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2008/02/13 第71話:こんな合コン・・・いや訪問
シェアブログ403に投稿 「いや~今日はとっても楽しみですよね。」 僕はいつもより多くはしゃいでいた。 今日は、若井さんの家で合コン!いやいや、ご訪問させてもらう日。
2008/02/15 第72話:仕返しの果てに残るもの。それは・・・
シェアブログ403に投稿 僕にとってこの合コンは何も意味をなさないものとなった。 僕はそれからというもの何を言われても 「あはははは」 「あはははは」
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2008/02/19 第74話:相川さん登場
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2008/02/21 第75話:45年の歴史の重み
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2008/02/22 第76話:偽りの笑いからホントの笑いへ
シェアブログ403に投稿 「相川さん! 相川さんってなんでマンガを読むときだけその帽子を被るんですか?」 僕は相川さんに率直に聞いてみた。 すると相川さんか
2008/02/24 第77話:くら替え
シェアブログ403に投稿 大学の授業はすべて終わり、今日から試験期間に入った。 「それではこれから試験用紙を配ります。 ・・・・それでは始め」 パラッ
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2008/02/26 第79話:こんなアルバイトって・・・
シェアブログ403に投稿 「突然で悪いんだが、、、、タケオ! お前、アルバイトする気ない?」 「えっ?」 僕はあまりの突然の事で反応ができない。 「いや~
2008/02/28 第80話:築地市場にみせられて
シェアブログ403に投稿 築地市場 ・・・東京都中央区築地にある公設の卸売市場で、日本最大の魚市場でもある。 東京都内に11ヵ所ある東京都中央卸売市場のひとつだが、 規

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第71話:こんな合コン・・・いや訪問

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「いや~今日はとっても楽しみですよね。」

僕はいつもより多くはしゃいでいた。


今日は、若井さんの家で合コン!いやいや、ご訪問させてもらう日。


学舎から参加するメンバーは以下の通り。


恋愛成績0勝2敗―先日の敗北から新たなチャンスが巡り巡って、水を得た魚のように自由に弾けているタケオ。


彼女いない歴1年-日頃の言動からは想像もつかないテニスプレーヤーで大学生活今年最後なので彼女ゲットに本気モードな榎本さん。


彼女はいらないような素振りをしているようにしか見えないがちゃっかりこの合コンに参加している受験生の田代さん。


夜の住人で、行動が見えないせいか奇怪な行動に見えてしまうのが玉に瑕(たまにきず)の山田さん。


彼女いない歴が自分の歳と同じ―しかもなんとなく僕と同じ雰囲気なので僕とシンクロしやすい山手学舎物語2回目の登場、相川さん。

以上の5名だ。


若井さんは広告代理店の社長さんで学舎OB。


ちなみに、若井さんのご自宅は鎌倉の一等地にあり、そして有名建築家の設計の下に建てられた家らしく、あまりの美しさからテレビでも紹介されたほど。


若井さんのご自宅を見に行くだけでも価値があるのだが・・・寮生にとってはそれは副次的なもの。


今日の合コンいや訪問は、5名でお金を出し合いレンタカーを借りて鎌倉まで行く事に・・・。


僕はもちろん若井さんの家は初めての訪問だし、若井さんに会うのも初対面のようなものだ。


【初対面のようなもの】というのは、一度だけ若井さんを遠くから見ただけなのだから。


というは、山手学舎では4月後半から5月初旬の間に入舎式なるものが行なれ、そこで若井さんが来ていた。


この入舎式とは、文字通り山手学舎に入舎するための式で、

その年に山手学舎に入寮した新入舎を在舎生と山手学舎OBが歓迎するというありがたい祭典である。


山手学舎は今年ちょうど創立45周年を向かえ、この記念する年に僕らは入舎した。


そのときに若井さんを遠くから見たような気はしたものの、面と向かっての挨拶はというと、僕の記憶には残っていない。

だから、若井さんとは初対面のようなものなのだ。


「そういえば若井さんの家ってこれまで誰か行った事あるんですか?」

僕は鎌倉行く車中でこう質問した。


「俺一度だけあるよ」


榎本さんが答える。


「どんな感じなんですか?」


「そうだな~。まあ行く価値ありだな。料理もおいしい、家はでかいし、そして今日は女子大生まで・・・ぐふふふふ」


「あーそうですか。」

僕は榎本さんのヤラシイ顔を横目で見ながら

「へえ料理もそんなにおいしいんですか?」

と話題を戻す。


「まじ!やばいぜ。俺らが食べたことのないようなものがでてくるし。」


「まじっすか?」

僕は嬉しさのあまりトーンが高くなる。

「まじっすよ!」
相川さんが声を合わせる。

あははは!!


車の中は期待と喜びに満たされた雰囲気に、、、、


そして若井さん宅へ。

ピンポーン

ガチャッ


「おーおー、よく来たな!もうみんな待ってるから。上がって上がって」


若井さんが家の奥に僕たちを案内してくれた。


『へえーここかー。デッケー』

確かに若井さん宅はデカいし、リビングなんか大人が30人入ったっておつりがでてくるほどの大きさだった。


テレビに出てくるのもわかる気がする。


そして大人20人が軽がる座れるほどに大きなリビングテーブルが目に入ってきた。

そこには普段見たことのないような料理がギッッッッッシリ。


刺身

豚しゃぶ

から揚げ

なんだか名前が長そうな料理がずらり。

「おおおおお」

僕らはあまりの豪華さに後ずさり。

また僕にとってそこにある料理が輝いて見えた


『くうーーー!

刺身なんかどれぐらいぶりだろう。ああ、これだけでも来てよかった。

これで万年野菜炒めから解放される。』

僕はもう嬉しくて嬉しくて泣きそうだった。



「おう!榎本!元気か?」

若井さんが榎本さんの肩を叩く。

「はい!元気にしてます!」

「今日は、見てみろ。こんなかわいい女性たちが集まってくれたんだぞ!」

若井さんが手を向けた方向にはやんごとなき女性たちがすでに座っていた。


「こんにちはー」

かわいい声が家中に木霊する。


『ああこれいいな~』

僕は思わず笑みがこぼれた


「どうだ!どうだ!」

若井さんが榎本さんをからかう。

「あははは」

「それじゃあ、舎生みんな座って座って」

若井さんが学舎メンバーを女性たちと対面して座れるよう誘導してくれた。


しかし僕はというと、学舎メンバーの中で一番年下ということで、女性たちから離れた一番奥の席に。


『あっ遠い・・・・・』

と思いつつも

若井さん宅での食事会という名の合コンが始まった。


けれども、案の定

女子大生達と会話ができない。


『この前の事もあるし、なんとかして存在感をみせたいな~』

と、僕は奮闘し女性たちに声を掛けようとしたものの、

榎本さんを始めとする他の学舎メンバーも肥えた羊を襲おうと構える飢えたオオカミのように、みんな自分をアピールしまくっているので僕の入る余地がない。



しかも女子大生の方も自己紹介でわかったのだが、みんな大学3年生や4年生ばかり。


彼女達も僕のような年下に全く興味もないようで、他の学舎メンバーとしゃべってばかり。



僕は、自分を度外視したこの雰囲気をみて


『もういいや!料理に専念しよっと』


彼女獲得から料理獲得へシフトした。



しかし、僕の目の前にはというと


健康になりそうなサラダばかり。



けれども僕がほしいのは刺身とからあげ!

「刺身・・・からあげはっと。

あっ!あった!あった! 

でもな~、、、、、」


刺身はというと、、、、、


テーブルの向こうの真向かいにいる若井さんの目の前にあった。


『これまた・・・・遠いよ』


僕は、取りにいこうか、どうしようか迷った。

だが、

『いや!女の子としゃべれないなら、日頃お目にかかれないものだけでも食べて帰ってやるぞ』

僕は決心し、

自分の取り皿を持って若井さんの目の前にある刺身へGO!した。


「すいませ~ん。失礼しまーす」

僕はそういうと若井さんの横に座り、刺身やからあげや他の料理を自分の取り皿へ。


すると、そんな僕の行動を見た若井さんが

「おう、君が今年入ってきた一年生か~」

「はい!タケオといいます。」


僕は、『あっこれは最初で最後のチャンスかも』

と思い、女性たちに僕の存在を知ってもらおうと、思い切ってテコンドーしている事、大学でのことをPRした。


女性たちも僕の話に興味津々に聞いてくれているようだった。


『おっ!これは少しいい感じじゃないかな』

僕は心でガッツポーズ!!


しかし、そんな女性たちにPRしている僕を敵と感じたのか、


「でも、若井さんこいつはよくご飯を食べるんですよ。

大食いです。大食い。しかも野菜炒めばっかり食べるんですよ」

と、榎本さんがいらん横やり。


「榎本さんやめてくださいよ」

僕は榎本さんを制止したのだが、、

今度はそれに乗じるように山田さんも

「そうそう。こいつ、よくご飯食べるから、寝ているときブーってでかい屁をするんですよ」
と暴露。


「えっ!」

僕はその言葉に開いた口がふさがらない。


榎本さんと山田さんの言葉で、一瞬のうちに今まで僕がPRしていたことはことごとく崩れ落ち、

女子学生も

「えー野菜炒めばっかりの~。」

「かわいそう。」

「私なら耐えられない」

「やっだーー」

「いやーーはずかしい」

「あはははは」

僕を馬鹿にした笑いへと変わっていった。


僕は、この榎本さんと山田さんの発言にめちゃくちゃ恥をかかされた格好だ。


僕はこの大爆笑に、ぎゅっと手は握りこぶしを作り、はらわたが煮えくり返る思いをぐっと堪え、我慢した。


『最悪だ・・・・。僕のイメージが一瞬にして崩れちゃった・・・なんでこんな事を。



許さない!!こんな合コンぶっ壊してやる』



僕の方向性は決まった。




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第72話:仕返しの果てに残るもの。それは・・・

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僕にとってこの合コンは何も意味をなさないものとなった。



僕はそれからというもの何を言われても


「あはははは」

「あはははは」

と愛想笑い。



そして僕のイメージを【大食い】&【でかい寝屁をする臭いやつ】としやがった榎本さんと山田さんに、

それから馬鹿笑いとツッコミを入れやがった女子学生たちに

これからどうしてくれようぞ!

と仕返しを僕は考えていた。




『ここで、僕が※KYな奴を演じてこの合コンの雰囲気を壊そうか!

それとも榎本さんの歌舞伎町通いや山田さんの歯ぎしりを暴露して彼らのイメージダウンを図ろうか!』
と。


※注意書き KYという言葉はこの当時流行っていなかったものの、現代の言葉に合わせてみました。ちなみにKYとは、【空気読めない】という意味。



『いや!しかし待てよ・・。

俺のここでのイメージは、すでにKYな奴と思われているだろうし、

今KYなところを演じたところで・・・・・

女子たちもあのひと言で俺に全く興味を示さなくなったし、

今やっても

・・・・・ただの変態!?


にしかみえない。

それでは意味がないしな~。

だけど、だからと言って、榎本さん・山田さんの事を今暴露したら,

あとで2人からリンチにあいそうだしな・・・・・・うーーん。どうしよう』


僕がそんな暗い暗い事を考え込んでいると、若井さんが僕に声をかけてきた。


「そう言えば、君は何大学かね?」


「J大学です」


「おおそうかそうかJ大学かそれは素晴らしい。じゃあ●藤●作を知っているかね?」


「はああ、知ってはいますけど・・・」


「おう!そうか!そうか!実は僕は大好きでね・・それから×□○△◎※、そして×□○△◎※・・・」


若井さんは学生時代、J大学に関連の深い●藤●作に大きな影響を受けたらしく、その話をいきなりしてきた。


僕がJ大学に通っている事実が、若井さんにとって壷にはまったらしく、

若井さんは女子学生や他の寮生との会話を中断してまで、僕と【J大学&●藤●作】の事で話を始めたのだった。


勿論、他の寮生は他大学でもあるし、この会話には加われない。


そして女子大生はというと、

あまりのマニアックな話のため・・・・


引いていた。




しかし僕にとって、この偶然の出来事こそ、僕の求めていた方向性だ。


『よし!やってやった!僕を公然と馬鹿にしたからこうなるんだ!』



僕は偶然にもこの食事会主催の若井さんを味方につけた事により、

これまで榎本さん・山田さんペースだった合コン雰囲気は崩れていき、

普通の食事会の雰囲気に変わっていった。



これは僕にとって満足の行くものだった。


そんなとき、

グーーー


僕のお腹が鳴る。


『あっ!そういえば、俺、刺身とからあげを取りにきたんだっけ?

よし、これで俺の思惑にもなった感じだし、

それじゃあご飯をいっぱい食べて、今日は退散しようとしましょっか!』


僕は成し遂げるべきものを無事成し遂げる事ができたので、

色んな料理を自分のとり皿いっぱいに盛り、自分の席に戻ろうとした。



しかし、それ見た若井さんが

「おい!タケオ!お前どこいくんだ!」

僕を呼び止める。


「えっ!いえ、そろそろ自分の席に戻ってご飯を食べようかな~と・・・。」


「いいから!まだ俺の話はおわってないぞ。いいから座って聞けって!」


「えっでも僕は向こうの席ですから」


「そうか!それじゃあ・・・おい、榎本!ひとつ席をずらしてタケオを俺の横に入れてやれ」

若井さんは、他の寮生たちに僕の席を作るよう指示を出す。


『えっこれはやばい!』

僕はこう直感し、


「えっ、いいですよ、若井さん。僕は大丈夫です。自分の席で食べますから」

と、笑顔で拒否するも



「いいんだよ。こんなに話が合うの久しぶりなんだからもっと語ろうじゃないか!」

若井さんはあくまで僕を隣に座らせたいらしく、、


『マジ、やばい。これじゃあ話だけで飯が食えなくなる。なんとしても自分の席に戻らねば』



「でも・・・本当に大丈夫ですよ」

僕は必死に席に戻ろうとしたのだが


「まあまあ、ここに座って座って。まあまあ」



・・・・・・・・・・・座らされてしまった。



それからはというと、若井さんはお酒でいい感じになっていたこともあり、

延々と自分の学生時代と●藤●作との出会いから始まり、

社長になるまでの生い立ちや、

若井さんの人生論を聞く羽目に。



僕は

「そうですよねー。その通りですよね~。」

と平返事と相づちを打ちながら、皿に盛られたおいしそうな料理をあ~んと口に運ぶ。


しかしそんなときに限ってタイミング悪く

「これどう思う?」

と発言を求められてしまう。

「ハウ!」

僕は、どんなときでも発言を求められると黙ってはいられない性格なので、口に運んだ食べ物も一旦、皿においてしゃべりまくってしまう。


しかしそのせいでちょびちょびとしか料理を口にする事ができない。


なんだこの悪循環!


結果、僕はなんだか食べてるのか、食べてないのかよくわからなくなってしまった。



しかも、僕と若井さんの間に二人の世界が完全にできてあがってしまったため、

他の人たちと見えない分離壁の境界線ができてしまい、

いつの間にか向こうの世界は、普通の食事会からさっきよりも男女の良い雰囲気に。


『あっいつの間に!』


これは、野球で言えば、あと一球で勝利投手になるはずだったのに

最後の最後で逆転満塁ホームランを打たれたショックに近い。



なんでいつも僕はこんなオチばっかりなんだろう・・・・shock!ショック!


僕の目論見は完璧に裏目に出てしまい、そして僕の思惑敗れたり・・・・という事になってしまった。




ちなみに榎本さんは、この食事会で、結果的には三日天下ではあったものの、

とりあえずは彼女ができた。


「彼女ゲットだぜ!」






結局、僕が、榎本さんのお膳立てをしてしまったようです・・・・・・・はああ




姉さん・・・・本当、人生ってうまく行かないモンですね。



現在の僕の恋愛成績0勝3敗。




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第73話:偽りの友情を知ってしまった僕

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結局、若井さんの食事会で、


僕がゲットしたのは


●籐●作文学写真集



●籐●作のいくつかの文庫本小説だけ。


しかもこれはいただいたのではなく、借り物なのだ。


借り物ということは


いつか返さなくてならない。


いつか返すという事は・・・



つまり、また若井さん宅にいくか郵送しなくちゃいけない。



そして若井さん宅にいくか郵送するということは、


お金がかかる。



僕はこの借りた写真集と文庫本を見て思った。




『興味のないものは借りるべきじゃないな。これから借りないでおこう』

と。



こんな感じで、食事会で彼女をゲットできないばかりか、お金のかかる手土産までも持って帰ってきてしまったとんでもなくかわいそうな僕。


「はああ・・・・」


なんだかため息ばかりがでてしまう。


『あーあ、せっかく今度の夏は、彼女と仲良く海にでもいけるかと思ったんだけどな~。

読みがあまかったな。


ということは・・・・・・・・


やっぱり従来どおりパクさんとこの夏は過ごすって事か。トホホホホ』


僕は2度、恋愛勝負に負け、3度目の正直と言う事で希望を持って望んだ食事会だったはずなのだが、これまた負けてしまった。


しかも今度は、

大食い

寝屁をする臭い奴

という最悪なレッテルを貼られての敗北。


男にとってこれほどのショックはない。


しかし、僕はかろうじて立っていた。


とりあえず、男同士だけど、パクさんと列車の旅にいく夏の計画を僕は任されているから・・・。



僕はこの7月、前期の最後の週に行なわれるテスト勉強とレポート書き、パクさんと行く列車の旅の計画で、時間をすべて割いた。


『パクさんとどこ行こうかな。京都に寄ろうかな?いや奈良に行こうかな?』

という感じで。


大学生の7月なんてものは、前期のテストとレポート書きでほとんどの時間が費やされ、

あっという間に時が経ってしまうものだ。


そして長い長い夏休みが始まる。


ちなみにJ大学は一番早い学部で7月の中旬から休みとなり、それが9月いっぱいまで続く。

ということは、約2ヶ月も休みがあるという事になる。


大学生の夏はとても長い。


だから大学生の夏の過ごし方は後の人生に左右したりするとよく言われるのだ。



そして僕にとっての人生を左右する夏のイベントは、パクさんとの列車の旅であり、キャンプでもあるはずだった・・・。


そう、僕の夏休みも計画通りにいくはずだったんだ・・・。




「えっ?夏キャンって自腹なんですか?」


僕は目を大きく見開きながらこう質問した。



「そうなんだよ。ごめんな~。俺、タケオにいうの忘れててさあ」

舎監の木田さんが頭をかきながらこう答える。


どうやら木田さんが僕に紹介したあの夏キャンは自腹を切るキャンプだったらしいのだ。


しかし、僕は寮の上級生からこの夏キャンは自腹を切る事はないと聞いていたし、彼女もゲットできると釣られたから夏キャンに参加したようなものだった。


「で、いくらぐらいかかるんですか?」

僕は木田さんに率直に聞いた。


「えーーとまあ2万くらいかな~・・・」


木田さんは天井を見上げながらこう言った。



「無理です。」

僕は即答だった。



「無理ですよ。木田さん。

俺は実家の負担を考えて、仕送りもやめてるんですよ。

夏、アルバイトするならまだしも、2万の支出は、俺にとってかなり痛いですよ。」



「そっか、それは残念だなー。

でも今回については俺もお金の事を言わなかったし、俺の責任でもあるしな。

俺もこれまでのタケオの食生活みたら2万円がタケオにとっても大金だというのはわかるよ。

毎回、野菜だけの野菜炒めだし・・・・今回は別にキャンセルしても構わないよ」

木田さんは、めずらしく僕に同情的だった。



『野菜だけの野菜炒めって・・・・強調しなくても』

と思いつつ、しかし木田さんの言うとおりなので反論はできなかった。




そして、僕は予定されていた夏の計画ひとつを失ってしまうことに。



それから・・・・、、、



「パクさん!やっとできましたよ!!

えっと、京都に行ったり、広島にも行こうと思うんですけど・・・どう思います?

色々盛りだくさんだとは思ったんですけど、俺、結構、計画表作りがんばりましたよ!」


僕は我ながらの力作の旅行計画書を自慢げに見せ、パクさんに話したのだった。


すると、


「タケオ~」




「どうしたんですか。パクさん!浮かない顔をして」




「えっと・・・いいにくんだけど・・・」




「なんですか?パクさんまたまた辛気臭い顔して・・」



「実は・・・・・」



「どうしたんですか?」




「行けなくなったの」




「えっ何がですか?」




「旅行」



「えっ旅行って・・・」



「その・・一緒に行くと言ってたやつ」



「へええ??」



僕はあまりの事に耳を疑ってしまった。




「えっなんで??」



僕の頭は今真っ白だ。



「やっぱりバイトしないといけなくなっちゃったから・・・」


パクさんはこう答える。




「えっマジで??それ最悪ですよ。裏切りですよ。パクさん」


僕は、なんて言っていいかわからない。



「しょうがないでしょ。」


パクさんはそっけなく答えを返してくる。



「しょうがない・・・・って。。もうダメなんですか?」


僕は聞いた。



すると、

「ダメだっていってるでしょ!!」


バタン


彼はこういうと自分の部屋のドアを閉めたのだった。


・・・・・・・・・・・


僕はあまりの出来事に、状況を整理するのに時間がかかってしまい・・・・声が全く出ない。



そしてしばらくしてから


「おい!パクさん!ふざけんじゃねーよ。ちょっと~」

と、僕は、ドア越しにこう言い放った。



だんだん僕も怒りがこみ上げてきて、自分の部屋のドアを思いっきり叩き閉めた。


バタンンンンンーーー!!!



僕はそれから頭を抱えながら、自分のベッドに横たわり、


『あー終わっちゃった・・・』





それから何時間経ったのだろう。


僕はボーーーっと何時間も何時間も、一点のみを見つめながら、



『俺って友達いないなーーー。

結局、パクさんとは一体・・・・これまで一体なんだったんだろう』


考え込んでしまう。




僕にとって、この時は、友情や友達の定義がわからなくなった瞬間だったのだ。



しかしこれだけはわかった。


『友情の優越感・競争意識からは友達も友情も生まれないんだな』と。





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第74話:相川さん登場

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「あーあ。今年の夏はどうしようかな~」



金欠病で夏キャン参加が取りやめ。


またパクさんの突然のドタキャンで列車の旅計画もなくなり、


急に暇となってしまった僕。



つづきはこちら

第75話:45年の歴史の重み

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「相川さん・・・その帽子って」


僕はこの数日、とても気になっていた事があった。
 

それはというと、


相川さんが被っている帽子。

 


つづきはこちら

第76話:偽りの笑いからホントの笑いへ

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「相川さん!

相川さんってなんでマンガを読むときだけその帽子を被るんですか?」


僕は相川さんに率直に聞いてみた。


すると相川さんからは、こんな答えが、、、


「えっ?なんで被るかって?

それはなんとなく頭が寂しいからね」



「え?頭が寂しい!?」

と、相川さんの答えを復唱する僕。



「そう、なんかさー、こう被っていないと落ち着かないというかね・・・」


「へええ~」


僕はこの相川さんの答えに、一瞬にして以下のような構図を思い描いた。


頭が寂しい??

ということは、頭が寒い。


頭が寒い??ということは、髪がうすくなってきた。


薄くなってきたから、帽子を被る。


帽子を被らないと頭が寂しい。


つまり、これを公式とすると

頭が寂しい=頭が寒い・・・①

頭が寒い=毛が薄い・・・②

毛が薄い=帽子を被る・・・③

となり、これを一つの公式にまとめてみると

頭が寂しい=帽子を被る=【毛が薄い】

故に

頭が寂しい= 【毛が薄い】


『毛が薄いって事???そんな・・・』


僕は、この公式から得られた答えから


「えっ?相川さんってそんな髪薄くないですよ。」

と相川さんの髪をフォロー。


しかし、

「はあ?違う違う。髪の毛が薄くなってきたからって帽子をかぶっているんじゃないの!」



「え~違うんですか~。それじゃあなんで?」


僕の公式は間違っていたようで、、、、


「なんでって!別にいいじゃん!」

相川さんはそう言うとパッと背筋をピーンと伸ばし強調。



「いや、別にいいんですけどね・・・」

僕は答える。


「僕は、ただ被りたいだけなんだよっっ!!!」

と、相川さんは被っていた帽子をわしづかみして訴えた。



僕はその相川さんの奇妙な態度に・・・・


「アハハハハハハハハハ」

思わず爆笑。



相川さんも僕につられて

「アハハハハハハハハハ」

爆笑。


それからお互いに目が合い、

「アハハハハハハハハハ、アハハハハハハハハハ」

と大爆笑。


何が面白いかわからないけど、笑いがこみ上げてくる。


アハハハハハハハハハ

アハハハハハハハハハ


腹の底から笑っていた僕。



笑いすぎて涙が出てきた。


そんなとき僕はふと


『そういえば・・・・こんなに笑ったの、どれぐらいぶりだろう』


と思った。


そう、思い返してみれば、


ナンパや合コンでの失敗で愛想笑い。



学舎旅行では、死ぬかと思って顔が引きつっていた笑い。


他にはケンカに巻き込まれたり、テコンドーで足をおもっいきりひっぱられ絶叫したり・・・・・。

どっちかというと泣きたくなるような辛い事ばかりだった。




だから、こんな素直に心から笑えたのはほんとに久しぶり。



「はあ~あ。腹イテー。」


僕は笑いでお腹が痛くなり、お腹を抑えていた。


けれども


『あれ??、なんだか体が軽い』


僕は、そう感じた。


これまでのもやもや~としていた嫌な気持ちが、いつの間にか、すっ飛んで体全体が軽くなっている自分に気がついたのだ。



それから笑いもひと段落して・・・


「そう言えば、相川さんっていつもここにいますよね」


「別にずっとここにいるわけじゃないんだけどぜ。授業もでてるしさ!

でもなんかタイミングよく、いつもタケオに会っちゃうんだよな~。それも夕方マンガを読み出すときに」


「そうなんすよ!いつも俺が帰ってくるときに、相川さんが談話室にいるんですよ。

相川さんが僕のスパイをしてるじゃないかってほどに」



「いやいや、違うから。俺そんな暇じゃないし・・・あはは」


相川さんは笑いながら否定。



「でもなんか相川さんって・・・・・

学舎のヌシって感じですよね」




「ヌシ??



あー、言われればそうかも。


いつも夕方、談話室にいるの俺だけだし。


でも俺だけ学舎にいると、取り残されたって感じがめちゃくちゃするんだけどね。・・・・・アハハハハハ」



また、お互いに自然と笑いがこみ上げてくる。



「でも、帰ってきた方としては、談話室に誰かいるっていうのは嬉しいですよ。

相川さんって癒し系ですし」

と僕。



「えっ!おれ?


俺が癒し系??」


相川さんが自分を指差した。




「はい。そうですよ。


ヌシっていうのは


ただそこにいるだけでいいんですから」



「なんだよそれ。お前、ほめてないだろ」

相川さんが僕にツッコム。



「いやいやそんな事ないですよ」


「いや!絶対ばかにしてるよ」


「いやそんな事ないですって・・・アハハハハハ」




なんとも僕と相川さんの話は取り留めのない話である。



けれども、そんな話でも自然と笑いがこみ上げて来て

学舎中に僕と相川さんの笑い声が響き渡っていた。



それからいうもの僕が帰宅すると、

談話室にはいるのは相川さん、という風な感じとなっていった。



僕はこれを機会に、相川さんと長い時間、雑談するように・・・。



僕は、相川さんに僕の心の内のすべてを明かす事はまだできなかったものの、

パクさんのドタキャンの話から始まり、

学舎全般の話、テレビを一緒に見ながら社会情勢について議論してみたり、

他には恋愛話、大学での授業の話や、経済、政治、マンガの内容に至るまで、

ありとあらゆる話題を相川さんと話しするようになっていったのである。



そんなある日。



「・・・・・というらしいんだよね。」


「ふーん。そうなんですか~」


今日も僕と相川さんはいつものように話に花を咲かせていた。


すると突然、相川さんが

「あっ!ちなみに、お前は夏休みどうするの?」

と僕に質問する。


「えっ?俺ですか?

そうですねー。パクさんの事もあったし、

どうしよかなーって考えてる最中っすね」



「そうか~。

あっそうだ!

だったら、車の免許なんか取っちゃえばいいじゃん」




「へっ?車の免許ですか。

うーーん、そう言われればそうですけど、


東京じゃあ、車乗る機会にないですからねー」


あんまり乗る気のしない僕。


しかし、


「俺、3年だけど今年の秋から就活始まるし、

時間ないから、4年生の夏くらいにとっちゃう予定だけど、


免許は取れるときに取っちゃったほうがいい。

しかも免許持っていたら、

レンタカー借りて、彼女連れて遠出のデートだってできるんだぜ」


と相川さん。



この
相川さんの的を得た発言をきいて僕は、



「おおおお!そうか!その手があったんだ!」



と、僕の目は開かれ、大いに納得。




「じゃあ、僕免許取りますよ。ちなみに免許ってどれくらいかかるんですかね」



「だいたい25万くらいじゃない?」



「ええ?そんなにかかるんですか?」



「どこもそうだよ。合宿免許とかなら安いって聞くけどね」




「そっかー。じゃあ、夏休みみっちりバイトしなくちゃな!

よし!バイト見つけようっと」






姉さん・・・・僕の夏休みの計画が定まってきたみたいです。




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第77話:くら替え

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大学の授業はすべて終わり、今日から試験期間に入った。



「それではこれから試験用紙を配ります。


・・・・それでは始め」


パラッ


紙がめくられる音がする。


僕は試験に目を通した。

『えっ何これ?俺のやっていたところが・・・・ないじゃん』


僕の周囲では、

カタカタカタカタっと

シャーペンを動かす音がする。



カタカタカタカタ


カタカタカタカタ


しかし、僕のシャーペンは全く動かず。

けれども周囲は


カタカタカタカタ

カタカタカタカタ



こんなときの周りのカタカタ音ほどウザイものはない。


僕のある試験はこうやって終わっていった。


そう、僕の単位もこうやって終わっていった・・・。


でも唯一の救いがレポート。


レポートの方は難なくクリア。


「色々大変だったけど、明日で試験も終わりか~!」


僕は談話室でいつものように独り言。


「試験が終わったら、もう夏休みだー。バイトどうしようかな~」



「おっタケオ!なんかバイトするの?」


僕の独り言に、同じく談話室で新聞を読んでいた山田さんが関心を示す。


「いやー。免許を取ろうと思って」


「免許って車の?」


「そうですよ」



「それならバイクの免許も取っとけよ」


「えっバイクですか?」


「そう。バイクだよ、バイク。

バイクはいいぞー」



「う~ん。でも車と一緒にバイクの免許取ると料金高くなりますよね」



「それなら合宿免許で取っちゃえよ。」



「えっ?

合宿ってどれくらいの期間で取れるんですか」



「うーん、最短で2週間ちょっとくらいかな」


「2週間か~。でも俺実家にも戻るしその時取る予定だからな~。」


そう、僕はとりあえず車の免許を貯めるべく夏休みはバイトをしまくり、そしてその溜まったお金を持って鹿児島の実家に帰ろうと思っていたのだ。


「俺は、今はスクーター乗ってるけど、以前は750cc乗ってたんだぜ。

だからよくわかるんだが、バイクはめちゃくちゃ気持ちいい!

ツーリングとか最高だぜ。マジで。それにバイク乗れたらかっこいいぜ~。」

と山田さん。


「そう言われてみれば、俺も、高校時代、バイク乗ってみたいと思ったときもありましたよ。

そーねーー。バイクねー。」

漠然とバイクを想像する僕。



「でもよく考えたら、約一ヶ月間バイトやりまくっても20万いかないから、その事も考えると車の免許よりバイクの免許の方がいいかもしれないな~。」



「そうだよ。車は東京ではほとんど乗れないぜ。それに比べてバイクは足になるし」



「そっか~。でも車ならデートできるし・・・」

僕は先日の相川さんとの話を思い出す。


すると、

「おっまえ!ばっかだな~。バイクほどいいものはないんだぜ!!」

と、バイクの事を熱く語りだす山田さん。


山田さんは、バイクのエンジン音で、どのバイクかわかってしまうほどバイク好きで、しかも今はスクーターなのにバイク雑誌を毎月買うほどのバイクマニア。


だから山田さんはバイクの利点をありとあらゆる方向から僕に紹介していったのである。


その紹介方法は、どこかの高い声を響かせて商品を紹介する●田社長のテレビショッピングのような感じだった。


「さあ、皆さん今日はすごいですよ~。今日紹介するのはこちら!

このバイクの免許でございます。

このバイクの免許、なんと皆さん!

ツーリングもできて、東京では車と違ってちゃんと足になるこのバイクの免許を紹介しようという・・・。

これからはバイクの時代ですよ~。

あなたのあなたのですねー東京の過ごし方が代わってきます!

見て下さい、皆さん。

この密着度!

バイクは車なんかと違って運転手と後ろに座る人の密着度がすごい!

車なんか比べ物になりません!!


どんなにバイクの後ろに席に座る人が運転手と距離を取ったとしても!!!!

ブレーキひとつで!

密着せざるを得ないんでございますよ~。

これほどデートにいいアイテムはございません。

しかも今回は、それだけではありませんよ。皆さん!

料金だって車の免許より断然安い!

あなたの一ヶ月のアルバイトですべてまかなえちゃうんです!

このバイクの免許!

東京での足となり、ツーリングもでき、密着もできちゃう。

そしてしかも料金も安い!!

どうです、皆さんこの4点セット。

もちろん金利手数料はジャ●ネット●田が負担いたしますよ~」

てな感じで・・・。



それを聞いて

「おおお!そんなに密着度があるなんてなんと素晴らしい!!俺、絶対バイクにしよう!」

と、テレビショッピングを見てすぐ電話してしまう客のように、車の免許からバイクの免許にすんなり、くら替えした僕。


しかも僕と同じように談話室にいた相川さんもこれには納得の表情。



世の中そんな甘くないし・・・しかもバイクに乗せる女性すら今・・・・いないじゃん。


なーんて事は、考えない、考えない僕なのでした。





『じゃあとりあえず、8月はバイトしまくって9月に実家に戻って免許とろうかな』

僕は夏休みの計画を立て直した。



しかし、そんな僕でもひとつ気がかりが・・・・。


それは、



・・・・実家の両親。


そう、僕は一度だけ高校に通いだしたとき

原付バイクの免許を取りたいと両親に言い出した事がある。


しかし、その時は当然、

「高校生の運転はあぶないからダメっ」

と、許してはもらえなかった。


ちなみに教習所では未成年者や学生が入所する場合、必ず保護者の同意が必要となる。


だから両親がもし、バイクの免許を取ることに反対でもしたら、勿論、バイクの免許は取れないし、夏休みの計画だってパーとなってしまう。



このため、実家の両親がバイクの免許を取ることに今はどう考えているのかというのが、僕にとっては相当気がかりな事だったのだ。


「あのときは断固反対されたからな~。大丈夫かな~。うーーん」




そして次の日。


僕にとっての大学の試験は今日で終わり、そしてレポート提出も完了した。


「明日から俺にとっての夏休み!よし!電話しよう」


僕は決心を固め、後期になるまで来る事のない大学を見つめつつ、携帯をポケットから取り出し、実家に電話したのだった。





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第78話:変わっている2人と似ている2人

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トゥルルルルーートゥルルルルーー。ガチャ



「もしもし、あー母ちゃん。タケオだけど・・・・」


「あータケオ?元気してるの?」

電話口に出たのは母だった。


「まあね。今日で大学も終わりだよ。」


「ふーん。それで試験はどうだったの・・・」


「まあまあじゃない?まあよくわかんね~けど・・・」


「何よ、それ。ちゃんと勉強してから臨んだの?」


「まあボチボチ」


「そんな事言って!あなたの事だから勉強していかなかったんでしょ。それじゃあダメじゃない!」


「いいの!うるさいよ。前期ダメなら、後期頑張ればいいんだよ!」


「何よ、それ。 

まあいいわ。

それでタケオは、いつこっちに帰ってくるの?」


「うんとねー。たぶん9月ぐらい。俺8月中はバイトしまくるからさ~」


「何のバイト?」


「まだ決めてない。これから決める予定」


「早く決めないと、だらだらしてたらバイトなくなっちゃうわよ」


「んなことないよ。こっちは鹿児島と違ってバイトもいっぱいあるし・・・」


「まあ、そうね。」


「ああ、それから今日電話したのは、9月に免許を取ろうと思って。」


「免許って車の免許?」


「いや・・・バイクの免許」


「えーバイクの免許?」


「いいじゃん!別に」


「あぶないじゃない!バイクなんか。」


「大丈夫だよ。もう大学生なんだし。」


「そうは言ってもね~・・・。

お父さん!
お父さん!タケオから電話よ~」


母が電話口から親父を呼んでいるようだった。



そして、親父と母の声が受話器から聞こえてきた。



「なに??タケオから?」



「そう。タケオがバイクの免許取りたいんだって」


「バイク??」


ググググガチャ。


「もしもし」


親父が電話に出た。


「あー親父?俺、バイクの免許取るから」


「こっちに帰ってきて免許取るのか?」


「そう、こっちでバイトしまくって免許代、貯めて帰るわ~。

車の免許は料金が高いし、バイクの方が安いし。

それに東京では車の運転なんかできないから免許とっても使わないし。

バイクなら車と違って足になるからさっ!

バイクの免許取るわ~」


僕は親父にガンガン言われる前に、マシンガンの如くバイクの利点を早口でこう言いまくった。


「それに前、原付免許取りたいって言ったときも高校生だからダメだって言ったじゃん。

でも俺、もう大学生になったんだから、変な運転もしないから問題ないでしょ」


僕は【しゃべられる前にしゃべれ!】という感じで、言うべき事はすべていい尽くしたのだった。



これに対して親父は、


「こっちは何もいってないだろう」

とひと言。


「バイク乗ってもいいじゃん。」


僕は『絶対反対される』と思ったので、あえて強気の態度で押してみた。


それから・・・しばしの沈黙。



僕は、この沈黙に

『あーあ、またこりゃあ親父、反対するぞ』


と感じた。



そんなとき


「まーいいんじゃないか」


親父は予想だにしなかった言葉を口にする。


『あれっ?』


僕はあまりに親父の言葉が、僕の予想とかけ離れていたので

電話だったけど、吉本新喜劇のようにずっこけそうになった。



「車の免許じゃなくて、バイクの免許にしようとするタケオの判断はいいんじゃないか?

俺もまだお前は車の運転はしないほうがいいと思う。」


『車の運転はしないほうがいい??』


僕は、親父のこの発言にちょっと引っ掛かるものを感じたので



「なんで?」



と、親父に質問。



すると、親父は


「だってタケオはすぐ調子に乗るタイプだろ?



周りにあおられると、すーぐ有頂天になるから、タケオが車の運転なんかしたら大変だぞ。」



僕はこの親父の言葉に


「えーーうっう~」

としか言えず、反論できず。


だって車からバイクにすらりとくら替えした僕にとって


・・・・・この親父の発言には反論できるはずもない。


しかも、女性とのデートの密着度という下心でくら替えしたのだから
、なんとなく心が痛い。



だからなお更、何も言えない。


ということで、僕は先ほどのマシンガントークから一転、黙々と僕は親父の持論を聞くことに・・・


その持論の中で親父は、

「・・・・もしタケオの車の運転で、人でも引いて殺しちゃったりなんかしたら大変だぞ。

自分の人生ならまだしも、他人の人生を奪うんだから。

それに比べてバイクなら、いくらお前が有頂天になって運転を誤っても最悪、

自分が怪我するか、命を落とす事になるだけで他人を犠牲にしなくて済むじゃないか。

タケオはまだ他人の命を背負うほどの責任をとれる年齢じゃない!」


と、キッパリ!


「えっ??」


僕はとっさに声を出してしまった。



多分、これを聞いた大部分の人は・・・・・・・・なんて親だ!と思うかもしれない。



なぜなら

どんな悪い事、事故を起こしたとしても

「他人の子なんかどうでもいいわ。大事なのはわが子よ!!!」

ていうのが、普通のはず。


それなのに親父は


【車で加害者なるならバイクで被害者になれ】


・・・・・・・


こんな親、あまりいない。


まあひと言で言えば、

親父は変わり者???かもしれない。


それを裏付ける伝説を僕の親父はいくつか持っていた。


その一つに、親父は若い頃、牧師にも関わらずパンチパーマをかけていたという伝説。


その当時、親父は髪の毛を洗うことが面倒臭さかったらしく、どうしたら手っ取り早く髪の毛を洗うことができるかを常に考えていたらしい。


そしたら、ある時期、世間でパンチパーマが流行ったときがあった。


親父はその流行を即座にキャッチし、パンチは髪の毛の手入れも簡単という事もあり、

これを一石二鳥と考えた親父はすぐにパンチをあてる事にしたのだ。


そう、パンチパーマのかかった自分をイメージもしないで。


「想像してみて下さい。ほらっ!パンチパーマのかかった自分の姿を」

って、誰もが思うだろう普通・・・と、

僕はこれを聞いて、思い続けていたのだが。。。



そして案の定、パンチをあてたあとの姿はというと、


どこから見ても



ヤーさんそのもの。



誰もがその姿を見たとき、親父の事を牧師とは全く思わなかったらしい。


しかも親父はヒゲを生やしてサングラスをかけていた事から、

【やくざの幹部みたいでホント!嫌だった、特にひげなのよ、気持ち悪かったのは~】

とのちに、母は証言している。



母はこの親父の姿が、本当に嫌で嫌でたまらなかったらしく、

一緒に買物に行くときも、他人のふりをするため、


親父から5mは離れて、歩いていたほどだったというのだ。


こういう事からも親父の変わりぶりはお分かりになるだろう。



ちなみに今はそのひげは母によって強制削除。


やはり【母はツヨシ】と言うべきか。

それとも、

絶えられなかったであろう親父のヒゲの姿に


20年以上耐えて来た、【母の忍耐の姿に乾杯】と言うべきか。



ともあれ、話を元に戻すと、


まあ子どもも、親から

「車で加害者なるならバイクで被害者になれ」

なんて事を言われた日にゃー、


普通子どもは

「そんな事を言わないでよ!僕の方がどんなことがあっても大事でしょ」

とピュアな心が傷つくはず。


しかし僕はと言うと・・・・・


「おっお~!そうだ。親父の言うとおりだ」

と僕は親父の言葉に納得しまくりだった。


勿論、一瞬だけ僕もこの言葉に耳を疑ったけれど、

これまでの

車の免許=彼女とデート


バイクの免許=デート&密着度 まあついでにツーリングぐらい


というバイクの免許を取るまでの経緯を考えると、


責任とれないよ俺・・・。


とれない。

とれない。

とれるはずがない。


親父の発言が理にかなっている事を僕は発見した。


それに、今考えるとあの親父の言葉は、自分の息子を加害者にさせたくないという逆説的な意味で、ちゃんと愛情がこめられていたのだと思う。




ちなみにこのエピソードを後に聞いた相川さんと高木さんは

「2人とも変わってるね~。」


「でも、家族ってのは、やっぱり似るもんだな~」

としみじみ語っていた。



「それに、自分で教習所行くんだろ?」

親父は質問を続ける。

「もちろんだよ。8月中、働きまくるからさ~」


「じゃあいいじゃないか。やっぱり自分で働いてお金貯めてやった方がいい。

その方が責任感が生まれるからな」

と親父。


「じゃあ、バイクの免許いいんだね」

と僕。


「いいぞ!でもバイトは無理だけはするなよ」


「おうわかった。それじゃあ」


プチッ


僕は電話を切った。


「よし!これでバイクの免許の件もクリアしたし、あとはバイトだな!」


僕は、試験期間中もずっとバイト探しをしていたのだが、

なかなか割に合う&時給の高いバイトが見つけられずいたのだった。


「はああ、バイト・・・どうしよう」


僕の悩みは、バイクの免許からバイト探しへとシフトしていく・・・。



僕は、これからどうするか考えつつ学舎へと戻っていった。


ギィーーガタン

僕はいつものように玄関の防火扉を開け


「ただいまです~」

と言いながらいつものように靴を脱ぎ、スリッパに履き替え、相川さんのいる談話室へ入っていった。


「お帰り~!」

そして今日もいつものように返事が返ってきた。



『アレ?返事は返ってきたけど、声が違うよ~な・・・』


僕はそう思いながら談話室に入っていくと、


「おおタケオか~!いいところに帰ってきたな~!」


そう、そこにいたのは、いつもの相川さんではなく、舎監の木田さんがそこには立っていたのだった。


そして、


「突然で悪いんだが、、、、タケオ!

お前、アルバイトする気ない?」

と木田さん。



「えっ?」


僕は目を丸くした。


これってもしや、渡りに船では・・・・。





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第79話:こんなアルバイトって・・・

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「突然で悪いんだが、、、、タケオ!

お前、アルバイトする気ない?」


「えっ?」

僕はあまりの突然の事で反応ができない。


「いや~俺の友達で男手が必要らしくてさ~。

誰かいいバイトがいないか?って頼まれたんだよ。

そんなとき、タケオの野菜炒めの事を思い出して丁度いいじゃないかと思ってね」


「はあ~あはははは」


『野菜炒めでかよ・・』

アルバイトの件で、すぐ僕を思い出してくれたのは嬉しかったものの、なんとなく素直に喜べない。


しかし、

「それにバイト代、弾んでくれるらしいぜ!」

と言う言葉に


「ホントですか?ちなみにどれくらい??」

とすぐ食らいつく僕。


「日給で一万だって」


「ええ~まじっすか!!」



「そう、しかもまかない付らしいよ。」


「すっげー!そんないいバイトあっていいですか??俺やります!絶対やりますよ!」

僕は周りに誰もいないのに自然と1人、挙手をしていた。



「あ~っと、それからタケオは、体力に自信ある?」

木田さんが質問する。


「もっもちろんですよ!俺は格闘技やっているし、体力だけは自信があります。

なんでもやります。だから是非、そのバイト俺にやらせてください。」


僕はこの前、ちょっと走っただけで、ゼイゼイいってしまい自分に体力がない事を思い知らされたばかりだった。


しかし、バイトのためならそんな事はお構いなし。


それにホントはまだ、格闘技を始めて一ヶ月ぐらいしかたっていない・・・。

けれどもそんな事ではバイトは出来ない。


僕はそう思い、自分をアピール。



それを聞いた木田さんは

「そっか!じゃあ決まりだな。友達に連絡しておくよ」

ともちろん快諾。



「よろしくお願いします!」

僕は深々と頭を下げた。


「じゃあ、二日後、彼のところにお前を連れて行くから。それでいい?」


「ハイ。全然大丈夫です。じゃあお待ちしてます。」


「よし!それじゃあ2日後、また連絡するから」


「よろしくお願いします。」

僕は木田さんを学舎の玄関まで送っていく。


「じゃあねー」


ガタン・・・。


防火扉がしまった。



『あっ!そうだ。大事な事を聞くの忘れてた』


僕はそう思い、木田さんの後を追った。


「あっ木田さん!木田さん!待って下さい。」


「どうしたタケオ!」


「いや~あははは・・・そう言えばうっかりしちゃってて、

それにバイトできることが嬉しすぎたので、どんな内容をするのか聞いてませんでした。」


「あ~あ、そうかそうか。

えっとタケオにしてもらうバイトはね~・・・・」


「はい!」

僕は声高らかに返事。



「えっと、市場のバイト!」
と木田さん。


「えっ!いっ市場ですか?」


「そう」


僕は思いもしなかった職種なだけにリアクションが取りづらい。

「市場って、あの魚とか野菜とかの?」


「そうだよ。タケオも聞いたことない?築地市場のこと」


「えーっと、築地って言ったらあの有名な市場ですよね」


「そう、日本最大の市場さ!」


「えっまじっすか?」


「そうだよ。

築地市場だから体力にホントに自信ある奴にやってもらわないと困ると思ったんだけど、

タケオはある意味、ちょうどいいかもな」


「あははは~そうですね~」

なんか現実を突きつけられた感じで、愛想笑いするしかない僕。



けれども、今になって

「実は僕・・・体力ないんです」

とか

「僕まだ格闘技一ヶ月しかやっていないんです」


なんて泣き言・・・当然、言えるはずもない。



「ちなみに僕はどっちの市場で働けばいいんですか?」


僕の声のトーンはさっきと打って変わってドーーーンと下がって重低音。



「魚の市場だね」


「へっへえええ」


木田さんは、僕の顔を見て


「・・・・大丈夫かタケオ?なんか顔色悪いぞ・・・」


「あははは、いやいやいや・・・大丈夫ですよ。・・・・大丈夫だと思います~」



「まあまあそんなに心配はいらないから。タケオなら大丈夫でしょう。あははは」


木田さんは、そう言い残して笑いながら帰っていったのだった。


『本当に大丈夫かな・・・』

心配になる僕。


そして、その日の夜のこと。


「へえ~市場でバイトね~。」


談話室では僕の話が話題となっていた。


「そうなんですよ。普通、市場でバイトなんてできないからいい経験になると思うんです」


僕は自分の心配を、ポジティブにポジティブに変えていこうと考えるようにしていた。


しかし、その後、先輩や同期からでてくる言葉は、


「なんかやばそう」

とか

「魚くっせーんじゃないの?」
とか

「俺ならそんな体力勝負のバイトしないな。」



「木田さんが持ってくるバイトって怪しんじゃないの?」


とか

「やっべーよ。絶対それ!」



「でもまかない付で1万は大きいだろう」


「いやそれだけ、厳しい仕事ってことだぜ・・」


「あっそうだよな」

など、全く僕のフォローになりゃあしない意見や感想ばかり。


それどころか僕の心配を増大させるという最悪なものだった。


『てめーら、少しはフォローしろよ。このヤロー』

と僕は思ったものの、彼らの率直な意見や感想も分かるような気がした。


なぜなら、確かに市場のバイトを周りの誰もがやったことないし、

全くもってテレビでの内容でしか予想もできない職種でもある事からも、フォローしようがないのだ。

まあたぶん、僕のフォローをしようなんて奴はここにはたぶんいなかっただろうけど・・・。



そして2日後の午後のこと。


僕の携帯が鳴った。


トゥルルルルーートゥルルルルーー


ピッ


「もしもし、あっ木田さんですか?

えっもう下にいる??

あっじゃあすぐ下行きます。」


そして僕は、すぐに準備をし、木田さんの待っているすぐ下の駐車場へ駆け下りた。


「お待たせしました。」


「おう!タケオ!」


木田さんがあの峠を走る自慢の車の前で待っている。


「今日はよろしくお願いします。」

と僕。


「おう!よろしくな。それじゃあ早速だけど、乗って乗って」


「ハイっ!失礼します」


僕は木田さんのあの車に乗った。


そして僕はあのシートベルトに目をやる。


やっぱり、木田さんの車のシートベルトはあの学舎旅行で見たときのレース仕様。


僕はレース仕様のシートベルトは初めてだったので戸惑いを覚えつつも、なんとか着用することができた。


そして僕は木田さんに連れられて築地へと向かう事に・・・。



僕はその道中、市場の話を事前に聞くいい機会と思って、木田さんにいくつか聞いてみた。


「えっと木田さんってなんでその市場の人とは、知り合いなんですか?」


「あ~、それはうちのおじさんが商売してて、その関係なんだよ。

俺もたまにその仕事を手伝ったりするから、それで知り合いになったんだ」


「へええ、そうなんですか~。ちなみに市場の仕事ってどんなことするんですか?」


「うーん。どんな事するのかな~。魚を運んだり、販売したりするんだと思うんだけどね。

前に午前中、行ったことあるんだけど、かなり忙しくって大変みたいだったよ!」


『・・・だったよ!って。。。。


なんかとっても第三者的な発言のような・・・』

僕は、そう感じたので


「えっ!?木田さんって市場で働いたことあるんじゃないんですか?」

率直にそこんところを聞いてみた。



すると、木田さん、


「いや、ないよ。全然」

とキッパリ。

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『ねーのかよ!!

働いたこと全然ねーのかよ』


僕の心配はこの発言と木田さんのこれまでの背景を考えると、風船のように大きくなっていった。



「今2時か~、もう大丈夫だろう~」

木田さんは運転しながら、車の時計に目をやり、やけに時間を気にしている。


「なんでさっきからそんなに時間を気にしてるんですか?」

と、僕が聞く。



「いやーさっきも言ったように、時間帯によっては話が出来ないくらいに忙しくなるんだよ。

だから時間がとれないとタケオを紹介できないだろう?

一応、彼とは午後2時に約束したから、ちゃんと2時にいかないと時間が取れないときがあるんだよ。」


「へええ、そんなに忙しいですか?」

僕は平静を装ってこう質問していたものの、内心は冷や汗ものだった。


しかし木田さんは

「ああ、やばいと思うよ」


と、会話の中で言ってはいけない僕にとっての禁句(タブー)を連発しまくり。



『やばいって、、、、おめえ・・・・。


おめえがこの前、大丈夫って言ってたじゃん!

おめえがこの前、大丈夫って言ってたんじゃねーかよ!!』


僕は、そのせいで風船と化した心配事があと少しで割れそうなところまで・・・。


そして・・・・・パ~ン!!!



割れた。




僕は、この瞬間から


『ああなんか帰りたいよ。』


という思うように。



けれども、車は僕の意思に反して順調に進んでいき、


そして遂に、


「よし、着いたぞ!タケオ」


僕達は、とうとう築地市場という大変なところに着いてしまったのだった。


『あーあ着いちゃったんだ・・・』

僕はそう思いながら、前を見る。

すると

「おおおおおーーーーこれが、、、築地・・・」



姉さん、これは大事件です。





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第80話:築地市場にみせられて

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築地市場

・・・東京都中央区築地にある公設の卸売市場で、日本最大の魚市場でもある。

東京都内に11ヵ所ある東京都中央卸売市場のひとつだが、

規模の大きさと知名度の高さで東京のみならず日本を代表する卸売市場である。
(出典:ウィキペディアより)


「ここがあの有名な築地市場か~」

僕の目の前には

大きく

【築地市場】

と書かれた看板があった。


しかし、僕が初めて見た市場は、

すでに午後2時を回っていたこともあり、

テレビで見るようなごったかえすほどの活気溢れてはおらず、

どっちかというと今日は終わりの雰囲気をかもし出していたのだった。



けれども僕の最初の市場の印象は

デカイ!馬鹿でかい!とにかくデカイということ。



僕らは、市場の所定の場所で車を降り、市場の中へと歩き出す。


そして僕は木田さんのあとをテクテクとついていった。


この築地市場・・・大まかに言うと、鮮魚と青果に市場が分かれている。


僕は魚を扱う市場の方へ足を踏み入れた。


とにかくどでかい屋根が市場全体を覆っており、様々な魚屋が軒を連ねている。


テレビでよく中継されるこの築地市場。


でも、その中継の多くは築地市場の外にある【場外市場】の事で、これから僕がバイトすることになりそうな市場は、通称【場内】と呼ばれているところだ。

ちなみに場外市場はどちらかというと、一般人が利用するところで、

場内市場はというと、すし屋や居酒屋などの専門店の人たちが目利きする市場だと言える。


この築地市場には、

『どれくらい店があるんだろうか??』

と思うほどに、店がめちゃくちゃいっぱいある。


僕はその店が多いのと、市場自体が入り組んでいる小道から出来ていることもあり、すぐに自分が今どこにいるのかわからなくなってしまった。


つまり、今の僕にとってただただ木田さんだけが頼りなのだ。


僕らが通り過ぎていく店の光景はというと、店頭の魚はすでに片付けられており、ある人はホースをつかってステンレス製の大きな皿や箱を洗ったり、ある人はデッキブラシを使って床を磨いていた。


その中で僕が一番驚いたのは、発泡スチロールの空箱の数。


空箱はいたるところで積み上げられており、その高さは僕の背丈をいうに越していた。


これらの築地市場の内部は、ぼくにとってすべてが新鮮そのものだった。


「うおお!おお!」

僕はすべてに驚き、そして感動。


そしてキョロキョロしながら先に進んでいく。


そんなとき

「そこどいて~」

後ろから声が聞こえた。


僕が後ろを振り返ると、


なんとそこには見た事もない車両が、僕の後ろにくっついていたのだ。

「あっ!すいません」


僕はすぐに横にどく。


すると、ドドドドド~

その車両は僕のすぐ横を通り過ぎていった。

「こんな小道も通るのかよ・・・」

と独り言をいう僕。


「そうなんだよ。あれが市場で活躍する通称ターレーっていう小型特殊車両なんだ。

pic070417001.jpg








あれがあれば小道もすいすいといけるからね。

だからタラタラ歩いていると今みたいに言われちゃうんだよ」

木田さんが僕の独り言に答えてくれた。


僕は木田さんにそう言われた後、また同じことがないよう、金魚のフンのように、木田さんのすぐ後ろにくっつきまくった。


それからまた木田さんと共に小道をスルスルと通っていく。



『これ今度来る時、絶対迷うわ~』


と、僕がしみじみ心配をしていると、


「お待たせしました~」

木田さんがとある魚屋にとまった。


そして

「おお木田ちゃん!おっそいよ~」

と、店内からボールペンを右耳に挟んだ30代後半か40代前半の男性が出てくる。


「ほんのちょっとじゃないの~。」


「いやー10分も遅刻だぜ!もうあんまりにも遅いから、俺ら帰るところだったぜ~あはは」

男性はそう言いながら笑っていた。


それに対して木田さんは

「勘弁してよ。アルバイトの子連れてきたんだからさ~」

と頭をかく。


「あははは!冗談だよ。冗談。

で、そこにいるのがアルバイトの子かい?」

魚屋の男性が僕の方を見てこう言った。


「あっ!そうそう、俺が舎監をしている寮の一年生のタケタケオっていうんだ。」

木田さんが男性に僕を紹介する。


「タケタケオと言います。よろしくお願いします!」

僕はそう言いながら軽く会釈。


「おう!よろしくな!

そうか~木田が舎監している寮の子ね・・・木田の事だから、無理やりここに連れてこられたんじゃないの?

それに木田が舎監をしているんならこりゃあ大変だ!

その寮、木田に振り回されてばっかりいるじゃねーか??」

この男性・・・冗談をいいながらも

『この人、結構なやり手だ!』

と正直、僕は思った。



すると、横から木田さんが

「なにを言ってるんだよ~。まったくそんなこと無いよ」

と軽くつっかかる。


「いや~そんな事あるよ。なっ?」

男性が僕にふってきた。


僕は、

「どうでしょう~。あははは」

と、得意の愛想笑いをする一方、心では、


『おっしゃる通り。その通りです。

ずばりその通りなんです!さすがよくわかっていらっしゃる』

と叫んでいたのだった。


「まあ、それはそうといつからバイトできる?まこっちゃん」

と、木田さん。


「いつでもいいよ!別に明日からだっていいし。」


「そっか~・・・。

ということなんだけど、タケオ、どうする?

いつからやりたい?」

木田さんが僕の方を振り返りこう聞いてきた。


「えっ!いや~やれるのなら早ければ早いほうが・・・」


「あっそう!それなら明日から来てもらおうかな~」


「えっ本当ですか?じゃあ明日からきます。よろしくお願いします。」


「おう!あっそれからもう一度名前聞いていい?」


「あっハイ!タケタケオと言います。」


「おっタケオね。俺は川村真。だからまことさんって読んでくれていいよ。

それに向こうにいるのが、一応俺の両親で兼ここの社長になるんだ!」

真さんが店の奥を指差した。


僕はその真さんの指差した方に目をやる。

すると、店の奥に小さな受付のような部屋があり、その部屋にはふたりの老夫婦が座っていた。


「あっよろしくお願いします。」

僕はその老夫婦にも軽く会釈。


「それから、今いないんだけど、安さんっていうおじさんと勝則っていう若いお兄さん、それに俺の伯父さん、あと弟の鉄いうのがここで働いてるから。」

真さんが、店の詳細な説明を続けてくれている。


「あっそうなんですか。へええ」


「築地は初めてかい?」


「あっはい!」


「そうかそうか。それならここの場所、わけわからなくなっちゃっただろう?」


「あっそうなんですよ。どう帰っていいかわかりません。」


「あははは!まあ、大丈夫だよ。

そのうち道も覚えるだろうし、それに仕事の方も別に今は何も心配しなくていいからね。

わかんない事あったら聞いてくれていいから」


この真さんという人物、今日初めて会ったのに、とても僕にフレンドリーだ。


そして、まだ会ってすぐだけど笑顔の絶えない性格の明るい人だと言う事が僕には充分伝わってきた。


僕は、この真さんの笑顔と冗談と根の明るさによって、

さっきまで心配で心配でたまらなかった気持ちが、いつの間にか消えていることに気付く。


そして逆に、

『ここでバイトしていいかも』

僕は真さんと話しているとそんな気さえしてきたのだ。


「それじゃあ木田さん!ここでバイトさせてもらいます。」


「おう!了解。頑張ってな」


「はい!」


僕はこのとき初めて木田さんに心から感謝したのだった。



「あっところで・・すいません。バイトのことでなんですけど」

僕は、真さんに質問する。


「おう、どうした?」


「えっと木田さんからは日給1万円と聞いたんですが~・・・」


「おう!そうだよ。それでいいだよね?あと朝に弁当もつくから。」


「あっはい!」

僕は、木田さんの言っていた事がちゃんと合っていたので一安心。


すると真さん、

「えっと、もっとほしいかった?一応それ相応に対処していると思っているんだけどね・・賃上げは難しいな~」

と冗談ぽく、僕をからかう。


「いえいえ、そんなことは・・・・ただ確認したかっただけですから、あははは。」

僕は、両手を振って否定する。

そしてお互いに笑い合ったのだった。


こんな感じで、場の雰囲気が良くなってきたところで僕はもうひとつ気にかけていた質問することに。

「えっとそれから交通費って別でもらえるんでしょうか?」


「えっ交通費??

えっとねー。一応、交通費合わせて日給一万円って考えていたんだよ。

それでいいかな?」


「あっわかりました」

と言う事で、別途交通費の支給はない事はわかった僕なのだが・・・

次の瞬間、真さんがとても気になるひと言をさらりというのだった。


「あっとそれにここは交通費も何も、たぶんタケオがくる時間には電車ないと思うよ」

と。


「えっ?」


僕は、目を丸くする。



「だって朝2時半から仕事なんだから」


「はああ、そうですか~。

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・そうですかって、えっ!うえええええええ~」



【寝耳に水】状態の僕・・・・。


『そうだった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここって市場だったんだ。』




姉さん・・・ピンチです





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