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第80話:築地市場にみせられて

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築地市場

・・・東京都中央区築地にある公設の卸売市場で、日本最大の魚市場でもある。

東京都内に11ヵ所ある東京都中央卸売市場のひとつだが、

規模の大きさと知名度の高さで東京のみならず日本を代表する卸売市場である。
(出典:ウィキペディアより)


「ここがあの有名な築地市場か~」

僕の目の前には

大きく

【築地市場】

と書かれた看板があった。


しかし、僕が初めて見た市場は、

すでに午後2時を回っていたこともあり、

テレビで見るようなごったかえすほどの活気溢れてはおらず、

どっちかというと今日は終わりの雰囲気をかもし出していたのだった。



けれども僕の最初の市場の印象は

デカイ!馬鹿でかい!とにかくデカイということ。



僕らは、市場の所定の場所で車を降り、市場の中へと歩き出す。


そして僕は木田さんのあとをテクテクとついていった。


この築地市場・・・大まかに言うと、鮮魚と青果に市場が分かれている。


僕は魚を扱う市場の方へ足を踏み入れた。


とにかくどでかい屋根が市場全体を覆っており、様々な魚屋が軒を連ねている。


テレビでよく中継されるこの築地市場。


でも、その中継の多くは築地市場の外にある【場外市場】の事で、これから僕がバイトすることになりそうな市場は、通称【場内】と呼ばれているところだ。

ちなみに場外市場はどちらかというと、一般人が利用するところで、

場内市場はというと、すし屋や居酒屋などの専門店の人たちが目利きする市場だと言える。


この築地市場には、

『どれくらい店があるんだろうか??』

と思うほどに、店がめちゃくちゃいっぱいある。


僕はその店が多いのと、市場自体が入り組んでいる小道から出来ていることもあり、すぐに自分が今どこにいるのかわからなくなってしまった。


つまり、今の僕にとってただただ木田さんだけが頼りなのだ。


僕らが通り過ぎていく店の光景はというと、店頭の魚はすでに片付けられており、ある人はホースをつかってステンレス製の大きな皿や箱を洗ったり、ある人はデッキブラシを使って床を磨いていた。


その中で僕が一番驚いたのは、発泡スチロールの空箱の数。


空箱はいたるところで積み上げられており、その高さは僕の背丈をいうに越していた。


これらの築地市場の内部は、ぼくにとってすべてが新鮮そのものだった。


「うおお!おお!」

僕はすべてに驚き、そして感動。


そしてキョロキョロしながら先に進んでいく。


そんなとき

「そこどいて~」

後ろから声が聞こえた。


僕が後ろを振り返ると、


なんとそこには見た事もない車両が、僕の後ろにくっついていたのだ。

「あっ!すいません」


僕はすぐに横にどく。


すると、ドドドドド~

その車両は僕のすぐ横を通り過ぎていった。

「こんな小道も通るのかよ・・・」

と独り言をいう僕。


「そうなんだよ。あれが市場で活躍する通称ターレーっていう小型特殊車両なんだ。

pic070417001.jpg








あれがあれば小道もすいすいといけるからね。

だからタラタラ歩いていると今みたいに言われちゃうんだよ」

木田さんが僕の独り言に答えてくれた。


僕は木田さんにそう言われた後、また同じことがないよう、金魚のフンのように、木田さんのすぐ後ろにくっつきまくった。


それからまた木田さんと共に小道をスルスルと通っていく。



『これ今度来る時、絶対迷うわ~』


と、僕がしみじみ心配をしていると、


「お待たせしました~」

木田さんがとある魚屋にとまった。


そして

「おお木田ちゃん!おっそいよ~」

と、店内からボールペンを右耳に挟んだ30代後半か40代前半の男性が出てくる。


「ほんのちょっとじゃないの~。」


「いやー10分も遅刻だぜ!もうあんまりにも遅いから、俺ら帰るところだったぜ~あはは」

男性はそう言いながら笑っていた。


それに対して木田さんは

「勘弁してよ。アルバイトの子連れてきたんだからさ~」

と頭をかく。


「あははは!冗談だよ。冗談。

で、そこにいるのがアルバイトの子かい?」

魚屋の男性が僕の方を見てこう言った。


「あっ!そうそう、俺が舎監をしている寮の一年生のタケタケオっていうんだ。」

木田さんが男性に僕を紹介する。


「タケタケオと言います。よろしくお願いします!」

僕はそう言いながら軽く会釈。


「おう!よろしくな!

そうか~木田が舎監している寮の子ね・・・木田の事だから、無理やりここに連れてこられたんじゃないの?

それに木田が舎監をしているんならこりゃあ大変だ!

その寮、木田に振り回されてばっかりいるじゃねーか??」

この男性・・・冗談をいいながらも

『この人、結構なやり手だ!』

と正直、僕は思った。



すると、横から木田さんが

「なにを言ってるんだよ~。まったくそんなこと無いよ」

と軽くつっかかる。


「いや~そんな事あるよ。なっ?」

男性が僕にふってきた。


僕は、

「どうでしょう~。あははは」

と、得意の愛想笑いをする一方、心では、


『おっしゃる通り。その通りです。

ずばりその通りなんです!さすがよくわかっていらっしゃる』

と叫んでいたのだった。


「まあ、それはそうといつからバイトできる?まこっちゃん」

と、木田さん。


「いつでもいいよ!別に明日からだっていいし。」


「そっか~・・・。

ということなんだけど、タケオ、どうする?

いつからやりたい?」

木田さんが僕の方を振り返りこう聞いてきた。


「えっ!いや~やれるのなら早ければ早いほうが・・・」


「あっそう!それなら明日から来てもらおうかな~」


「えっ本当ですか?じゃあ明日からきます。よろしくお願いします。」


「おう!あっそれからもう一度名前聞いていい?」


「あっハイ!タケタケオと言います。」


「おっタケオね。俺は川村真。だからまことさんって読んでくれていいよ。

それに向こうにいるのが、一応俺の両親で兼ここの社長になるんだ!」

真さんが店の奥を指差した。


僕はその真さんの指差した方に目をやる。

すると、店の奥に小さな受付のような部屋があり、その部屋にはふたりの老夫婦が座っていた。


「あっよろしくお願いします。」

僕はその老夫婦にも軽く会釈。


「それから、今いないんだけど、安さんっていうおじさんと勝則っていう若いお兄さん、それに俺の伯父さん、あと弟の鉄いうのがここで働いてるから。」

真さんが、店の詳細な説明を続けてくれている。


「あっそうなんですか。へええ」


「築地は初めてかい?」


「あっはい!」


「そうかそうか。それならここの場所、わけわからなくなっちゃっただろう?」


「あっそうなんですよ。どう帰っていいかわかりません。」


「あははは!まあ、大丈夫だよ。

そのうち道も覚えるだろうし、それに仕事の方も別に今は何も心配しなくていいからね。

わかんない事あったら聞いてくれていいから」


この真さんという人物、今日初めて会ったのに、とても僕にフレンドリーだ。


そして、まだ会ってすぐだけど笑顔の絶えない性格の明るい人だと言う事が僕には充分伝わってきた。


僕は、この真さんの笑顔と冗談と根の明るさによって、

さっきまで心配で心配でたまらなかった気持ちが、いつの間にか消えていることに気付く。


そして逆に、

『ここでバイトしていいかも』

僕は真さんと話しているとそんな気さえしてきたのだ。


「それじゃあ木田さん!ここでバイトさせてもらいます。」


「おう!了解。頑張ってな」


「はい!」


僕はこのとき初めて木田さんに心から感謝したのだった。



「あっところで・・すいません。バイトのことでなんですけど」

僕は、真さんに質問する。


「おう、どうした?」


「えっと木田さんからは日給1万円と聞いたんですが~・・・」


「おう!そうだよ。それでいいだよね?あと朝に弁当もつくから。」


「あっはい!」

僕は、木田さんの言っていた事がちゃんと合っていたので一安心。


すると真さん、

「えっと、もっとほしいかった?一応それ相応に対処していると思っているんだけどね・・賃上げは難しいな~」

と冗談ぽく、僕をからかう。


「いえいえ、そんなことは・・・・ただ確認したかっただけですから、あははは。」

僕は、両手を振って否定する。

そしてお互いに笑い合ったのだった。


こんな感じで、場の雰囲気が良くなってきたところで僕はもうひとつ気にかけていた質問することに。

「えっとそれから交通費って別でもらえるんでしょうか?」


「えっ交通費??

えっとねー。一応、交通費合わせて日給一万円って考えていたんだよ。

それでいいかな?」


「あっわかりました」

と言う事で、別途交通費の支給はない事はわかった僕なのだが・・・

次の瞬間、真さんがとても気になるひと言をさらりというのだった。


「あっとそれにここは交通費も何も、たぶんタケオがくる時間には電車ないと思うよ」

と。


「えっ?」


僕は、目を丸くする。



「だって朝2時半から仕事なんだから」


「はああ、そうですか~。

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・そうですかって、えっ!うえええええええ~」



【寝耳に水】状態の僕・・・・。


『そうだった・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

ここって市場だったんだ。』




姉さん・・・ピンチです





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