羽目に。


「敬語はいる!」


「敬語はいらない!」


「敬語はいる!」


「敬語はいらない!」


という敬語の問題から


「ホモだ」


「ホモじゃない!」


「ホモだ」


「ホモじゃない!」

というホモの問題へ。








『絶えられない。




敬語を使ったって使わなくたってどうでもいいじゃないか!


だれがホモであろうがなかろうが、そんなのどうでもいいじゃないか!

俺には関係ないんだよ!』


そう今の僕にとってはっきりいってどうでもよかったんだ。



なぜなら


僕は、


ご飯を食べに帰ってきただけなんだから。




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第39話:男の教訓


結局、山田さんのスクープした高木さんとアルトノさんとのホモ疑惑は、第三者である白の証言によって完全に否定された。



まあ状況証拠ばかりで当たり前の事だが・・・・。



また、敬語の問題も僕と白の一年生の意見では参考にならないという事で、次回の定例舎生懇談会の議題という事でその場は収まった。




収まった。




・・・・収まった?




・・・・・・・・・・・・収まった~???




そんな事はない!



この問題での犠牲者が約一名。



それは


僕だ。


『あれだけ、ただただ食事をしたいが為だけに、早く帰ってきた僕を巻き込んでおいて、次回の議題??


なんなんだ!それは?

それなら最初から議題にしろ!


バカヤロー』





なんだか変な問題に巻き込まれて疲れてしまった。




そんな疲れたときは、早くご飯を食べて風呂に入って寝る。




これにかぎる!





しかし、この日の僕はこんな事に巻き込まれる事は、勿論予想していなかったので、すぐできる野菜炒めの食材を買ってはいなかった。




こんなときに限って買ってきたのは、初挑戦のカレイ。


そう。


せっかく時間があるのだからと僕は男にとって難関のカレイの煮付けに初挑戦しようと思っていたのだ。


けれども今は・・・・


時間がない。


今の僕には時間がないのだ。


僕のエネルギー切れも、もうまもなくだ。


そうは言っても食材はカレイしかないので野菜炒めはできない。


僕は仕方がないのでカレイの煮付けに挑戦する事にした。


しかし僕は気付くべきだったんだ。


男の初挑戦の料理は、時間的にも、精神的にも余裕があるときにやるものだと。



僕は、お腹がすきすぎて頭の思考能力が低下し、調味料を計量することなく適当に醤油とみりんを鍋にいれ、その後カレイを鍋に・・・。


『落し蓋・・・・っと』


精神的余裕の無さから、レシピのチェック項目に目を通すことなく、いかにも重そうな皿を落し蓋として、カレイの上に置いた。


そう僕はこの日まで、落し蓋の意味をその言葉通りに、【浅漬けのように重い蓋が落し蓋だ】と信じきっていたのである。


・・・・・・

・・・・・・・・・

それから十分後。


鍋の蓋を開けると、


香ばしい匂いはそこにはなく、


どことなく醤油臭く


またカレイはなんとなく黒かった。



そして、落し蓋をはずすと、そこには落し蓋の皿のあとがくっきりと刺青のように、カレイの体に残っていた。



皿に盛り付けようとすると、カレイの身がバラバラと砕かれていく。



盛り付けした後には、どんな魚かわからなくなっていた。



というより、料理が魚料理すらもわからない。



そしてそのお味はというと、、、、


「まずい。


しょっぱい。

苦い。

食べれたもんじゃない」


僕はお腹が空いていたはずなのに食が全く進まない。


そしてそんなときに限って、ご飯を大盛りにしている。


それに今日の夕食はこれしかない。

・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

どうしよう




僕は選択を迫れた。


これを食べずに今日は絶食を通すのかそれとも我慢して食べて取り合えず空腹をしのぐのか。





そんなときだった。





さっき帰ってきた田端に声をかけられたのは。




「丁度、牛肉を買ってきたから一緒に食べる?」





なんという助け舟だろうか!





それに、ほとんど料理をしない田端が料理をするなんて!


しかも僕に手料理をご馳走してくれるなんて!




なんとも感動的な話ではないか!




僕も初挑戦の料理を失敗したところだし、、、、、



勿論、断る理由は何もない。




僕は感動しながら田端の料理を待った。




ジュージュージュー




肉の焼けるいい音がする。




『今日は変な騒動に巻き込まれて最悪だったし、初挑戦した料理も最悪だったけど、最後には良い事もあるもんだ』



僕は犠牲者である僕自身に同情しつつ、楽しみに田端の料理を待った。




「どうぞ!」



田端は肉を皿に盛り付けて僕の目の前に出してくれた。




「ありがとう。お腹空いてたんだよね。それじゃあいただきま~す!」



パクッ



僕は田端が焼いてくれた牛肉を口に入れた。





『んっ?



あれっ?




噛み切れない。。。




それになんだか、すごく固くてガムのようだ。』





「これ本当に牛肉だよね」
と、僕。





「そうだよ。」
と、田端。





「ちょっと牛肉のパッケージみせてくれる?」
と僕。





「いいよ。ハイッ」
と田端。






【おでん用 牛すじ】




パッケージにはそう書いてあった。




「田端って料理作るの初めてだったっけ?」




「そうだよ!初挑戦!」



・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



【精神的・時間的余裕無き初挑戦の男料理は作る・食べるべからず】



今日僕は、男料理の教訓を知る。




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第40話:掃除とは


「やばいっ!

やばい!

早く帰らないと遅刻する!」



僕は学校が終わると、全速力で帰るのであった。




ハァーハァーハァー




僕の息は完全に上がっている。





ゼイーッゼイーッゼイーッ




いつ上っても寮の非常階段はキツイ。





ガタンッ




僕は防火扉の玄関を開け、目の前にある時計を見た。





19時23分





「間に合った~」



そう今日は定例舎生懇談会、通称:舎懇が19時30分から行なわれるのだ。




舎懇は時間厳守。




冠婚葬祭以外の欠席は許されないし、学業に関わらない遅刻は一分、一秒も許されない。




遅刻しようものならチョンボというものが該当者に課せられる。




このチョンボとは、罰を科す一種の用語で、その内容はというと、、、





掃除当番(学舎では【日直】という)の回数が増えるという事。





そう山手学舎は、自治寮と言うこともあり勿論、寮母さんや掃除のおじさんなどは存在しない。





寮の掃除はすべて寮生が行なうのである。




この寮の掃除には大きく分けて三つある。




それは舎懇の前に行われる大掃除と、毎日行う掃除、長期休みの掃除だ。





その中で毎日行う掃除は、全寮生に対して順番に回ってくる当番制であり、1回につき二日間、それも1人でこなさなければならないものなのだ。




しかもこの掃除の所要時間は最低でも一時間半。




また掃除をサボったり、手抜きをしないよう掃除内容は決められており、掃除が終わったら項目毎に、他の舎生に真面目に掃除をしたかどうかのチェックを受けなければならない。




チェックに合格すれば、日誌に掃除が終了した旨を報告し、チェックをした人のサインをもらってその日の掃除は終了となる。




この山手学舎の掃除は初めての者にとっては厳しいものであるが、熟練度が上がっていくと、どうって事なくなっていく。




いやそればかりか【もっとキレイに掃除したい】という衝動に駆られてしまうのだからあら不思議。





僕も、最初は嫌々ながら掃除をしていたものだが、学舎で年を重ねていくうちにみんなが使う共有スペースをキレイにしたいと思うようになり、4年後には【掃除の鬼】、【チェックの鬼】と呼ばれるようになっていた。




また、掃除が終わったらわざわざ僕のところにやってきて挑戦状を叩き付け、僕のチェックを受けたがる後輩達まで現れるほどであった。




このように毎日の掃除はいったん始めてしまったら最後、何かに取り付かれてしまったかのように掃除してしまう危険なものなのだ。




これを考えるとある意味、山手学舎における毎日の掃除は自然と【人のために働く事の意味】を知り、【奉仕の精神を培うもの】であるのかもしれない。




そしてこの毎日の掃除と全舎生(寮生)の奉仕的働きによって学舎のコミュニティーの場である共有スペースの快適さ・清潔さは保たれているのであった。





しかし、もうひとつの掃除である【長期休みの掃除】となれば、話は変ってくる。





それはなぜか?





長期休みは学生にとって自分を磨く、夢の実現への階段というべき期間。





そう、学生にとって長期休みである春休み・夏休み・冬休みは、バイト・恋愛・旅行・サークルなどのイベントに大忙しなのである。




そんなテンコ盛りの長期休みに掃除が入る。




それは舎生(寮生)にとって自分を磨く事を中断してしまう行為に等しい。



これはあまり好ましくない事だ。




しかも、その長期休みの掃除は優先的にチョンボをした舎生に回ってくる。





例えば僕が舎懇を無断遅刻して、【チョンボ③】が与えられたとしよう。



長期休みの掃除も2日間に分けてやるため、もしチョンボしてしまうと計6日間も掃除をしなければならなくなるのだ。



つまりチョンボ③×2日間=6日間の掃除



けれどもチョンボはあくまでも罰ゲーム。




チョンボをしなくても普通に掃除は各寮生に割り振られる。




なのでチョンボした人は、チョンボ分の掃除+割り振られる掃除もしなくてはならない。




自己を磨く・夢を実現するための階段ともいうべき長期休みに6日間以上の掃除は大打撃だ。




僕はそんな馬鹿げたチョンボで長期休みを棒に振りたくないから、今回必死に舎懇に遅れないよう走って寮に帰ってきたのだった。





「あ~間に合った~」


僕は時計を見てホッとしていた。



そしてそうこうしているうちに




19時30分 



定刻どおり大掃除と定例舎懇が始まったのだった。





『さ~てっと、今日の舎懇は何が話されるんだろうな~。早く終わるといいな~』





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