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第58話:ガンプラの果てに

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今でもあのときの事は忘れもしない。

そう、あれはまだ僕が小学5年生だったときの話だ。

当時、僕はある物が、欲しくて!欲しくて!たまらなかった。

僕はそれを手に入れるために、親からもらう毎月のお小遣いをコツコツ貯めていた。

お小遣いをこれまで貯めたことのないこの僕なのに。


そしてとうとう今日という日がやってきた。


僕はこの日をどれほど楽しみにしていたことだろう。


そうだ。


僕が欲しくて!欲しくて!たまらなかった望みが今日かなうのだから。



今日の学校の授業は昼間まで。



僕は帰りの会が終わると、一目散に自宅へダッシュ。


そして今日のためにと苦労して貯めた5000円を青いお財布に入れ、それを片手に自宅を出て、自転車のペダルを力いっぱい踏み、ある場所へと向かったのだった。


そこは

年季の入った文具店。


そこの文具店はあの当時ですでに30年以上やっていただろうか。


そうとう年季の入った建物のこの文具店には、年老いたバアちゃんが1人で経営していた。



ガラガラガラガラーーー


僕はその文具店の戸を力いっぱいに開ける。


文具店に足を踏み入れると

ピンポーン

と店の奥で音がした。


それに合わせて

「ハイハイハイ」

と、店の奥からバアちゃんが出てくる。


僕はそれを横目に、あるコーナーの棚に急ぎむかう。

そして目を輝かせてそのコーナーの前に立った。


そこは


プラモデルコーナー


そう今で言うガンプラ(ガンダムプラモデル)のケースが山積みになったコーナーだ。


そう僕が欲しくて欲しくたまらなかったもの


それはガンプラ。


しかも今日は新モデルの入荷日。


僕は幼児の時からプラモデルが大好きでゲーム禁止令が発令されていたこともあり、プラモデルにどんどんのめり込んでいった。


そんなガンプラに目がない僕が待ちにまった日が今日なのだ。


僕はお目当ての品をこの手にするためガンプラが積まれている棚をくまなく探しまくった。


しかし、

『あれ?

・・・・・・ない。

僕の欲しいプラモがない』



「バアちゃんっ!今日入ってくるって言っていたプラモがないよ。」

僕は必死に文具屋のバアちゃんに訴えた。



すると、


「はああ?」


バアちゃんは自分の手を耳に当ててこう言い放つ。


『そうだ!バアちゃんは耳が遠いんだった』


僕は、店の中央の椅子に座ってるバアちゃんの近くで


「だから!今日入ってくるって言っていたプラモがないんだって。」

と声をかける。


「あ~あれかああ~・・・・。

えーーと・・・・。えーと」

バアちゃんはそう言いながら、てくてくと歩きガンプラの積まれた棚を見回した。


「えっとーー

どこだったかな・・・・


た・し・か~、、、、、」

バアちゃんはガンプラが積まれている棚に目を通す。


「あれ~・・・・

おかしいな・・・・

今日たしか・・・・

入荷したはずなんだけど・・・

あれ~・・・・

あれ~・・・・」

バアちゃんはそう言うと、ひとつひとつのガンプラケースに目を通す。


「あらーーー、

ど~こ~か~な~」


バアちゃんの動きはひとつひとつがド級の超スローモーション。

このド級の超スローモーションの動きに小学生の僕でも


イラつく。


それでもバアちゃんはマイペース。


ひとつひとつ丁寧にガンプラケースを確かめる。


「あれ・・おかしいな~

どこ言ったんだろ~

あれ~・・・・・

・・・・・・・・

あっ!そうだあ

さっき、売れちゃったんだった」

と、バアちゃん。


バアちゃん~。先にそれを思い出してよ』

とツッコミつつ、次の瞬間、僕は


「えー!?ということは・・」



「売り切れだねえええ」


ド級の超スローモーションバアちゃんが即答する。



僕はその言葉にガックリ。



僕は自分の体からスースーと力がなくなっていくのを感じた。


これは、アンパンマンが顔を濡らして

「顔が濡れて力がでないよ~」

と言っている状況に似ている。


僕も

「ガンプラが売り切れて力ができないよ~」


そんな状態だ。


バアちゃんはこんな僕を見てひと言。

「ごめんなー」

『バアちゃんのせいじゃないんだけどね』

と、優しい言葉をかけてくれるバアちゃんのせいじゃないと分かっていながらも、なんとなくその言葉に空しさを感じ、うな垂れる僕。


ガラガラガラ

僕は文具屋のドアを静かに閉めた。


僕は、あんなにも楽しみに!楽しみに!していたガンプラをとうとう手にする事はできなかったのだ。


「はああああ。せっかくお金貯めたのに・・。

僕がほしいプラモは、またいつ入ってくるかわからないとバアちゃんも言っていたし・・・。

あーあ、せっかくのこの5千円どうしよう~」


僕はそう独り言をいいながら、そして5千円の入った財布をボーっとながめた後、


ポイッと青い財布を自分の自転車の前カゴに入れた。


そして僕は自転車にまたがり、ペダルを踏み、走り始めた。


とそのとき、


キキキーー


ブレーキ音がこだまする。


そして、僕の横には大きなひとつの影が。。。。



「おい!お前。それいい財布じゃねーか」



お姉ちゃん!ピンチです。





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【今日のマップ】『ガンプラ』ゲットならずの店
自転車の前カゴに財布を入れるのはやめましょう。
貴重品は身につけましょう。
じゃないと痛い目に合います。そう僕のように・・・。
ちなみに近くにある【中郡小学校】は長渕剛の母校です。
たぶん・・・:
【プラモ】と当時は言っていた気がするけど今はガンプラなんですね。
アクセス:市電に乗りましょう!
キーワード:ガンプラ
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営業時間:たぶんもうやっていないんじゃ・・・・
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この記事に対するコメント

無題

おもしろいね!次が楽しみです。

【2008/01/25 19:57】京の子 #9b11f49144()[編集]

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