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第78話:変わっている2人と似ている2人

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トゥルルルルーートゥルルルルーー。ガチャ



「もしもし、あー母ちゃん。タケオだけど・・・・」


「あータケオ?元気してるの?」

電話口に出たのは母だった。


「まあね。今日で大学も終わりだよ。」


「ふーん。それで試験はどうだったの・・・」


「まあまあじゃない?まあよくわかんね~けど・・・」


「何よ、それ。ちゃんと勉強してから臨んだの?」


「まあボチボチ」


「そんな事言って!あなたの事だから勉強していかなかったんでしょ。それじゃあダメじゃない!」


「いいの!うるさいよ。前期ダメなら、後期頑張ればいいんだよ!」


「何よ、それ。 

まあいいわ。

それでタケオは、いつこっちに帰ってくるの?」


「うんとねー。たぶん9月ぐらい。俺8月中はバイトしまくるからさ~」


「何のバイト?」


「まだ決めてない。これから決める予定」


「早く決めないと、だらだらしてたらバイトなくなっちゃうわよ」


「んなことないよ。こっちは鹿児島と違ってバイトもいっぱいあるし・・・」


「まあ、そうね。」


「ああ、それから今日電話したのは、9月に免許を取ろうと思って。」


「免許って車の免許?」


「いや・・・バイクの免許」


「えーバイクの免許?」


「いいじゃん!別に」


「あぶないじゃない!バイクなんか。」


「大丈夫だよ。もう大学生なんだし。」


「そうは言ってもね~・・・。

お父さん!
お父さん!タケオから電話よ~」


母が電話口から親父を呼んでいるようだった。



そして、親父と母の声が受話器から聞こえてきた。



「なに??タケオから?」



「そう。タケオがバイクの免許取りたいんだって」


「バイク??」


ググググガチャ。


「もしもし」


親父が電話に出た。


「あー親父?俺、バイクの免許取るから」


「こっちに帰ってきて免許取るのか?」


「そう、こっちでバイトしまくって免許代、貯めて帰るわ~。

車の免許は料金が高いし、バイクの方が安いし。

それに東京では車の運転なんかできないから免許とっても使わないし。

バイクなら車と違って足になるからさっ!

バイクの免許取るわ~」


僕は親父にガンガン言われる前に、マシンガンの如くバイクの利点を早口でこう言いまくった。


「それに前、原付免許取りたいって言ったときも高校生だからダメだって言ったじゃん。

でも俺、もう大学生になったんだから、変な運転もしないから問題ないでしょ」


僕は【しゃべられる前にしゃべれ!】という感じで、言うべき事はすべていい尽くしたのだった。



これに対して親父は、


「こっちは何もいってないだろう」

とひと言。


「バイク乗ってもいいじゃん。」


僕は『絶対反対される』と思ったので、あえて強気の態度で押してみた。


それから・・・しばしの沈黙。



僕は、この沈黙に

『あーあ、またこりゃあ親父、反対するぞ』


と感じた。



そんなとき


「まーいいんじゃないか」


親父は予想だにしなかった言葉を口にする。


『あれっ?』


僕はあまりに親父の言葉が、僕の予想とかけ離れていたので

電話だったけど、吉本新喜劇のようにずっこけそうになった。



「車の免許じゃなくて、バイクの免許にしようとするタケオの判断はいいんじゃないか?

俺もまだお前は車の運転はしないほうがいいと思う。」


『車の運転はしないほうがいい??』


僕は、親父のこの発言にちょっと引っ掛かるものを感じたので



「なんで?」



と、親父に質問。



すると、親父は


「だってタケオはすぐ調子に乗るタイプだろ?



周りにあおられると、すーぐ有頂天になるから、タケオが車の運転なんかしたら大変だぞ。」



僕はこの親父の言葉に


「えーーうっう~」

としか言えず、反論できず。


だって車からバイクにすらりとくら替えした僕にとって


・・・・・この親父の発言には反論できるはずもない。


しかも、女性とのデートの密着度という下心でくら替えしたのだから
、なんとなく心が痛い。



だからなお更、何も言えない。


ということで、僕は先ほどのマシンガントークから一転、黙々と僕は親父の持論を聞くことに・・・


その持論の中で親父は、

「・・・・もしタケオの車の運転で、人でも引いて殺しちゃったりなんかしたら大変だぞ。

自分の人生ならまだしも、他人の人生を奪うんだから。

それに比べてバイクなら、いくらお前が有頂天になって運転を誤っても最悪、

自分が怪我するか、命を落とす事になるだけで他人を犠牲にしなくて済むじゃないか。

タケオはまだ他人の命を背負うほどの責任をとれる年齢じゃない!」


と、キッパリ!


「えっ??」


僕はとっさに声を出してしまった。



多分、これを聞いた大部分の人は・・・・・・・・なんて親だ!と思うかもしれない。



なぜなら

どんな悪い事、事故を起こしたとしても

「他人の子なんかどうでもいいわ。大事なのはわが子よ!!!」

ていうのが、普通のはず。


それなのに親父は


【車で加害者なるならバイクで被害者になれ】


・・・・・・・


こんな親、あまりいない。


まあひと言で言えば、

親父は変わり者???かもしれない。


それを裏付ける伝説を僕の親父はいくつか持っていた。


その一つに、親父は若い頃、牧師にも関わらずパンチパーマをかけていたという伝説。


その当時、親父は髪の毛を洗うことが面倒臭さかったらしく、どうしたら手っ取り早く髪の毛を洗うことができるかを常に考えていたらしい。


そしたら、ある時期、世間でパンチパーマが流行ったときがあった。


親父はその流行を即座にキャッチし、パンチは髪の毛の手入れも簡単という事もあり、

これを一石二鳥と考えた親父はすぐにパンチをあてる事にしたのだ。


そう、パンチパーマのかかった自分をイメージもしないで。


「想像してみて下さい。ほらっ!パンチパーマのかかった自分の姿を」

って、誰もが思うだろう普通・・・と、

僕はこれを聞いて、思い続けていたのだが。。。



そして案の定、パンチをあてたあとの姿はというと、


どこから見ても



ヤーさんそのもの。



誰もがその姿を見たとき、親父の事を牧師とは全く思わなかったらしい。


しかも親父はヒゲを生やしてサングラスをかけていた事から、

【やくざの幹部みたいでホント!嫌だった、特にひげなのよ、気持ち悪かったのは~】

とのちに、母は証言している。



母はこの親父の姿が、本当に嫌で嫌でたまらなかったらしく、

一緒に買物に行くときも、他人のふりをするため、


親父から5mは離れて、歩いていたほどだったというのだ。


こういう事からも親父の変わりぶりはお分かりになるだろう。



ちなみに今はそのひげは母によって強制削除。


やはり【母はツヨシ】と言うべきか。

それとも、

絶えられなかったであろう親父のヒゲの姿に


20年以上耐えて来た、【母の忍耐の姿に乾杯】と言うべきか。



ともあれ、話を元に戻すと、


まあ子どもも、親から

「車で加害者なるならバイクで被害者になれ」

なんて事を言われた日にゃー、


普通子どもは

「そんな事を言わないでよ!僕の方がどんなことがあっても大事でしょ」

とピュアな心が傷つくはず。


しかし僕はと言うと・・・・・


「おっお~!そうだ。親父の言うとおりだ」

と僕は親父の言葉に納得しまくりだった。


勿論、一瞬だけ僕もこの言葉に耳を疑ったけれど、

これまでの

車の免許=彼女とデート


バイクの免許=デート&密着度 まあついでにツーリングぐらい


というバイクの免許を取るまでの経緯を考えると、


責任とれないよ俺・・・。


とれない。

とれない。

とれるはずがない。


親父の発言が理にかなっている事を僕は発見した。


それに、今考えるとあの親父の言葉は、自分の息子を加害者にさせたくないという逆説的な意味で、ちゃんと愛情がこめられていたのだと思う。




ちなみにこのエピソードを後に聞いた相川さんと高木さんは

「2人とも変わってるね~。」


「でも、家族ってのは、やっぱり似るもんだな~」

としみじみ語っていた。



「それに、自分で教習所行くんだろ?」

親父は質問を続ける。

「もちろんだよ。8月中、働きまくるからさ~」


「じゃあいいじゃないか。やっぱり自分で働いてお金貯めてやった方がいい。

その方が責任感が生まれるからな」

と親父。


「じゃあ、バイクの免許いいんだね」

と僕。


「いいぞ!でもバイトは無理だけはするなよ」


「おうわかった。それじゃあ」


プチッ


僕は電話を切った。


「よし!これでバイクの免許の件もクリアしたし、あとはバイトだな!」


僕は、試験期間中もずっとバイト探しをしていたのだが、

なかなか割に合う&時給の高いバイトが見つけられずいたのだった。


「はああ、バイト・・・どうしよう」


僕の悩みは、バイクの免許からバイト探しへとシフトしていく・・・。



僕は、これからどうするか考えつつ学舎へと戻っていった。


ギィーーガタン

僕はいつものように玄関の防火扉を開け


「ただいまです~」

と言いながらいつものように靴を脱ぎ、スリッパに履き替え、相川さんのいる談話室へ入っていった。


「お帰り~!」

そして今日もいつものように返事が返ってきた。



『アレ?返事は返ってきたけど、声が違うよ~な・・・』


僕はそう思いながら談話室に入っていくと、


「おおタケオか~!いいところに帰ってきたな~!」


そう、そこにいたのは、いつもの相川さんではなく、舎監の木田さんがそこには立っていたのだった。


そして、


「突然で悪いんだが、、、、タケオ!

お前、アルバイトする気ない?」

と木田さん。



「えっ?」


僕は目を丸くした。


これってもしや、渡りに船では・・・・。





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