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第79話:こんなアルバイトって・・・

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「突然で悪いんだが、、、、タケオ!

お前、アルバイトする気ない?」


「えっ?」

僕はあまりの突然の事で反応ができない。


「いや~俺の友達で男手が必要らしくてさ~。

誰かいいバイトがいないか?って頼まれたんだよ。

そんなとき、タケオの野菜炒めの事を思い出して丁度いいじゃないかと思ってね」


「はあ~あはははは」


『野菜炒めでかよ・・』

アルバイトの件で、すぐ僕を思い出してくれたのは嬉しかったものの、なんとなく素直に喜べない。


しかし、

「それにバイト代、弾んでくれるらしいぜ!」

と言う言葉に


「ホントですか?ちなみにどれくらい??」

とすぐ食らいつく僕。


「日給で一万だって」


「ええ~まじっすか!!」



「そう、しかもまかない付らしいよ。」


「すっげー!そんないいバイトあっていいですか??俺やります!絶対やりますよ!」

僕は周りに誰もいないのに自然と1人、挙手をしていた。



「あ~っと、それからタケオは、体力に自信ある?」

木田さんが質問する。


「もっもちろんですよ!俺は格闘技やっているし、体力だけは自信があります。

なんでもやります。だから是非、そのバイト俺にやらせてください。」


僕はこの前、ちょっと走っただけで、ゼイゼイいってしまい自分に体力がない事を思い知らされたばかりだった。


しかし、バイトのためならそんな事はお構いなし。


それにホントはまだ、格闘技を始めて一ヶ月ぐらいしかたっていない・・・。

けれどもそんな事ではバイトは出来ない。


僕はそう思い、自分をアピール。



それを聞いた木田さんは

「そっか!じゃあ決まりだな。友達に連絡しておくよ」

ともちろん快諾。



「よろしくお願いします!」

僕は深々と頭を下げた。


「じゃあ、二日後、彼のところにお前を連れて行くから。それでいい?」


「ハイ。全然大丈夫です。じゃあお待ちしてます。」


「よし!それじゃあ2日後、また連絡するから」


「よろしくお願いします。」

僕は木田さんを学舎の玄関まで送っていく。


「じゃあねー」


ガタン・・・。


防火扉がしまった。



『あっ!そうだ。大事な事を聞くの忘れてた』


僕はそう思い、木田さんの後を追った。


「あっ木田さん!木田さん!待って下さい。」


「どうしたタケオ!」


「いや~あははは・・・そう言えばうっかりしちゃってて、

それにバイトできることが嬉しすぎたので、どんな内容をするのか聞いてませんでした。」


「あ~あ、そうかそうか。

えっとタケオにしてもらうバイトはね~・・・・」


「はい!」

僕は声高らかに返事。



「えっと、市場のバイト!」
と木田さん。


「えっ!いっ市場ですか?」


「そう」


僕は思いもしなかった職種なだけにリアクションが取りづらい。

「市場って、あの魚とか野菜とかの?」


「そうだよ。タケオも聞いたことない?築地市場のこと」


「えーっと、築地って言ったらあの有名な市場ですよね」


「そう、日本最大の市場さ!」


「えっまじっすか?」


「そうだよ。

築地市場だから体力にホントに自信ある奴にやってもらわないと困ると思ったんだけど、

タケオはある意味、ちょうどいいかもな」


「あははは~そうですね~」

なんか現実を突きつけられた感じで、愛想笑いするしかない僕。



けれども、今になって

「実は僕・・・体力ないんです」

とか

「僕まだ格闘技一ヶ月しかやっていないんです」


なんて泣き言・・・当然、言えるはずもない。



「ちなみに僕はどっちの市場で働けばいいんですか?」


僕の声のトーンはさっきと打って変わってドーーーンと下がって重低音。



「魚の市場だね」


「へっへえええ」


木田さんは、僕の顔を見て


「・・・・大丈夫かタケオ?なんか顔色悪いぞ・・・」


「あははは、いやいやいや・・・大丈夫ですよ。・・・・大丈夫だと思います~」



「まあまあそんなに心配はいらないから。タケオなら大丈夫でしょう。あははは」


木田さんは、そう言い残して笑いながら帰っていったのだった。


『本当に大丈夫かな・・・』

心配になる僕。


そして、その日の夜のこと。


「へえ~市場でバイトね~。」


談話室では僕の話が話題となっていた。


「そうなんですよ。普通、市場でバイトなんてできないからいい経験になると思うんです」


僕は自分の心配を、ポジティブにポジティブに変えていこうと考えるようにしていた。


しかし、その後、先輩や同期からでてくる言葉は、


「なんかやばそう」

とか

「魚くっせーんじゃないの?」
とか

「俺ならそんな体力勝負のバイトしないな。」



「木田さんが持ってくるバイトって怪しんじゃないの?」


とか

「やっべーよ。絶対それ!」



「でもまかない付で1万は大きいだろう」


「いやそれだけ、厳しい仕事ってことだぜ・・」


「あっそうだよな」

など、全く僕のフォローになりゃあしない意見や感想ばかり。


それどころか僕の心配を増大させるという最悪なものだった。


『てめーら、少しはフォローしろよ。このヤロー』

と僕は思ったものの、彼らの率直な意見や感想も分かるような気がした。


なぜなら、確かに市場のバイトを周りの誰もがやったことないし、

全くもってテレビでの内容でしか予想もできない職種でもある事からも、フォローしようがないのだ。

まあたぶん、僕のフォローをしようなんて奴はここにはたぶんいなかっただろうけど・・・。



そして2日後の午後のこと。


僕の携帯が鳴った。


トゥルルルルーートゥルルルルーー


ピッ


「もしもし、あっ木田さんですか?

えっもう下にいる??

あっじゃあすぐ下行きます。」


そして僕は、すぐに準備をし、木田さんの待っているすぐ下の駐車場へ駆け下りた。


「お待たせしました。」


「おう!タケオ!」


木田さんがあの峠を走る自慢の車の前で待っている。


「今日はよろしくお願いします。」

と僕。


「おう!よろしくな。それじゃあ早速だけど、乗って乗って」


「ハイっ!失礼します」


僕は木田さんのあの車に乗った。


そして僕はあのシートベルトに目をやる。


やっぱり、木田さんの車のシートベルトはあの学舎旅行で見たときのレース仕様。


僕はレース仕様のシートベルトは初めてだったので戸惑いを覚えつつも、なんとか着用することができた。


そして僕は木田さんに連れられて築地へと向かう事に・・・。



僕はその道中、市場の話を事前に聞くいい機会と思って、木田さんにいくつか聞いてみた。


「えっと木田さんってなんでその市場の人とは、知り合いなんですか?」


「あ~、それはうちのおじさんが商売してて、その関係なんだよ。

俺もたまにその仕事を手伝ったりするから、それで知り合いになったんだ」


「へええ、そうなんですか~。ちなみに市場の仕事ってどんなことするんですか?」


「うーん。どんな事するのかな~。魚を運んだり、販売したりするんだと思うんだけどね。

前に午前中、行ったことあるんだけど、かなり忙しくって大変みたいだったよ!」


『・・・だったよ!って。。。。


なんかとっても第三者的な発言のような・・・』

僕は、そう感じたので


「えっ!?木田さんって市場で働いたことあるんじゃないんですか?」

率直にそこんところを聞いてみた。



すると、木田さん、


「いや、ないよ。全然」

とキッパリ。

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『ねーのかよ!!

働いたこと全然ねーのかよ』


僕の心配はこの発言と木田さんのこれまでの背景を考えると、風船のように大きくなっていった。



「今2時か~、もう大丈夫だろう~」

木田さんは運転しながら、車の時計に目をやり、やけに時間を気にしている。


「なんでさっきからそんなに時間を気にしてるんですか?」

と、僕が聞く。



「いやーさっきも言ったように、時間帯によっては話が出来ないくらいに忙しくなるんだよ。

だから時間がとれないとタケオを紹介できないだろう?

一応、彼とは午後2時に約束したから、ちゃんと2時にいかないと時間が取れないときがあるんだよ。」


「へええ、そんなに忙しいですか?」

僕は平静を装ってこう質問していたものの、内心は冷や汗ものだった。


しかし木田さんは

「ああ、やばいと思うよ」


と、会話の中で言ってはいけない僕にとっての禁句(タブー)を連発しまくり。



『やばいって、、、、おめえ・・・・。


おめえがこの前、大丈夫って言ってたじゃん!

おめえがこの前、大丈夫って言ってたんじゃねーかよ!!』


僕は、そのせいで風船と化した心配事があと少しで割れそうなところまで・・・。


そして・・・・・パ~ン!!!



割れた。




僕は、この瞬間から


『ああなんか帰りたいよ。』


という思うように。



けれども、車は僕の意思に反して順調に進んでいき、


そして遂に、


「よし、着いたぞ!タケオ」


僕達は、とうとう築地市場という大変なところに着いてしまったのだった。


『あーあ着いちゃったんだ・・・』

僕はそう思いながら、前を見る。

すると

「おおおおおーーーーこれが、、、築地・・・」



姉さん、これは大事件です。





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