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第77話:くら替え

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大学の授業はすべて終わり、今日から試験期間に入った。



「それではこれから試験用紙を配ります。


・・・・それでは始め」


パラッ


紙がめくられる音がする。


僕は試験に目を通した。

『えっ何これ?俺のやっていたところが・・・・ないじゃん』


僕の周囲では、

カタカタカタカタっと

シャーペンを動かす音がする。



カタカタカタカタ


カタカタカタカタ


しかし、僕のシャーペンは全く動かず。

けれども周囲は


カタカタカタカタ

カタカタカタカタ



こんなときの周りのカタカタ音ほどウザイものはない。


僕のある試験はこうやって終わっていった。


そう、僕の単位もこうやって終わっていった・・・。


でも唯一の救いがレポート。


レポートの方は難なくクリア。


「色々大変だったけど、明日で試験も終わりか~!」


僕は談話室でいつものように独り言。


「試験が終わったら、もう夏休みだー。バイトどうしようかな~」



「おっタケオ!なんかバイトするの?」


僕の独り言に、同じく談話室で新聞を読んでいた山田さんが関心を示す。


「いやー。免許を取ろうと思って」


「免許って車の?」


「そうですよ」



「それならバイクの免許も取っとけよ」


「えっバイクですか?」


「そう。バイクだよ、バイク。

バイクはいいぞー」



「う~ん。でも車と一緒にバイクの免許取ると料金高くなりますよね」



「それなら合宿免許で取っちゃえよ。」



「えっ?

合宿ってどれくらいの期間で取れるんですか」



「うーん、最短で2週間ちょっとくらいかな」


「2週間か~。でも俺実家にも戻るしその時取る予定だからな~。」


そう、僕はとりあえず車の免許を貯めるべく夏休みはバイトをしまくり、そしてその溜まったお金を持って鹿児島の実家に帰ろうと思っていたのだ。


「俺は、今はスクーター乗ってるけど、以前は750cc乗ってたんだぜ。

だからよくわかるんだが、バイクはめちゃくちゃ気持ちいい!

ツーリングとか最高だぜ。マジで。それにバイク乗れたらかっこいいぜ~。」

と山田さん。


「そう言われてみれば、俺も、高校時代、バイク乗ってみたいと思ったときもありましたよ。

そーねーー。バイクねー。」

漠然とバイクを想像する僕。



「でもよく考えたら、約一ヶ月間バイトやりまくっても20万いかないから、その事も考えると車の免許よりバイクの免許の方がいいかもしれないな~。」



「そうだよ。車は東京ではほとんど乗れないぜ。それに比べてバイクは足になるし」



「そっか~。でも車ならデートできるし・・・」

僕は先日の相川さんとの話を思い出す。


すると、

「おっまえ!ばっかだな~。バイクほどいいものはないんだぜ!!」

と、バイクの事を熱く語りだす山田さん。


山田さんは、バイクのエンジン音で、どのバイクかわかってしまうほどバイク好きで、しかも今はスクーターなのにバイク雑誌を毎月買うほどのバイクマニア。


だから山田さんはバイクの利点をありとあらゆる方向から僕に紹介していったのである。


その紹介方法は、どこかの高い声を響かせて商品を紹介する●田社長のテレビショッピングのような感じだった。


「さあ、皆さん今日はすごいですよ~。今日紹介するのはこちら!

このバイクの免許でございます。

このバイクの免許、なんと皆さん!

ツーリングもできて、東京では車と違ってちゃんと足になるこのバイクの免許を紹介しようという・・・。

これからはバイクの時代ですよ~。

あなたのあなたのですねー東京の過ごし方が代わってきます!

見て下さい、皆さん。

この密着度!

バイクは車なんかと違って運転手と後ろに座る人の密着度がすごい!

車なんか比べ物になりません!!


どんなにバイクの後ろに席に座る人が運転手と距離を取ったとしても!!!!

ブレーキひとつで!

密着せざるを得ないんでございますよ~。

これほどデートにいいアイテムはございません。

しかも今回は、それだけではありませんよ。皆さん!

料金だって車の免許より断然安い!

あなたの一ヶ月のアルバイトですべてまかなえちゃうんです!

このバイクの免許!

東京での足となり、ツーリングもでき、密着もできちゃう。

そしてしかも料金も安い!!

どうです、皆さんこの4点セット。

もちろん金利手数料はジャ●ネット●田が負担いたしますよ~」

てな感じで・・・。



それを聞いて

「おおお!そんなに密着度があるなんてなんと素晴らしい!!俺、絶対バイクにしよう!」

と、テレビショッピングを見てすぐ電話してしまう客のように、車の免許からバイクの免許にすんなり、くら替えした僕。


しかも僕と同じように談話室にいた相川さんもこれには納得の表情。



世の中そんな甘くないし・・・しかもバイクに乗せる女性すら今・・・・いないじゃん。


なーんて事は、考えない、考えない僕なのでした。





『じゃあとりあえず、8月はバイトしまくって9月に実家に戻って免許とろうかな』

僕は夏休みの計画を立て直した。



しかし、そんな僕でもひとつ気がかりが・・・・。


それは、



・・・・実家の両親。


そう、僕は一度だけ高校に通いだしたとき

原付バイクの免許を取りたいと両親に言い出した事がある。


しかし、その時は当然、

「高校生の運転はあぶないからダメっ」

と、許してはもらえなかった。


ちなみに教習所では未成年者や学生が入所する場合、必ず保護者の同意が必要となる。


だから両親がもし、バイクの免許を取ることに反対でもしたら、勿論、バイクの免許は取れないし、夏休みの計画だってパーとなってしまう。



このため、実家の両親がバイクの免許を取ることに今はどう考えているのかというのが、僕にとっては相当気がかりな事だったのだ。


「あのときは断固反対されたからな~。大丈夫かな~。うーーん」




そして次の日。


僕にとっての大学の試験は今日で終わり、そしてレポート提出も完了した。


「明日から俺にとっての夏休み!よし!電話しよう」


僕は決心を固め、後期になるまで来る事のない大学を見つめつつ、携帯をポケットから取り出し、実家に電話したのだった。





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