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第49話:【DEAD】OR【ALIVE】


「それじゃあ出発するぞ~」

 

休憩所で号令がかかる。

 

 

 

タタタタタタタタタ

 

 

寮生が各車に乗り込むために走り出した。

 

 

 

僕もその号令に従い、乗車しようとしたのだが、

 

 

 

『アレッ? 車に乗れない。人が多い気が・・・』

 

 

 

なんとちゃっかり木田車のメンバーのはずのパクさん達が僕たちの車に乗っているではないか。

 

 

しかも笑顔。

 

 

「よろしく~!」

 

こちらに手を振っている。

 

 

 

よろしく~!と笑顔で言われても、すでに定員オーバーの山田車。

 

 

『えっ俺の席が・・・・ない』

 

 

 

そう木田車のメンバーがクルマ難民と化し山田車になだれ込み、車を占拠してしまったのだ。

 

 

「えっ?パクさんは向こうの車ですよ」

 

と促がされると

 

 

 

「あいつの車なんかに乗れないわよ」

とパクさん。

 

 

また、

 

「俺こっちのクルマの方がいい」

と、佐竹。

 

 

「俺まだ死にたくないから頼むよ」

と、僕たちに手を合わせて懇願する相川さん。

 

 

 

一方の金さんと田端というと、

 

 

何にもなかったかのように平然と木田車に乗っている。

 

 

 

まあ人間は身の危険を察知するとそれを回避しようと行動する動物だから、パクさんたちの行動も当然と言えば当然のこと。

 

 

 

 

しかし、忘れてはいけない。

 

 

これは難民と化した人々だけに通じる話ではなく、難民を受け入れる側にも共通するものだと。

 

 

つまり、難民を受け入れる側も難民のなだれ込みによって、自分達も危険にさらされていると察知すればそれを回避しようと行動してしまうのだ。

 

 

その意味で、僕たちは先のドライブで、【木田車はデンジャラスな車である】事をこの眼でしっかりわかっており、

 

 

“難民を受け入れる事=僕たちが木田車に乗る事”



““木田車に乗る僕たち=死・デッド【DEAD】”” 

OR

“““山田車に僕たちが留まる=生・アライブ【ALIVE】”””

 

という公式が成り立つ。

 

 

 

山田車メンバーは身の危険を察知し、

 

「ダメだよ」

 

 

「あっちいけよ」

 

 

「最初に木田さんの車に乗るって決められていたんだからそっち乗って下さいよ。」

 

 

「ちょっと!そこの席おれのですよ」

 

と、クルマ難民の受け入れを断固拒否。

 

 

 

山田車メンバーは難民申請を受理しなかった。

 

 

なんて人間は自分勝手な生き物なんだろう。

 

 

木田車に乗るか乗らないかだけでこれだけもめるのだから。

 

 

【他人より自分】

 

 

これが人間なんだ。

 

 

まさに世界の縮図がここにはあった。

 

 

 

この混乱は収まらず、混迷を極めるかと思ったが、そこはさすがに寮長(舎長)。

 

 

「いいから元の自分の車に戻って!」

 

寮長のこのひと言で、難民は明らかに不満げな顔に出しつつも、しぶしぶと木田車に戻っていったのであった。

 

 

そんなときパクさんが僕に、こんな捨て台詞。

 

 

「帰りの車は絶対乗るわよ。ジェーーーータイ乗るからね~!」

 

 

 

学舎の調和が取れるようになるのはまだまだ先のよう。

 

 

と、そんなこんなで僕たちは目的地へと無事着いたのであった。

 

 

 

目的地はというと、群馬のどっかの山の上。

 

 

今回、木田さんの紹介と言うことで一部の寮生は不安を感じていたのだが、僕たちが降り立った場所は田んぼや野の花畑が一面に広がり、空気も東京とは比べ物にならないくらいにおいしい素晴らしい場所だった。

 

 

僕たちはそこで自然を満喫すべく、川遊びし、ピザ作り、相撲、バーベキューを大いに楽しんだ。

 

 

しかし、そんな時ひとつ疑問が。。。。

 

 

『そう言えばここ寝るスペースがないよな』

 

 

そう、僕たちが今楽しんでいるこの小屋には13人が寝るだけのスペースが全くないのだ。

 

 

 

『そういえば、布団が準備してあると聞いていたのにそんな場所も全く無いぞ。どこからか運んでくるのかな?』

 

 

 

しかし、すでに外は真っ暗。

 

 

しかもこの小屋を管理してそうな管理事務所は全く見当たらず、今日は月明かりもないので、これこそ外は【一寸先は闇】の状態。

 

 

 

僕と同じように寮のみんなも疑問を持ち始めた頃、木田さんがこう切り出した。

 

 

「それじゃあ、そろそろ次の場所に移動しようか」

 

 

「へえ、ここで寝るんじゃないんですか?」

 

 

「違うぞ。ここから15分歩いたところに今日寝る山小屋があるんだ。」

 

 

「それじゃあ車で移動ですね?」

 

 

「はああ、そんなわけないだろう。ひとりひとり懐中電灯をもって1人で歩いてもらう」

 

 

「えええええええええええええ」

 

 

姉さん、事件です。




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この記事に対するコメント

たけおさんっ

このブログホント見てて楽しいし、ウヒャヒャッと笑えますって!この仲間達が今後どうなっていくのか楽しみにいつも見てますよ。。
いやあ、ピュアだなあ~田舎っこだなあ 笑

【2008/01/16 09:39】こまち #986cfb968b()[編集]

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