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第81話:なにがなんでも!

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「だって朝2時半から仕事だから」


「・・・・・・・ええええ~」

僕はこの言葉にびっくりしたものの


『あっそうだ。ここは市場だった・・・』


と思い、

「そうですよね。そうですよね」

と相手に同意すると共に、自分自身にも納得させた。



『あれ?でもまてよ・・・』


僕はある事を思い出した。


「あの~、よくテレビに出てくる市場って5時くらいから始まっているイメージがあるんですけど・・・」

そう、それはよくテレビで放映されている市場の様子だ。


しかし、真さんは

「あ~、それはお客さんがくる時間帯のことじゃない?

市場のセリ自体はもう3時から始まるんだよ。

だからその間にタケオには卸してきた魚を並べるために、

ステンレスの箱を店頭にセッティングしてほしいんだよ。だから遅くても朝3時にはきてほしいってわけ」


「あ~そうなんですか~。わっかりました。

でも、、、、当然そんな時間帯に電車走ってないからな~。どうしよう~」

僕は悩む。


そう僕が住んでいる山手学舎は高田馬場にあり、


ここは勿論、築地にある。


当然歩いて来れる距離じゃない。


「原付なんかで、くればいいんじゃない?」

真さんはそう言ってくれた。


けれども僕にはその免許がない。


「僕免許もってないんです。だからバイトしてお金貯めて、免許取ろうと思って・・・」


「ああそうなんだ。そっか~それなら2階に部屋がひとつあるから、夜11時くらいにここにきてそこで寝てもいいよ」
と真さん。


「えっ?ここに2階があるんですか?」

僕はこんなところに2階があるなんて全く考えてもしなかったので、普通に驚いてしまった。


「あるよ」

真さんはそう言うと僕を、魚屋の裏手に通してくれる。


すると、


ド~ン

木のはしごが置かれてあるではないか。



僕はその木のはしごに沿って上を見てみると、


バコーーーン


と発泡スチロールの空箱がどっさり。



「えっ?こんなところに部屋があるんですか?」


「あるよ。このはしごを上ってみな?」


僕は言われるがままに、木のはしごを上ってみる事に。


そして木のはしごの先端につくと、

下からは見えなかったのだが、

確かに、向かって右の方に南京錠のかかっている戸がある。



「えっとここの事ですか?」


僕は南京錠がかかっている戸を指差す。


「そうそう、そこだよ。空けてみな」


僕は言われた番号に合わせ、南京錠をはずした。


そして、


『こんなところに部屋があるなんて驚きだよな~。でも秘密基地みたいで面白いかも。

ここで寝れるんなら終電前に来てもいいかも』


と、のんきな事を考えつつ

バタン

戸をあけた。



「えっ!?」


僕は一瞬、目を疑った。



そして僕はあまりの部屋の広さに驚いてしまった。


『なんと!こんなところにこれだけのスペースがあるなんて・・・』


僕が目にしたそのスペースの広さはというと、



タタミ




ハン(半)畳分。



タタミ、サン(3)畳分ではない、半畳分だ。


一畳分にも満たないタタミ半畳の部屋が僕の目の前には存在した。


ある意味、こんな部屋が存在したことに僕は驚いてしまった。



まあ試しにと、僕は横になってみる。



すると、


下半身が部屋から簡単にはみだしてしまう。


しかも、はみ出した下半身は空中に宙ぶらりん。


足に血が溜まってしまいそうな勢いだ。


それに、はしごに足が当たってはしごが壊れないように、バランスをとりながら横にならなくてならない始末。


しかし、この部屋・・・・・タタミ半畳しかないのに、ちゃっかり窓がある。



僕は試しに窓をあけるため、寝返りを打つように上半身をうまく窓側の方に向け、窓を開けた。



ガタン


タタミ半畳の部屋から見えるその窓からの風景はというと・・・・


白い白い輝かしいほどの、


発泡スチロールの空箱の山々。



そしてその窓からは、すがすがしい空気が流れてくるのではなく、



まがまがしい魚臭い空気が部屋中に流れて来て、なんとも目まいがしてくる。



しかもこの部屋、


死ぬほど、あぁっつい!!


ちょっと部屋に入っただけなのに、汗がダラダラと滴り落ちる。


窓も全開で、タタミ半畳だから強制的にドアも開いているのにだ!



僕は思った。



『ここで寝たら絶対死ぬ・・・・というより干からびる』

と。



そして僕は窓と戸をしめ、はしごをスタスタと降りていった。



「どうだった?」

真さんが感想を求める。



「え~と、僕・・・・


なにが何でも自転車で来ます」



このひと言が、なにより僕の感想。



そして僕は、自転車を使って自力で高田馬場から築地市場までに行く事に決定。



しかし、この決定があとで大変な事態を起こす事になるのだが・・・・。


ともあれ、バイトに必須の条件はすべて揃った。


バイト代・バイトする日数・交通手段などなど。


「それじゃあ、明日朝2時から来ます」

僕とそう言うと真さんと別れ、木田さんの車で学舎へと帰っていったのだった。


そして今日あった事を夕方、いつものように相川さんに話をしていると、

「タケオっ!俺ひとつだけお前に言いたいことがある。」

と突然、相川さん。


「えっ?どうしたんですか?」

と僕。



「タケオはさっきの話で朝3時から仕事だって言ったけど、それは間違いだ!」

相川さんが僕の言葉に指摘する。


「えっ?なにも間違っていないですよ。バイト先の人も3時からって言ってたし・・・」

僕は相川さんに反論した。


すると相川さん、

「バイトは朝3時からじゃない。それって世間では深夜3時って言うんだよ~!」


『・・・・あっ!全くその通りだ・・』



そして、僕の朝の?深夜の?戦いの火蓋が切って落とされることとなったのだった。




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