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2018/12/11 [PR]
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2008/01/02 第41話:学舎旅行って?
今日の舎懇もいつものように大掃除で始まり、午後10時からは会議が始まった。 「皆さん、大掃除お疲れ様でした。」 舎長である榎本さんが第一声をあげる。
2008/01/04 第42話:事の重大さは早さが命
それは学舎旅行に行く数週間前のこと。 「あ~っと、やっと終わったぁ~」 僕は手を上げ椅子にもたれ背伸びをした。 気がなんとなく楽になった感じだった。
2008/01/06 第43話:学舎旅行出発のその日に
「ああの~山田さん!」 「なにっ、なにっなに!今話しかけんな!」 「ででも、そんな事いっても・・・・・やばすぎますよ。
2008/01/08 第44話:木田の正体
ブオオオン! ブオオオン! ブオオオオオオン! 轟音はどんどん近づいてくる。 ブオオオオオオオオオオオオン! 後ろを振り返ると、
2008/01/11 第45話:僕のフィールド
ドライブ。 それは、とても楽しいもの。 ドライブ。 それは、合コンの後やデートの手段として最強のアイテム。 ドライブ。 それは、
2008/01/12 第46話:まさかね。。。
どれくらい時間が経ったんだろう。 3時間? 4時間? 30分。 『まだ30分かよ!』 人はやりたくない仕事・勉強
2008/01/14 第47話:運転そのあとに パート①
これからの道のりは、目的地までほぼ上り下りの峠だ。 僕らの車は、これまで同様、木田さんの車の後をついていく事となった。 まあ木田さんしか目的地までの道を知らないのだから当た
2008/01/14 第48話:運転そのあとに パート②
「ああの~山田さん!」 「なにっ、なにっなに!今話しかけんな!」 「ででも、そんな事いっても・・・・・やばすぎますよ。 こんなに早く・・・」
2008/01/15 第49話:【DEAD】OR【ALIVE】
「それじゃあ出発するぞ~」   休憩所で号令がかかる。       タタタタタタタタタ  
2008/01/16 祝!第50話:月明かりのない森に・・・パート①
「ひとりひとり懐中電灯をもって今日寝る山小屋まで1人で歩いてもらう」 とビールを片手に木田さん。   「えええええええええええええ」 寮生全員、寝耳に水。

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第41話:学舎旅行って?


今日の舎懇もいつものように大掃除で始まり、午後10時からは会議が始まった。



「皆さん、大掃除お疲れ様でした。」




舎長である榎本さんが第一声をあげる。




それからもう一人の舎長アルトノさんが



「それでは今月の日直の反省から




・・・・・了解しました。」





「次に係りの反省を。



・・・・・・係りの人に質問はありませんか?」




と、様々な議題をこなしていく。





この中に、以前問題となったあの敬語の使いかたについても議題となったのだが、


すんなり【公の場では敬語をちゃんと使う】という決議がなされた。




『えっ!こんなにすんなり?・・・・あのときの俺の苦痛はなんだったんだろう~』


と、僕は自暴自棄に陥りそうになったのだが、



それをさえぎるかのように




「それでは次に学舎旅行についてです」


とアルトノさんは啖呵(たんか)を切った。





『えっ旅行??』

僕は一瞬、何の事かわからなかった。






『旅行、旅行・・・・旅・・あっそういえば・・・見学に来たとき・・・』



僕が学舎を見学しに来たとき、金さんがひと言それらしき事を言っていた事を思い出した。


<学舎見学のとき>

「・・・・あっそれからクンッ!寮では一年に1回旅行にクンッ!行くから」
と金さん。



「へえ~旅行ですか~」

と僕は関心をもって反応した。




これ対して金さんは



「ハイ」

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・


はいっ!会話終了~ッ!



旅行の話題を通して、金さんと言葉のキャッチボールをしようと金さんにボールを投げたのに、

完璧にスルーされた瞬間であった。


<現実に戻って>



『そうだ。あのときこれ以上の旅行の会話は不可能だと思って話題を変えたんだったっけ』



そうまさにあの金さんと言葉のキャッチボールができなかったあの旅行の話題が、

今まさに舎懇の議題としてだされているのだ。


『また金さんかよ!』
と僕は思いながら真向かいにいる金さんを直視した。


すると金さんは







目をつぶってうつむいていた。






『えっもしかして寝てる?』

僕は一瞬目を丸くした。





しかし、金さんをよくよく見てみると、ときおり意識的にうなずいているようにも見え、寝ているか全く判別がつかない。





『ウトウト寝ているようにも見えるんだよな~。



でもうなずいているようにも見えるんだよな~。




う~んわからん。


・・・・・・・・・・・・・


やっぱり金さんは侮れん』




ある意味、関心していると




「えっと今年の学舎旅行は木田さんの紹介もあり、みんなで群馬の●●山の山小屋にいきます。」



と、この旅行の企画を担当している山田さんが発言。




旅行のプランを詳しく説明してくれた。




そのプランによれば、



車はレンタカーを2台借りて分乗。



運転手は木田さんと山田さんが務める。




目的地の山小屋の近くには川があるので川遊びをし、その後みんなでピザ作り。




夕食はバーベキューで盛り上がり、夜はカードゲームなどをして楽しんで帰ってくるというプランらしい。




またこの旅行は土日を挟んだ一泊二日の旅行であり、

寮生同士・1年生と上級生との親睦を深める事が目的であるので、これまであまり交流のなかった者同士もこれを機会に親睦を深めるようにという事であった。





これはなかなか面白そうな企画ではないか。





僕は旅行というものが大好きなのでこの学舎旅行は僕にとってもピッタリの企画であった。




またこれまであまり他の寮生と密に接する事がなかった僕の事を考えると、

この学舎旅行はなんとも良い機会になりそうな気がした。





しかし、一点だけ気になる事が、、、




それはこの学舎旅行の企画である山田さんの最後の発言の部分だ。




「・・・・と言うことで以上がこのプランの説明です。僕も木田さんと一度この場所には下見に行きました。


非常に良いところだと思います。


ただ・・・木田さんが下見だけではなくこの旅行自体に参加するという事に表明しています。

なので僕がフォローできないところもあると思います。以上」



・・・・・・




・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・



『木田さんが・・・・参加する事になってしまった?



・・・・フォローできない?



・・・一体これはどういうことだろう?』

と僕。








姉さん! またまた何か事件が起こりそうな予感です。




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第42話:事の重大さは早さが命


それは学舎旅行に行く数週間前のこと。


「あ~っと、やっと終わったぁ~」


僕は手を上げ椅子にもたれ背伸びをした。


気がなんとなく楽になった感じだった。


それもそのはず、提出期限の迫ったレポートを終わらせる事ができたからだ。



大学生にとって期限の迫ったレポートを終わらせる事ができた時ほど、充実感が大きくなるものはない。


これは学生の醍醐味といえよう。


僕もそんな充実感に満たされ、気分の晴れた気持ちで談話室に足を運んだ。



そんな談話室には、山田さんと榎本さん、そしてアルトノさんの三人が集まっており、何やら真剣に話をしていた。



『なんとも珍しい光景だね~。この前のホモ疑惑のときとは大違い。』

と、僕は思いながらテレビの前のソファーに座り、テレビの電源をつけ、何か面白い番組はないかとチャンネルを変えていた。


すると横から


「・・・木田さんが一緒というのはやばいんじゃないか?」


「でも、下見にも来てくれたしさあ・・・」


と三人の話している声が聞こえてきた。


『この前の舎懇の事で何か話てるのかな~?』

と、僕は手に持ったリモコンでチャンネルを変えながらも、三人の会話に耳をそばだてた。



「・・・だから、下見っていうけど、交通費はプロ費からでたんだろ?

それに酒代もプロ費から出したっていうじゃないか!

木田さんばかりでお前はほとんど飲んでないんだろ?」



「そりゃあ、そうなんだが・・・・。ガソリン代は出してくれたからな~。しょうがなかったんだよ。」



「今度の学舎旅行も俺ら使われるんじゃないか?」


「木田さん個人にお金が使われないよう、ちゃんとお金の選別をやらないとやばいと思うぜ」


「そうだな。学舎旅行ではなく、木田旅行になるな。完全に」


「やっぱり木田さんとは事前に話しをしておく必要があるな」


「そうだな。それなら明日にでも木田さんとこの三人でこの話をして確認とろうぜ!」


「了解」


「わかった」

・・・・・・


・・・・・・・・・・ガタッ


三人はこの時、何かを確認したようで、学舎旅行の話が済むとそれぞれ部屋に戻っていってしまった。


『なんだか学舎旅行の件も大変そうだけど、あんなにシリアスに話する内容なのかね~。まあ俺には関係ないか!』
と、僕はそんな会話を聞いて、なんとなくそう感じた。


その時は、レポートの終わった充実感も手伝ってか、僕は彼らの会話に耳を傾けたものの、別段、理解をしようとは思わなかったのだ。



そしてそれから数日が経った夜のこと。


僕はいつものように夕飯を作るため、談話室に足を運んだ。


すると談話室には、榎本さんがマンガ本を読みながらソファーに座っていた。


僕はそれを横目に談話室の隣のキッチンで、今日は豪華にと買っておいた100g68円の牛肉を使った野菜炒めを作り、盛り付けし、談話室のテーブルで食事を始めた。



『ああ、やっぱり牛肉は美味しいな~』

としみじみ。



しばらくすると、榎本さんが


「タケオって群馬県いった事あるの?」

と質問してきた。


僕が

「いいえ、群馬には行った事がないんです。だから今度の旅行、結構楽しみなんですよ。

それに木田さんの紹介って事もあるし、また山田さんも下見に行って良かったと言っているからはずれはなさそうですし・・・」

と、答えると


「そうなんだけどな~。木田さんってのはなあ~」

と、いいながら顔を曇らせる榎本さん。



『この前の話といい、今の榎本さんといい、そんなに木田さんってヤバイ人なのか?』



僕はそう思い、


「あの~木田さんってそんなにヤバイ人なんですか?」

と、ストレートに質問してみた。



すると、


「いやー、いい人なんだけど、変ってるんだよな。あの人。



変なところにこだわりがあるというか。



それにお金にこれまた疎いっていうかね~。



この前の下見だって結局、プロ費から立て替えているからね~。」


と榎本さん。





「はああ、プロ費から出てるんですか~」



ふーんという感じで僕は聞き流しそうになったのだが・・・しばらくして





僕は事の重大さに気付いた。



気付いてしまったんだ!



「うえええっプロ費ですか?


プロ費って電話代、新聞代、調味料などの寮生共有のものは、寮生みんなで払うというスタンスのあのプロ費の事ですか?」

と、僕。


「そうなんだよ」
と、困ったような顔をしながら榎本さん。


そう山手学舎には、光熱費・水道費・ガス費込みの寮費とは別にプロ費というものが存在する。


これは、【寮生同士に共通するもの】と思われるものを寮生全員で均等に負担しようと言う事から生まれた制度の事で、

主に新聞代、電話代、調味料、台所用品などの費用に使われており、一人暮らしよりも断然お得な特典なのである。


しかし、稀の稀にイレギュラーな費用が寮全体に掛かったときにプロ費で補填する事もある。


僕は、この前の三人の会話の重大さをやっと理解した瞬間だった。


『なにが【あんなにシリアスに話する内容じゃないんじゃねー】だよ、俺。


【なにが、そんなの関係ねーだよ】、俺!

シリアスだ。

シリアスすぎるんだよ。

関係あるよ。


関係ありまくりじゃん。


だって、、だって、、、プロ費で、下見代を立替したって事は・・・・・・。 


でもそんなことは・・・・ないだろう。


あるはずがない。。』


僕は、事の重大さを理解し、そこから得られた自分の結論を信じたくはなかったので、恐る恐る榎本さんに聞いてみた。


「と言う事は、もしかしてりょっ旅行費が・・・・あっあがるってことは、な・・」



「そう、一人ひとりの負担が上がるってことだよ。


2千円分」


と、すんなり榎本さん。



『うおおお~。上がっちゃうんだ。


あがっちゃうんだあああ。


2000円も!』





姉さん・・・明日からは当分、肉抜きの野菜炒めになりそうです。





『木田の野郎め!!!』




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第43話:学舎旅行出発のその日に


「ああの~山田さん!」





「なにっ、なにっなに!今話しかけんな!」





「ででも、そんな事いっても・・・・・やばすぎますよ。





こんなに早く・・・」







「そんな事言ったって、しょうがないだろうが~だって前の車が・・・」





「そうりゃあそうなんですが、、、、、って山田さん、前、マエ、まえ~~~っっ」






「えっ??おっおっおおおお~」





「ハンドル、ハンドル、ハンドルっ!!」




僕らは叫んだ。





そして



「やばい。



やばいっ。


やばいっっ。



これやばいっって!!」




「おおおおおお~~~だああ死ぬーーー」




僕らは恐怖で青ざめた。




キキキーーーーーーーーーー





山道にブレーキ音がこだまする。




-数時間前-



「さあ今日は学舎旅行だ~!みんな起きろ~!」

榎本さんの号令が学舎中に響き渡る。

すると、


ガチャ。


ガチャ。


ガチャ。


それぞれの部屋のドアが開き、寮生達が寝ぼけた顔でゾロゾロでてきた。


その中で僕は、睡眠を充分にとり、いつでも出発できるようばっちり準備を整え部屋を出たのだった。




そう今日は、僕の待ちに待った学舎旅行の日なのだ。



「おう、タケオ!準備が早いな~」
と、ニッコリ笑顔に榎本さん。


「はい!寮で初めての旅行ですし、宿泊先で寝不足になって遊べなくなったら嫌ですしね。」
と、僕。



「そうか。そうか。それじゃあ、宿泊先で大いに遊ぼうぜ!」



「ハイッ!」

僕はテンション高めにそして、張り切って答えた。





「あっそうそう。それから、談話室のソファーで寝ている奴、全く起きる気配がないから起しといてくれ」



「えっ?まだ寝ているやつがいるんですか?」









僕は榎本さんに言われたとおり談話室に行くと、案の定、ソファーで寝ている奴がいた。




しかも奴は毛布を体全体に巻きつけ、【モゾモゾ】とイモムシのように動いていた。




『今日は旅行だっつうのに、まだ、寝てんのかよ!』


と、僕は思いつつも



「ほら起きてっ!もうすぐ出発する時間ですよ~」

と、優しく声をかけ、そして毛布の端をつかみ、ゆっくりと毛布をひっぱった。




グッ


「あれっ!?」



毛布がひっぱれない。




『クソッ、もう一回』



僕はもう一度、毛布をひっぱった。



ググッ


びくともしない。



そう毛布は完全に彼の体にへばりつき、なかなか離れないのだ。



しかも、イモムシ化した毛布は、僕をあざ笑うかのように僕の目の前で、

ソファーの端から端まで地面に落ちることなく、【モゾモゾ】と器用に動いてみせたのである。




プチッ



僕は完全に切れた。




「このイモムシ野郎!!!さっさと起きろ!」




僕は懇親の力を込め、力いっぱい毛布を引っ張った。



クルクルクルクルーーー



すると、イモムシ化していた毛布は見事にドラム式乾燥機のごとく回り続け、彼の体から離れたのだった。



そしてそこからでてきたのは、








「田端、お前かよ!」





そうイモムシ化していたのは田端だったのだ。








しかもまだ寝てる。






『なんて奴だ。この状況でまだ寝てるなんて・・』


僕はそんな田端を見て呆れ果てながらも




「おい田端、時間だぞ。早く起きろ!」

と、田端をやっとの事で起こしたのだった。






そして、




「さあ時間だ。みんなレンタカーのある下の駐車場に集合!」
と、榎本さんが号令をかけた。




僕はその指示通り、下の駐車場に降りていく。


わくわく。


わくわく。


僕は心を躍らせた。




わくわく。


わくわく。


僕は、はやる気持ちを抑えながら、駐車場についた。






と、そのときだ。


どこからともなくあの轟音が聞こえきたのは。




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第44話:木田の正体


ブオオオン!


ブオオオン!


ブオオオオオオン!


轟音はどんどん近づいてくる。



ブオオオオオオオオオオオオン!



後ろを振り返ると、スピードに乗った白い車が僕たちの方に近づいてくるのが見えた。




それを見た榎本さんは、



「あっ来た来た。まさにグッドタイミング!


・・・にしても、いつ聞いてもうるさいなーあの車は。


近所迷惑なんですけど。。。」

とひと言。




ブオオオオオオオオオン!




とてつもない轟音をふりまきながら白い車は、僕たちの目の前に止まった。




そして、運転席のパワーウィンドーが開く。



ウィィィィィィン



「おはよー!」



そこには、サングラスをかけ、右手を軽くかざす男。




その男とは、僕達のお財布を寒くした張本人。



そう木田舎監、その人である。




【舎監】


一般的には寮監と呼ぶのだが、学舎では、学舎の【舎】をもじり、舎監と呼んでいる。




舎監とは、寮を管理・監督する人の事を言う。




山手学舎は自治寮であるが、正確には財団法人東京ZANDが全体的な運営を行なっている。




つまり、財政面は財団法人東京ZANDが行い、学舎内の政治・運営を学生達が行なう仕組みなのだ。




そしてこの財団法人東京ZANDと山手学舎のパイプ役をするのが舎監と言うわけである。




しかし、木田舎監が健全にそのパイプ役になっていたのかと言えば、舎生(寮生)の間で不満や不安があったのも事実であった。



いずれこの不安は現実のものとなり、ある事件に繋がっていくのだが・・・。





ともあれ、今回の学舎旅行には舎監と言う立場から木田さんも参加する事となった。





「おはよー!お待た~!!」

と言いながら、木田さんが白い車からでてきた。





『・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・




お待た~って


・・・・・・・・・・






死語だよな。


死語。。。。』


と思いつつも、僕はあえて突っ込まなかった。






「今日は宜しくお願い致します。」

と、榎本さんと山田さんを中心に舎生全員で、木田さんに挨拶。




「おう!こちらこそ宜しくな!


それはそうと・・・、俺が運転する車はこれ?」


木田さんの指差した方向にワンボックスタイプの車が、2台とまってある。





「そうです。荷物等もあるので車2台で分乗していきます。」


と山田さんが説明。





それから、この旅行の企画担当でもある山田さんから各車両に乗るメンバーが発表された。




木田さんの車には、金さん、相川さん、榎本さん、パクさん、佐竹、田端の7名。



一方の山田さんの車には、僕、白、アルトノ、高木さん、田代さんの6名だ。




そしてそれぞれの車両に旅行に必要な荷物を積み込んでいったのだった。




僕も自分の荷物と夕食となる食材などの積み込みしていたのだが、


ふと、もう1台の見ると、




田端がおもむろに何か積み込もうとしているではないか。




それは布団一式。




『えっ布団?


しかも一式


なぜ???』





と、僕は戸惑いながらも田端に声をかけた。





「おいおい田端! お前なんで布団なんか持って行くわけ!?



向こうにもちゃんと布団があるって話しだぜ」






田端は答えた。





「これは車で寝るための布団。」








僕は一瞬ひるんだものの、彼の話ぶりと行動から推測するに、彼は前日から徹夜でゲーム【ゼルダの伝説】をプレイしていたのがわかった。




まあ彼の気持ちもわからないではない。




いつぞやの舎懇で【金さんのテレビ独占禁止法】が制定されたとは言うものの、現在もテレビ解放宣言にはまだまだ遠い冬の時代。





そんな中で、金さんがビデオを見ない時間は、僕や田端のようなゲーマーにとっては大変貴重な時間なのだ。



田端にとってその貴重な時間が前日からの徹夜に繋がったのであろうと思われる。




『それじゃあ眠いはずだよ。』


と僕は、先ほどの彼のイモムシスタイルにも納得がいった。






けれども、僕は、


『布団一式を使った本格的な車中でのドライブ睡眠なんて聞いた事もないけれど、



せっかくの学舎旅行。


車の中で寝るなんてもったいないよ!!』


とも思ったのだった。






なぜならば旅行の楽しさの半分は旅行時の車の中と言っても過言ではないからだ。




車中での語り合いやゲーム、間食が車中での醍醐味!


ああ楽しきドライブよ~?!



これ無くして車での旅行は語れない。







『ああ、田端はすでに旅行の楽しみの半分を失っているよ。もったいない~』



と僕はこの時、田端に対して同情だけではなく、憐れみさえ感じてしまったのだった。





数時間後、僕はこの考えを完全に改めるというのに・・・・。







「それでは、目的地群馬に出発!!!」



舎長(寮長)の号令の下、車は走り出した。






さあ恐怖のドライブの始まりである。


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第45話:僕のフィールド


ドライブ。


それは、とても楽しいもの。


ドライブ。


それは、合コンの後やデートの手段として最強のアイテム。



ドライブ。



それは、精神的な解放をもたらすもの。



ドライブ。



それは、酔うこと。




ドライブ。




それは、コミュニケーションの取れる場。




そう!ドライブとは、これほどに多くの良きものを提供してくれる強力なアイテムなのだ。




それは僕にとっても例外なことではない。




群馬の山小屋までの長時間ドライブ。




これほど、至近距離でかつ強制的にコミュニケーションしなければならない環境はない。




僕は入舎してからこれまでの期間、東京という初の環境で、勉強、自炊、しかも初の集団生活という中にあり、自分の事でていいっぱいだった。




なのでそこまで舎生(寮生)達と密にコミュニケーションを取る事ができなかった。




というより、僕は失敗したのかもしれない。




【鉄は熱いうちに打て】とは、よく言われたものだが、これはコミュニケーションにも当てはまる。




初めての環境・職場に飛び込んだときに少しでもコミュニケーションを図っておけば、あとが少しは楽になるのだが、



その時期・機会を失ってしまうとそれ以降、なかなか人の輪・コミュニケーションの輪に入っていく事は難しい。




僕の場合もそうだ。




僕は、初めての環境に飛び込んだにも関わらず、


自分は他人とは違うと意固地になり、


他人に目を向ける事、


他人と話す事をしなかったために、


大学や寮においてコミュニケーションを図る時期と機会を失ってしまった。






その結果、







僕はなんとなくひとりぼっち。







大学において【新1年生】という共通項を持つ者同士であっても、もうすでに人の輪はできあがっており、


そこに僕の入る余地は全くなかった。



私生活ともいうべき寮でさえそれは変らず、僕の居場所はない。



そればかりか、自分の部屋は居心地が悪く、しかも隣の部屋からは毎日楽しそうな笑い声が聞こえてくる。




『うざい!



うざい!!



うざいっ!!!』



と、僕は耳を塞ぎながらそう思うしかなかった。




また、


『あ~なんで僕はあの時、自分は他人とは違うと意固地になっちゃったんだろう。』




『どうして僕はあの時、自分からもっともっとコミュニケーションを図らなかったんだろう。』



『もし、あのとき、ちゃんとできていたなら今こんな思いをする事はなかったのに・・・・。』



と、僕は嫉妬や怒り、寂しさと後悔ばかりを考える日々。





僕は最初の最初で、上京してすぐのすぐに失敗してしまったのだ。




けれどもそんな時、僕にとって思いもかけないチャンスが巡ってきたのだ。



それが、学舎旅行であって、この長時間ドライブ。



僕は、これまでの人生において乗り物という乗り物で酔ったことが一度も無い。



また小さい時から結構、長時間のドライブを経験していたので、車中で話をしたりゲームをする事は得意な方だ。



しかも今回は、あまりコミュニケーションを図ってこなかった舎生(寮生)達との長時間ドライブであり、


至近距離でかつ強制的にコミュニケーションしなければならない環境だ。




これは僕にとって、自分の失敗を挽回し、人の輪に入れる・自分の居場所を作る大きなチャンスなのである。




これはある意味、僕のフィールドであると言っても過言ではない。



自分の失敗を挽回できる・コミュニケーションができる、僕はそれが嬉しくてこの学舎旅行を楽しみにしていたのだ。




『さあ、みんなと話しをするぞーーー!』



僕の胸は大いに高まった。



そんな時だった。



「もうちょっとちゃんとナビしてくれない?じゃないと木田さんの車において行かれるじゃないかよっ!」



「そんなのわかってるけど、俺だって地図をちゃんと見てるって。



木田さんが裏道ばかり通るから俺だってわかんなくなるんだよ~」


と、前方の運転席と助手席の方から会話が聞こえてきたのは。



しかもなんとなくこの前方の会話・・・・



とげとげしい。




『えっ誰と誰が会話しているんだろう』



僕は身を乗り出して前方を見た。




運転手は勿論、山田さんであるのだが、、、、



助手席はと言うと



・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・



敬語問題とホモ疑惑で山田さんと対峙した




あのアルトノさんではないか!




『あちゃーーーなんでそうなるのっ!?』


と僕は思わず、【しまったー】と、手のひらを自分の額につけうなだれた。



別に僕が席順を決めたわけではない。


だが、なんとなくやっちゃったと思ってしまった。




『でもまあ彼らも大人だから、あの問題はあの問題として横に置いといて、今日は今日としてやってくれるだろう』

と僕は期待をもったのだが、、、、





そう簡単に問屋はおろさず





案の定、前方の運転席と助手席付近は、とげとげしく台風並みの最悪な雰囲気に。




僕は、


『うっ。こんなときこそ、アルトノさんの頼りになる相方高木さんっ!』

と思い高木さんの方を見てみると、、、、



ぐっすり完璧なほどの




熟睡中。。。。





『うっうっ。それなら!こんなときこそ俺の得意とするドライブ限定ゲームで、この雰囲気を吹き飛ばしてやろう!!』


と僕は、




「そっそれじゃあ、みんなでゲームゥゥゥゥゥゥをぉぉぉぉぉ・・・し。」



と片手を振り上げて周りを見渡してみたものの、


みんな、前日は寝るのが遅かったようで、



寝不足が響き、酔いが勢いよくまわり、




みんな死人のようにぐったり。




僕のフィールドと言っても過言でなかった長時間ドライブは




ものの1分も持たず、




潰され、





やっぱり過言だったみたいです。




けれども唯一の救いは、コミュニケーションとは言うには程遠いものの、



なぜか僕が運転席の山田さんと助手席のアルトノさんとの間で、



話を繋げ少しでも盛り上げる仲介的な役どころとなった事だ。




『ある意味、これが僕の居場所かも。。。トホホ』
と、自分自身を慰める僕。





姉さん、人生ってこんなもんなのかもしれないですね。

でも、長時間ドライブが1分1秒でも早く終わって欲しいと思う今日のこの頃です。



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第46話:まさかね。。。


どれくらい時間が経ったんだろう。


3時間?


4時間?





30分。




『まだ30分かよ!』



人はやりたくない仕事・勉強・事柄をやるときほど、経過する時間がめちゃくちゃ遅く感じるものだ。



まさに今の僕のこと。



『なんで旅行に行くときまで、ましてや楽しいはずのドライブの中でまで、2人の顔色を伺うような仲介をせにゃならんのだ!』

僕は苛立っていた。


けれども、そんな時に限って負は負を招くようで



ぷ~~




誰かが屁をこいた。


「ウッくさっ。 

くっせー」



僕はあまりの臭さに耐え切れず窓を開けようとしたのだが、、、


この車は業者用ワンボックスタイプ。


乗用車のようなパワーウィンドウの設備は後方座席にはなく、横に手動でスライドさせ小窓を開けるタイプ。


「窓はどれ?どれ?どれ?・・えっとコレか!!ヨシ!」

僕は小窓を開けようと横に引く。


だが小窓は、

何かに引っかかっているのか錆付いているのか

全く開かない。


『クソ、これじゃあやばいぞ』

僕は何度も何度も小窓を開けようとトライした。


そしてその結果、ホンノ数センチだけ窓が開いた。



『酸素!酸素』


僕は新鮮な空気を求めて顔をこの数センチ開いた窓にくっつけるのだが、


あまりにも屁の匂いが強烈過ぎて、焼け石に水。


しかも、その壮絶な臭さは運転席付近までは到達しておらず、山田さんは窓を開けようとしない。


後方の座席付近だけが汚染されていたのだ。



『山田さんっ!アルトノさんっ!窓を開けてくれいいい!』

などと気軽に声をかける雰囲気など到底ない冷戦状態の前方の運転席と助手席。



『うっ

絶えられない』


僕は生まれて初めて吐きそうになった。


これぞまさに【生き地獄】。



『もう嫌だ!!嫌だ!!うぜーし、くせーし。楽しくねーし。早く終われよ。こんなドライブ』

と爆発寸前の僕。



するとタイミングよく


「そろそろ休憩とるぞー」
との天の声。



『へええ休憩?????』

僕はこの言葉で一瞬のうちに至福の気持ちに。



僕は休憩所で新鮮な空気を深呼吸で吸い、すべてがリフレッシュ。


僕は、気分良く山田さんに声をかけた。


「山田さん。運転大丈夫ですか?」



「おう、大丈夫だよ。俺は木田さんの後を追っかけているだけだしね。

まあ木田さんがへんにスピードを上げなければ問題ないんじゃない?」

とタバコを加えながら山田さんは答えた。



僕は山田さんのこの 【スピードを上げなければ・・】 という言葉がなんとなく引っ掛かり


「へええ~。木田さんって、そんなにスピード出す人なんですか?」

と質問。



すると、山田さんはタバコに火をつけようとしていたにも関わらずそれを辞め、火のついていないタバコを片手にこう語った。

「そりゃあそうだよ。

タケオも見ただろ?あの木田さんの車?


あれは、峠とかで走れるよう改造された車だぜ。


それに俺は木田さんと下見に行ったんだけど、木田さんの助手席はほんとやばかった。

あまりのスピードとドリフト走行に生きた心地しなかったもんな。

もう助手席には乗りたくない・・というより彼の車には絶対乗りたくないね。」




僕は、その言葉に木田さんの車を頭に思い浮かべ見た。

『確か木田さんの車って、そう言われてみればシートベルト見たことのない形だったよな』





「あっそういえば、木田さんの車のシートベルトって普通のやつじゃなかったですよね。

いってみれば、レース用なのかな~?」



「そうそうあれは競技用で使われるシートベルトで、普通は使わないぜ。
あれを使うのは、相当の車マニアか、それとも峠とか行っている人だよ。」



「と言う事は、木田さんって峠とか行っちゃう人なんですか??」

僕は目を丸くした。



「だろうな。ちょこっと木田さんからそんな言葉を聞いた事あるしな・・・。」
と真剣な表情で山田さんは答えた。




僕は、山田さんのあまりの真剣な表情に不安を感じ、

「まさか、これから目的地まで続く峠でやらかしちゃったりしないですよね~?」

と、鎌を掛けた。



そんな僕の不安を察知したのか山田さんは

「まさかな~。1人だったらまだしも寮生6人の命を預かってるんだから、そんな事するわけないだろう。

それに業務用ワンボックスタイプでやらかすなんて無謀すぎるというか、馬鹿だぜ!」

と一蹴。



「そうですよ。そうですよね~。なーんだ心配して損しちゃった!アハハハハハ」

僕は安心して、そしてお互いに笑いあった。




僕たちはそんな何気ない会話のなかで、もう1台の車の前で一服している木田さんを見つけたのだった。





すると彼と目が合い、彼は僕たちに親指を突き出して見せた。



僕たちはこれをみて


「あ~大丈夫そうですね」


「そうだな」

と、僕たちは安心しきって休憩し、再び車に乗った。









けれども、今考えたらどうだろう。



あのときの木田さんの親指をひっくり返したら、、、


あるメッセージが現れる。


そうそれは



【Go to hell!】 



・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・


もしやこれから起るであろう事を木田さんが


・・・・・

・・・・・・・


まさかね。


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5時間?



僕は自分の腕時計を見た。


第47話:運転そのあとに パート①


これからの道のりは、目的地までほぼ上り下りの峠だ。


僕らの車は、これまで同様、木田さんの車の後をついていく事となった。


まあ木田さんしか目的地までの道を知らないのだから当たり前のことである。



それから休憩所を離れてから約1時間。


今のところ順調そのものだ。


僕のさっきまでの不安はどこへやら。


『俺の心配も空振りだった・・・みたいだな。

そうりゃあそうだ。

いくら木田さんが峠の走り屋だからと言っても、こんな業務用ワンボックスタイプで、

しかも!6人の寮生を連れて、ましてや僕たちを残して突っ走る訳ない。

要らぬ心配をしちゃったな。ホント』




それからも車は順調に、極めて順調に走行していった。



こんなとき、車と言うものは不思議なもので、安全運転で走行していると、車の振動は低周波マッサージの如く心地良くなるものだ。



そしてその振動は、人々を眠気へと誘う。



僕たちの車も同様、この心地良い振動のため、運転手を除いてほぼ全員が睡魔に襲われ全滅。



僕もウトウトとなっていた。



そんなとき、


「後ろの車、うざいな。」


と山田さんがひと言。



ウトウトしながら僕は、ゆっくりと後ろを振り返る。



すると、軽自動車が僕たちの車の後ろにピッタリと張り付いているではないか!



「俺、ピッタリと張り付かれるの嫌いだから、行かせるか!」


山田さんはそう言うと、車の速度を落とし、左に寄せ、軽自動車に道を譲った。


けれども、この行為がよくなかった。


そうこの行為こそが、木田さんの眠れる獅子を目覚めさせてしまう事となってしまったのだ。



前の車に張り付くような車は当然、また同じように他の車にもピッタリと張り付くというのに。




軽自動車は、僕たちの車を追い抜くとやっぱり、木田車にピッタリと張り付くのだった。



しかも今度は、明らかに木田車を煽っている。



そして煽ったと思ったら次の瞬間、

その軽自動車はスピードを上げ、強引に木田車を追い抜いていったのである。



「アレ。あっぶねーなー。」



「ホントですよね~」



僕は今のですっかり眠気が覚めてしまった。



「でも、それにしても、木田さんよく我慢してくれていますね。

本当は峠を走りたいだろうに」



「本当だな。あれだけ煽られて、あんな強引に追い抜きされちゃあ、

プライドが傷つくんだろうが・・・。木田さんはさすが大人だね~」



「そうですね。そこはさすが」


僕たちが木田さんの紳士的な走りに感心していた。


しかしそんなその矢先のこと。。。。



『アレ、木田車と距離が少し離れたような気が。


それに心なしか、スピードが上がっているような。』



「あれ山田さん、スピード少しあげました?」



「おう。ちょっと木田さんの車のスピードが上がってき・・・」


とその時!!



ブオオオオオオオオオオン。



木田車が突然、スピードを上げたのだ。


「やっべーー!」


山田さんは、ギアチェンジと同時にアクセルを踏んだ。




僕らの車も木田車に遅れまいとスピードを上げたのだ。


そして急激なスピードの変化によってもたらされた負荷が急激に後部座席を襲い、爆睡していた寮生たちはビックリして一斉に


「えっどうした~!!」

と、起きた。


『こんなときだけは対応がはえーな。ケンカやオナラには反応しなかったのに・・・』
と僕。




「木田さんが急にスピードを上げたんだよ!!」


山田さんが叫ぶ。


その声には、焦りと苛立ちがこもっていた。




木田車は僕たちの車を構うことなく、どんどんスピードを上げていく。



僕たちの車もそれに乗じてますますスピードが上がっていく。



まさにカーチェイスだ。


しかし、忘れてもらっては困る。


ここは峠。


勿論、高速道路じゃない。


直線じゃない。


対向車ありの
片側1車線



そう対面通行の急カーブだ!


急カーブっ!



『カーチェイスをしてるよ~アハハ』

て、のんきな事を言ってられる状況には全くないのだ。





「あぶない!あぶない!あぶない!あぶない!あぶない!あぶない!あぶない!!!!!!!」



「うほほおおおおお」


「だあだああああああ」


みんなが一斉に騒ぎ出した。





「うるさい!!!」


山田さんが静止を促がしても全く止まない。




これまでの沈黙がウソのようで、

ニワトリが一斉に声をあげて騒いでいるようだ。



『こいつら・・・・・』




僕は運転席に身を乗り出して、メーターを見る。



なんとメーターは80キロを指しているではないか!


『80キロかよ!?』



運転席と助手席はシートベルトをしているからいいが、後部座席の僕たちは、シートベルトをしていない。


右カーブなら僕たちの体は左に揺られ、左カーブなら右に大きく揺られた。



またそんな状況でも僕の横には、知っての通り、他の寮生がいる。


という事は、カーブ毎にスピードの負荷と寮生の体重がのしかかり、しかも旅行用荷物も加わって僕にのしかかってくる。




『くっくるしい!!』





しかも隣りの奴は、風呂に入っていないのか、体がすごくクサい。




そんなクサい体がカーブに入るたびに右に左に密着してくる。




『くっくるしい!!



違う意味で』




色んな意味で生きた心地がしなかった。



もう何台、車を追い越しただろう。


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第48話:運転そのあとに パート②


「ああの~山田さん!」




「なにっ、なにっなに!今話しかけんな!」




「ででも、そんな事いっても・・・・・やばすぎますよ。


こんなに早く・・・」



「そんな事言ったって、しょうがないだろうが~だって前の車が・・・」



「そうりゃあそうなんですが、、、、、って山田さん、前、マエ、まえ~~~っっ」


前から観光用大型バスが走ってきていた。


「えっ??おっおっおおおお~」



「ハンドル、ハンドル、ハンドルっ!!」



僕らは叫んだ。




そしてすぐ様、僕らの車は元の車線へ。




『はあああ、良かった』


と、喜びもつかの間、木田車は車線を変更せず。




「おいおいおいおい、何する気だよ。」




「おいおいまっまさか、この状況で追い越しかよ」




大型観光バスのクラクションが鳴る。


ホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン



それでも木田車は追い越しをかけ、車線を変更せず。



そればかりかスピードを上げているようだ。




「やばい。


やばいっ。


やばいっっ。


これやばいっって!!」




「おおおおおお~~~だああぶつかる。。。死ぬーーー」



僕らは恐怖で青ざめた。



ブオオオオオオン


キキキーーーーーーーーーー




山道にタイヤが擦れる音とブレーキ音がこだました。






木田車は間一髪で車を追い抜き、


スレスレの所で大型観光バスと正面衝突を回避。





「ハア、フウウーーーーーー。」

僕らは、冷や汗とため息をつくことしかできなかった。




そして次の休憩所で、、、、


「なんであそこでスピードを上げるんですか?僕らを殺す気ですか!」

と山田さんが怒りをあらわにし、木田さんに詰め寄った。



まあ無理もない。




『理由は何であれ、あれだけの事をやらかしたんだ。当然だろう。


にしても、木田車はうちらよりやばかったはず。みんな大丈夫かな~?』




僕は、あまりに心配となり、すぐさま木田車に乗っていたクルーに駆け寄った。



「お~い!大丈夫でしたか?」


僕は彼らに声をかけた。




『しっ死んでいる!?





顔が。




みんな完全に死んでいる!?』



そう、クルーのほとんどが放心状態。


かすかに

「やばかった・・・・やばかった」

と、つぶやきが聞こえてきた。




手のつけようがない。



とそんな中、


「おい!大丈夫だったか?ていうかよく生きてたな~」



僕は田端にも声をかけた。




しかし、以外にも彼からこんな答えが返ってきた。





「はああ?なにが?」






「えっなにがって。さっきの木田さんの運転だよ。


まじやばかったんじゃない?


他の人もみーんな死んでるぜ??」




田端はしばらく死んだ顔したクルーを見渡してから、



「ふーーーん。




よくわからん。」

と、首を傾げる。




「えっよくわからんって、お前何も覚えてないの?」





「ほおう、俺・・・・







寝てたから。」




彼の睡眠力を初めて身につけたいと思った瞬間であった。



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第49話:【DEAD】OR【ALIVE】


「それじゃあ出発するぞ~」

 

休憩所で号令がかかる。

 

 

 

タタタタタタタタタ

 

 

寮生が各車に乗り込むために走り出した。

 

 

 

僕もその号令に従い、乗車しようとしたのだが、

 

 

 

『アレッ? 車に乗れない。人が多い気が・・・』

 

 

 

なんとちゃっかり木田車のメンバーのはずのパクさん達が僕たちの車に乗っているではないか。

 

 

しかも笑顔。

 

 

「よろしく~!」

 

こちらに手を振っている。

 

 

 

よろしく~!と笑顔で言われても、すでに定員オーバーの山田車。

 

 

『えっ俺の席が・・・・ない』

 

 

 

そう木田車のメンバーがクルマ難民と化し山田車になだれ込み、車を占拠してしまったのだ。

 

 

「えっ?パクさんは向こうの車ですよ」

 

と促がされると

 

 

 

「あいつの車なんかに乗れないわよ」

とパクさん。

 

 

また、

 

「俺こっちのクルマの方がいい」

と、佐竹。

 

 

「俺まだ死にたくないから頼むよ」

と、僕たちに手を合わせて懇願する相川さん。

 

 

 

一方の金さんと田端というと、

 

 

何にもなかったかのように平然と木田車に乗っている。

 

 

 

まあ人間は身の危険を察知するとそれを回避しようと行動する動物だから、パクさんたちの行動も当然と言えば当然のこと。

 

 

 

 

しかし、忘れてはいけない。

 

 

これは難民と化した人々だけに通じる話ではなく、難民を受け入れる側にも共通するものだと。

 

 

つまり、難民を受け入れる側も難民のなだれ込みによって、自分達も危険にさらされていると察知すればそれを回避しようと行動してしまうのだ。

 

 

その意味で、僕たちは先のドライブで、【木田車はデンジャラスな車である】事をこの眼でしっかりわかっており、

 

 

“難民を受け入れる事=僕たちが木田車に乗る事”



““木田車に乗る僕たち=死・デッド【DEAD】”” 

OR

“““山田車に僕たちが留まる=生・アライブ【ALIVE】”””

 

という公式が成り立つ。

 

 

 

山田車メンバーは身の危険を察知し、

 

「ダメだよ」

 

 

「あっちいけよ」

 

 

「最初に木田さんの車に乗るって決められていたんだからそっち乗って下さいよ。」

 

 

「ちょっと!そこの席おれのですよ」

 

と、クルマ難民の受け入れを断固拒否。

 

 

 

山田車メンバーは難民申請を受理しなかった。

 

 

なんて人間は自分勝手な生き物なんだろう。

 

 

木田車に乗るか乗らないかだけでこれだけもめるのだから。

 

 

【他人より自分】

 

 

これが人間なんだ。

 

 

まさに世界の縮図がここにはあった。

 

 

 

この混乱は収まらず、混迷を極めるかと思ったが、そこはさすがに寮長(舎長)。

 

 

「いいから元の自分の車に戻って!」

 

寮長のこのひと言で、難民は明らかに不満げな顔に出しつつも、しぶしぶと木田車に戻っていったのであった。

 

 

そんなときパクさんが僕に、こんな捨て台詞。

 

 

「帰りの車は絶対乗るわよ。ジェーーーータイ乗るからね~!」

 

 

 

学舎の調和が取れるようになるのはまだまだ先のよう。

 

 

と、そんなこんなで僕たちは目的地へと無事着いたのであった。

 

 

 

目的地はというと、群馬のどっかの山の上。

 

 

今回、木田さんの紹介と言うことで一部の寮生は不安を感じていたのだが、僕たちが降り立った場所は田んぼや野の花畑が一面に広がり、空気も東京とは比べ物にならないくらいにおいしい素晴らしい場所だった。

 

 

僕たちはそこで自然を満喫すべく、川遊びし、ピザ作り、相撲、バーベキューを大いに楽しんだ。

 

 

しかし、そんな時ひとつ疑問が。。。。

 

 

『そう言えばここ寝るスペースがないよな』

 

 

そう、僕たちが今楽しんでいるこの小屋には13人が寝るだけのスペースが全くないのだ。

 

 

 

『そういえば、布団が準備してあると聞いていたのにそんな場所も全く無いぞ。どこからか運んでくるのかな?』

 

 

 

しかし、すでに外は真っ暗。

 

 

しかもこの小屋を管理してそうな管理事務所は全く見当たらず、今日は月明かりもないので、これこそ外は【一寸先は闇】の状態。

 

 

 

僕と同じように寮のみんなも疑問を持ち始めた頃、木田さんがこう切り出した。

 

 

「それじゃあ、そろそろ次の場所に移動しようか」

 

 

「へえ、ここで寝るんじゃないんですか?」

 

 

「違うぞ。ここから15分歩いたところに今日寝る山小屋があるんだ。」

 

 

「それじゃあ車で移動ですね?」

 

 

「はああ、そんなわけないだろう。ひとりひとり懐中電灯をもって1人で歩いてもらう」

 

 

「えええええええええええええ」

 

 

姉さん、事件です。




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祝!第50話:月明かりのない森に・・・パート①


「ひとりひとり懐中電灯をもって今日寝る山小屋まで1人で歩いてもらう」
とビールを片手に木田さん。
 


「えええええええええええええ」



寮生全員、寝耳に水。



「こんな周りに外灯もない。

月明かりも無い。

道がわからない。

ましてやここがどこかもわからないっていうのにどうやって1人で歩け!って言うんですか?

無謀ですよ」

寮生たちが悲痛な叫びをあげる。



「気合だ。気合!お前ら男だろ。いい肝試しじゃねーか!」

と、完璧に酔っていると思われる木田さん。



『気合って、、、、、、、、、、、なに?

男とか全く関係ないし。

しかもなんで、クサイ男どもの集団の中で肝試ししなきゃいけなんだよ。

それに1人で歩く?はああ??

普通、こういうとき横に女性達がいるから男は張り切ってやるんだろうが!』



「それから!道だってちゃんとそこにあるじゃねーか!」

木田さんがある方向を指差した。


「道っ??」

寮生たちは木田さんが指し示す方向を見た。


確かに木田さんが指差した方向には道がある。


しかし道は道でも、どちらかと言うと獣の道に近い。



「えっこんなところをひとりで??そんな無茶な」

さらに寮生たちは悲痛な叫びをあげる。



「いいからいいから!それじゃそろそろ1人ずつ行ってもらおうかな。それじゃあ、まず高木!行ってこーい」


僕たちの悲痛な叫びも空しく、木田さんは、それぞれに懐中電灯を渡していき、真っ暗な中、獣道らしき道を1人ずつ歩かせていった。


5分間隔で、1人また1人と闇の中に消えていく。



そしてとうとう順番が僕の前までやってきた。


順番的に僕の前であったパクさんがこう言い出した。


「わたし怖いから田代と行くわ」



「ダメダメ!1人でいってもらう」
と木田さん。



「そんなの嫌だわ。なんで1人じゃないといけないわけ??

じぇーたい!私は田代と行くんだから。じゃなきゃ行かない!」



パクさんはそういうと田代さんの腕を掴んで離そうとしない。


これには木田さんも負けたようで、


「まあ、しょうがない。それじゃあふたりでいいから」

ということで、パクさんと田代さんも闇の中へと消えていったのだった。


それから5分後、

とうとう僕の番がやってきた。


「それじゃあ、次タケオ!お前の番だ」


木田さんは僕を呼び、耳打ちした。


「いいか、タケオ。この道をまっすぐ行くとな、途中で下りになってるから。

そしたらすぐに道が直線とカーブの2つの道にわかれてる。

山小屋はカーブの方の道だ。あとはそのカーブを進んで道なりに行けば山小屋に到着するから。

絶対、道間違えるんじゃねーぞ。」


「でも、もし間違えたらどうするんですか」
と僕。



「見たらすぐわかる道だから絶対間違えないから」



「でっでもそれでも道がわからなったらどうするんですか」



「大丈夫だって」



「大丈夫って根拠はどこにあるんですか?俺ここに来た事ないんですよ。クマでも出たらどうするんですか」

僕は引き下がらない。


「大丈夫!大丈夫だからって。ここにはクマいないから」


「でもそんなこと言ったって・・・」


「お前もしつこいな~。しつこいよ。しつこい。迷ったら携帯かけてくればいいから」


『そっか!携帯があったんだ。』

僕は少し安心したのだが、


『しかし、ほんとに大丈夫かな~。この人顔赤いし。酔った勢いでこんな事やりだしたんじゃねーの・・・・。
でも、他の人たちも行っちゃったしな~・・・・』

と、やっぱり不安が残る。



「あの~」


「なんだ?」


「俺も2人で行っていいですか?」

僕は往生際が悪くても引き下がらなかった。

「はああ・・・まあいいけど、ホントに大丈夫だぜ」

と木田さんが渋々OK!


『よしっ』
と僕は、心でガッツポーズを取り、


「山田さん、一緒に行きませんか?」

と山田さんに助け舟を出した。


すると山田さん自分を指差し、

「えっ俺?俺はいいよ。

俺は企画者だから、一番最後に行く。向こうで飲むビールとか持っていかなくちゃいけないし。」

とやんわり拒否。


それでも負けじと

「えっじゃあ俺がその荷物持ちますよ。」
と僕。


「いや大丈夫だから!」


「いや俺持ちますよ。」


「いいから」


「いいですって遠慮しなくても!」


「遠慮してないって」


「いいじゃないですか~相部屋なんですから」


「ホントにいいんだよ!だって俺、木田さんと一緒にいくから」


・・・・・・

・・・・・・・・・・


「えええええええ」


僕は目を丸くした。


『きったねーー。きたねーぞ。

山田さんっ!  きたねー。


くそーー。しかも本心出やがって


立場を利用した口実+木田さんとグルかよ!ずりーなー。。


じゃあどうしよう・・・・でも、まあ仕方ないから、佐竹と行こうっと・・・』



「それじゃあ佐竹!一緒に行かない??」


僕は山田さんの隣にいた佐竹に声をかける。


これに対し佐竹は、

「俺、1人でいくからいいわ」
とキッパリ。


・・・・

・・・・・・・・

『俺って友達少ねーーーー』


「わかりました。じゃあ行ってきます」


僕は落胆しながら、1人で闇の中に足を踏み入れたのだった。




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