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第73話:偽りの友情を知ってしまった僕

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結局、若井さんの食事会で、


僕がゲットしたのは


●籐●作文学写真集



●籐●作のいくつかの文庫本小説だけ。


しかもこれはいただいたのではなく、借り物なのだ。


借り物ということは


いつか返さなくてならない。


いつか返すという事は・・・



つまり、また若井さん宅にいくか郵送しなくちゃいけない。



そして若井さん宅にいくか郵送するということは、


お金がかかる。



僕はこの借りた写真集と文庫本を見て思った。




『興味のないものは借りるべきじゃないな。これから借りないでおこう』

と。



こんな感じで、食事会で彼女をゲットできないばかりか、お金のかかる手土産までも持って帰ってきてしまったとんでもなくかわいそうな僕。


「はああ・・・・」


なんだかため息ばかりがでてしまう。


『あーあ、せっかく今度の夏は、彼女と仲良く海にでもいけるかと思ったんだけどな~。

読みがあまかったな。


ということは・・・・・・・・


やっぱり従来どおりパクさんとこの夏は過ごすって事か。トホホホホ』


僕は2度、恋愛勝負に負け、3度目の正直と言う事で希望を持って望んだ食事会だったはずなのだが、これまた負けてしまった。


しかも今度は、

大食い

寝屁をする臭い奴

という最悪なレッテルを貼られての敗北。


男にとってこれほどのショックはない。


しかし、僕はかろうじて立っていた。


とりあえず、男同士だけど、パクさんと列車の旅にいく夏の計画を僕は任されているから・・・。



僕はこの7月、前期の最後の週に行なわれるテスト勉強とレポート書き、パクさんと行く列車の旅の計画で、時間をすべて割いた。


『パクさんとどこ行こうかな。京都に寄ろうかな?いや奈良に行こうかな?』

という感じで。


大学生の7月なんてものは、前期のテストとレポート書きでほとんどの時間が費やされ、

あっという間に時が経ってしまうものだ。


そして長い長い夏休みが始まる。


ちなみにJ大学は一番早い学部で7月の中旬から休みとなり、それが9月いっぱいまで続く。

ということは、約2ヶ月も休みがあるという事になる。


大学生の夏はとても長い。


だから大学生の夏の過ごし方は後の人生に左右したりするとよく言われるのだ。



そして僕にとっての人生を左右する夏のイベントは、パクさんとの列車の旅であり、キャンプでもあるはずだった・・・。


そう、僕の夏休みも計画通りにいくはずだったんだ・・・。




「えっ?夏キャンって自腹なんですか?」


僕は目を大きく見開きながらこう質問した。



「そうなんだよ。ごめんな~。俺、タケオにいうの忘れててさあ」

舎監の木田さんが頭をかきながらこう答える。


どうやら木田さんが僕に紹介したあの夏キャンは自腹を切るキャンプだったらしいのだ。


しかし、僕は寮の上級生からこの夏キャンは自腹を切る事はないと聞いていたし、彼女もゲットできると釣られたから夏キャンに参加したようなものだった。


「で、いくらぐらいかかるんですか?」

僕は木田さんに率直に聞いた。


「えーーとまあ2万くらいかな~・・・」


木田さんは天井を見上げながらこう言った。



「無理です。」

僕は即答だった。



「無理ですよ。木田さん。

俺は実家の負担を考えて、仕送りもやめてるんですよ。

夏、アルバイトするならまだしも、2万の支出は、俺にとってかなり痛いですよ。」



「そっか、それは残念だなー。

でも今回については俺もお金の事を言わなかったし、俺の責任でもあるしな。

俺もこれまでのタケオの食生活みたら2万円がタケオにとっても大金だというのはわかるよ。

毎回、野菜だけの野菜炒めだし・・・・今回は別にキャンセルしても構わないよ」

木田さんは、めずらしく僕に同情的だった。



『野菜だけの野菜炒めって・・・・強調しなくても』

と思いつつ、しかし木田さんの言うとおりなので反論はできなかった。




そして、僕は予定されていた夏の計画ひとつを失ってしまうことに。



それから・・・・、、、



「パクさん!やっとできましたよ!!

えっと、京都に行ったり、広島にも行こうと思うんですけど・・・どう思います?

色々盛りだくさんだとは思ったんですけど、俺、結構、計画表作りがんばりましたよ!」


僕は我ながらの力作の旅行計画書を自慢げに見せ、パクさんに話したのだった。


すると、


「タケオ~」




「どうしたんですか。パクさん!浮かない顔をして」




「えっと・・・いいにくんだけど・・・」




「なんですか?パクさんまたまた辛気臭い顔して・・」



「実は・・・・・」



「どうしたんですか?」




「行けなくなったの」




「えっ何がですか?」




「旅行」



「えっ旅行って・・・」



「その・・一緒に行くと言ってたやつ」



「へええ??」



僕はあまりの事に耳を疑ってしまった。




「えっなんで??」



僕の頭は今真っ白だ。



「やっぱりバイトしないといけなくなっちゃったから・・・」


パクさんはこう答える。




「えっマジで??それ最悪ですよ。裏切りですよ。パクさん」


僕は、なんて言っていいかわからない。



「しょうがないでしょ。」


パクさんはそっけなく答えを返してくる。



「しょうがない・・・・って。。もうダメなんですか?」


僕は聞いた。



すると、

「ダメだっていってるでしょ!!」


バタン


彼はこういうと自分の部屋のドアを閉めたのだった。


・・・・・・・・・・・


僕はあまりの出来事に、状況を整理するのに時間がかかってしまい・・・・声が全く出ない。



そしてしばらくしてから


「おい!パクさん!ふざけんじゃねーよ。ちょっと~」

と、僕は、ドア越しにこう言い放った。



だんだん僕も怒りがこみ上げてきて、自分の部屋のドアを思いっきり叩き閉めた。


バタンンンンンーーー!!!



僕はそれから頭を抱えながら、自分のベッドに横たわり、


『あー終わっちゃった・・・』





それから何時間経ったのだろう。


僕はボーーーっと何時間も何時間も、一点のみを見つめながら、



『俺って友達いないなーーー。

結局、パクさんとは一体・・・・これまで一体なんだったんだろう』


考え込んでしまう。




僕にとって、この時は、友情や友達の定義がわからなくなった瞬間だったのだ。



しかしこれだけはわかった。


『友情の優越感・競争意識からは友達も友情も生まれないんだな』と。





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