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第60話:事件は会議室で起きてるんじゃない!


「で、きみ名前は?」

「武武夫です」

「職業は?」

「大学生です」


僕たちは遊園地内で2人組の男達にからまれ、インフォメーションカウンターのお姉さんのところに駆け込んだところ、遊園地スタッフに促がされ、近くの交番にきていた。


「ふーん。それで【からまれた】という話だけど、どうしてそういう状況になったの?」
と警察官。


「いやお化け屋敷からでてきて、帰ろうと思ったら向こうから急に2人組が出てきて、ケンカ売られたんです。」


「その2人組みの事は全く知らない?」


「はい。全く知りませんし、会った事もありません」
と僕。


「何か君達からケンカ売ったって事はないの?」

警察官は突っ込んでくる。


『それなら警察来るわけねーだろ!』
と思いつつ僕は、

「全然ないです。」
と、キッパリ。


しかし、警察官は

「じゃあ、なんでケンカ売ってきたの?」
と、さらに突っ込んでくる。


「わかりません。

ただ・・やつらは目が合ったと言ってました。

でも、からまれたとき初めて僕たちはやつらをみたんです。だからあり得ません。」



「じゃあ、君達は知らない間に目が合っていたかもしれないね」


『だから目が合っていないって言ってるじゃん!』


この警察官、


相当しつこいです。

「いいえ、そんな事はないです。」
と切り返す僕。


「いやいや目が合ってなくてもそう見えたかもしれないよ」

とさらに切り返す警察官。


しかもこの警察官、

「特に君の目は、大きくてはっきりしてるから」

と、僕の目を見て、両手の指で丸を作り、眼鏡のポーズを取った。


それを見た僕は、


『あり得ない』



僕は、苦笑いしつつも冷ややかな目で警察官を見た。



「それで、2人組の特徴は?」


「えっと。僕よりちょっと背が高くて、一人は赤いジャンパーをきてもう1人は黒縁のメガネをしていました。それから・・・」

僕は2人組みの特徴を色々話した。


すると、ちょうどそのとき、背の高い男性が交番に入ってきた。


『あっさっき、僕のために2人組みを追っかけてくれた遊園地のスタッフだ』

とわかり、僕は

『犯人を見つけ出してくれたんだ』

と嬉しくなった。


警察官が

「どうでしたか?」



僕の目はキラキラする。



すると背の高い男性スタッフは



「取り逃がしてしまいました」


とひと言。

『取り逃がしちゃったのかよ!』

僕はガックリきてしまった。


「途中までいったんですが、やつら足が速くて、いつの間にか姿が見えなくなってしまって・・・」


僕は
『なんだよ~』と思いつつも、僕の為に走って追ってくれたこの男性スタッフに


「いいえ、本当にありがとうございました。」
とお礼。


「それじゃあ、私仕事がありますので戻ります。」


背の高い男性スタッフは仕事場へと帰っていった。


今考えたら、このスタッフの方が警察官より、僕達みたいな赤の他人によくやってくれたと思う。


というのは・・・

「それで、さっきの続きだけど、2人の特徴はそれくらい?」

と警察官。


「ハイ。これくらいです。」

僕は覚えていることすべて話したつもりだったし、特徴もつかんでいると思った。


しかし、警察官は

「そうだな~。これだけの特徴じゃ、この付近なら同じような奴がいっぱいいるからな~。それにその2人組もこの土地のもんじゃないかもしれないし・・・」

とかなり消極的。


「じゃあ捜査とかしてくれないんですか」
と僕。


「うーん。君も見てもらえばわかるけど、今日だけでこれだけの人数でしょ?

一応、巡回はできるけど、難しいかもね~。

それに君達も【からまれた】だけで、ケンカもまだしてないでしょ?

ということはまだ事件にもなっていないから動きようがないよね」


明らかにやる気なさそうな交番の警察官たち。


僕はこれらの消極的な警察官を見て

『あの時と同じだ』

と思った。


<小学5年生のあの僕>

えーん、えーん

僕は引きずられた後、泣きながらそして両ひざから血を流しながら、自宅へと帰った。


両親はそれを見てビックリ、すぐ近くの交番へと通報した。


しかし、そこでのやり取りも今のお台場の交番の対応と全く同じ。

「そう、顔にホクロがねー。あとは高校生風の男?

そうか~。でもそれだけじゃね。高校生なんて今の時間でもいっぱいいるからね。」

と、最初から消極的。


僕たちが事件を通報したとき、そのときたまたま少年課の刑事達が交番を訪れていた。

その刑事達は、僕に何枚かの男が写っている写真を見せる。

「この中に犯人はいる?」

僕はすべての写真に目を通したが、この写真の中に僕を脅したあいつはいなかった。

「ううん。いないよ」


「そうか。わかった。ありがとう。それじゃあ」

刑事達はそう言うとそのまま車に乗り、帰って行ってしまった。


この様子を横から見ていた交番の警察官はひと言。

「たぶん。脅した犯人は初犯だから、捕まえるのは難しいかもね」


この交番の警察官も終始、消極的発言ばかりをくり返し、僕のために現場検証することもなくそしてその後も捜査をする事は全くなかった。

だから当然、僕を襲った犯人も決して捕まる事はなくそのまま・・。


当時の記憶が今の僕の頭を駆け巡る。

『結局、こいつらもあの時と同じかよ』


「でも、君達の落ち度もあるんじゃないの?」

警察官は僕たちにこう切り出した。

「だって君達、大学生には見えないよ。初めて見たとき高校1年生くらいにしか見えなかったくらいだよ。」

「君達は童顔すぎるんだよ。だからなめられたんじゃない?」

この警察官の発言に、僕はほんのちょっとだけ童顔と言われて嬉しくなったものの


『こいつら、とっても


失礼だ。』


そして、それからの事情聴取は、犯人像を割り出す話ではなく、なんとなくケンカ売られた僕たちが悪いという話に段々と変っていき、僕たちの身辺の事を聞きだすように。。。。


「東京は変な輩が多いから、君達自身でも注意しないといけないんじゃないの?」

とか

「君達はまだ東京の事をしらないから」

とか

「派手な格好をしない」(全く僕たちは派手じゃなかったけど・・・。)

など。

彼らはもっともらしい言葉を僕たちに投げかける。

しかし、忘れてはいけない。

彼らは現場検証も犯人像に迫る事もしようとしなかった事実を。

結局僕らは【なめられないように自分達で防衛する事も覚える】よう言われ、
事件はまだ起きていないという理由から現場検証も犯人探しの捜査もしないという流れになってしまい、僕達はそのまま帰された。

けれどもなんとなく気分が悪い。

『お台場と言ったって、湾岸署の青島刑事みたいな人はいないんだなぁ。あれは結局テレビだけの話か・・・』


【事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!】

そう、当時流行りまくっていた青島刑事のあの名台詞。

でも現実は全く違う。

僕は声を大にして言いたい。

【事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で死んでるんだぁぁぁぁ!】
と。

現実はテレビのようにうまくはいかないものだ。


せっかくの楽しかった一日も最後には嫌な気分で終わってしまった。


それから数日後、

僕はパクさんにこの時の胸くそ悪い話を熱く語ると、

「それならあんた!テコンドーやりなさいよ!」

とひと言。

「なんですかその、てってってかんどって。変な名前っ!」

「違う!違うわよ。テコンドーよ。テ・コ・ン・ドー。足を主に使う格闘技よ。韓国では基本中の基本よ。軍隊でも使うし。私が教えてあげるわ~!」

「へええ、そんなのがあるんですか~」

これが僕と格闘技との最初の出会いだった。



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