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第85話:あの柔らかさをもう一度

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「おい早く袋!袋!」


「あっはい!今作ります。」


ガサ!ガサ!ガサ!

バサ!バサ!バサ!

「はいっ!できました。」


「よし!じゃあこれ、さっき教えた東8まで持っていって」


「わかりました~」

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

「おい!タケオ!袋!袋!」


「はい~!・・・・できました!」



「タケオ~!」

「あ~はいっ!」


「丸新まで行ってカマもらってこい!」


「えっカマ?」


「そうだよ。カマだよ。カマ!カマって言えばわかるから」


「あっはひ~」


ハー、ハー、ヒー、ヒー、


今、僕はとにかく市場中を走り回って、あるものを作りまくっている。


走りそして作りまくる。


走りに走りぃーーー

作りぃ~に作りまくる。


うおおお~体は重いし、眠いし、ふらふら~~。。。。



<僕がこんな状態になる2時間前>


ツンツン、
ツンツンっと貝に触ったり、


隣の魚屋をワクワクしながら見てた僕だったのだが、



「すいません~!兼丸さんはここですよね」


ターレーに荷物をこれでもかと載せて運転していたお兄さんが、

僕に話しかけてきた事をきっかけに・・・・市場の現実が浮き彫りに。



「あっはい!」


僕はとっさに返事をする。



「それじゃあ、荷物ここに置いときますから」


お兄さんはそう言うと、ターレーに積んでいる荷物を

バタンバタンっと

店の前においていった。


「あっ、ありがとうございました!」


僕は、さっきまでの童心はどこへやら、現実に戻り、荷物をせっせと整理し始める。


「えっと兼丸さんの荷物ここ置いときますよ」


と別のお兄さんが僕に声をかける。


「あっはい!」


「おっ!きみ新入り?」


「あっはい!今日から入りました」


「おっいいじゃない~!頑張ってな。それじゃあ」


「はい!頑張ります!」


ドドドドド

その別の兄さんもターレーにのってどこかに行ってしまった。


それからも、


「どうも、荷物ここに置いときます」


「じゃあ、これをここに置いとくから」


「これ~どこにおく?」


など、次々に荷物が運ばれてくる。


僕は続々と運び込まれる荷物をちょっとだけその中身を拝見。


すると、そこにはパチパチっと動く活きたカンパチが入っていたり、

ウニやいくら、とびっ子が敷き詰めれたものなど様々なものが入っていたのだった。



僕がそんな感じでせっせと運ばれてくる荷物を積んでいると、


「おう!おはよう!」


僕の後ろから声がした。


「あっ!おはようございます」

と僕は振り返りながら挨拶すると、メガネを掛けた中年のおじさんがそこには立っていた。


この中年のおじさん・・・・


高田純次にもうそっくり!


まあ正確に言うと、高田純次をもっと細くしたような感じで、髪はオールバック。


それにメガネは東国原知事のように斜めに掛けていた。


「今日からの新人君ね」



「あっはい。よろしくお願いします」



「おう!おう!」



『たぶんこの人が、昨日真さんの言っていた安さんって人なんだろうな~』


僕は、

「そっくりだな~」

っと、この高田純次に似た安さんを見ていると、


安さんもこちらの方を見て


「おう!ところで新人ちゃん!

まだ割ぽう着、着てないね!」



「えっしっ新人ちゃん・・・」


「そう、新人ちゃん。だって今日から入ってきただろ?」


「えっまあ~」


「だから新人ちゃん。」


「えっ!あっあの~僕の名前はタケオって言いますが・・・」



「OK!OK!わかったよ。

新人ちゃん。」


『だからタケオなんだってばーー!』


ボケ方も高田純次そっくりだった。



「裏に、割ぽう着と長靴があるから履き替えな~」


「えっ?割ぽう着と長靴?」


僕はそう思いながらも


「新人ちゃん!こっちよ。こっち」


安さんは、僕を店の裏に連れて行くのだった。



「じゃあ、これとこれに着替えて」


安さんはそういうと、裏にかけてあったビニール製の割ぽう着と長靴を僕に手渡した。


「あっありがとうございま・・・うっ!くさ~」


僕はあまりのこの割ぽう着の臭さに鼻をつまんだ。


すると、

「あっははは!新人ちゃん!いい表情だ。あははは」

と、僕の肩をたたく。


「まあこれが市場の臭さよ~。まあじきに慣れるから。あははは~」


そう言うと、安さんも僕と同じような割ぽう着を身にまとい、店の準備に取り掛かるのだった。


しかし僕はというと・・・


『うわあ~。まじかよ~』



安さんは普通に笑って、着替えていたのだが、


このにおい・・・マジで


笑えない。


『絶対これ着たら俺の体も汚染させられる』


僕はそんな危機感を感じた。



それに~この長靴、、、、


初めて学舎を見学した際、金さんが

「このスリッパどうぞ」

と、下駄箱にあるサンダルを出して、


僕の足元においたものに酷似している。


『絶対、履いたら・・・・』


僕は、あのときも履くのをためらったが、


今、僕の手にあるこの長靴を履くことにためらわずにはおられない。


『絶対、履いたら前みたいになるよ~』


僕は思った。


しかし、今の僕は現実に、マイ長靴を持ってはいない。


【もう履くっきゃない!】という選択肢しかないのも事実。


『しょうがないよ。しょうがないよ~。しょうがないんだよ~』

僕は、あのときと同じように心の中で泣きながら履いたのだった。


すると、


グニョ、グニョ~


この長靴・・・


やっぱりあの時と同じようになんだか柔らかかった。

『うわああああああああ~

やっぱり思ったとおりこの長靴やわらかいじゃん、、、、、、。

最悪だああ。

しかも今回は、なぜか底が少し濡れてるし・・。


うわあああ、これ・・前の金さんのサンダルよりパワーアップしてるよ~』


一歩、一歩、歩く毎に

グニョ、グニョ、 グニョ~

と長靴の中が、こんにゃくのように揺れていた



このときの僕の心境をひと言で表すならば


『ああ、僕、お嫁にいけない・・・』


そんな心境だろう。


僕は、臭い割ぽう着と、柔らかくそしてなぜか底が少し濡れている長靴を履いて、


そしてショックを受けつつ店頭に出て行った。




そんなとき、


「おっ!似合ってるじゃねーか!」

丁度今、帰ってきた真さんが僕の格好を見てひと言。


「おっほんとだ!いいじゃない!」

鉄さんも親指を突き出しGOODサイン。



「えっまじっすか!」


僕は、その言葉に、クサイ割ぽう着と、柔らかくそしてなぜか底が少し濡れている長靴を・・・

何のその!


すぐにクサイ割ぽう着と柔らか&濡れた長靴を克服。


まさに!お調子者の勝利!!



「それはそうと、タケオ!」


「はい!」


「今日からお前に重要な任務を与える」


「あっはい!わかりました」


『おっ初日からもうそんな任務を任されるのか!

よし、やってやるぞ』


真さんの真剣な顔に、僕も真剣な目で答えたのだった。



「それはこれだ!」

真さんがあるものを手にした。


「えっ!それは・・・・・」

僕はこのあるものに注目。


「それは、もしかして・・・・ビニール、、、、、ぶくろ???」




「そうだ。どこにでもある普通のビニール袋だ!」


真さんが真面目な顔でこう語った。


しかし、全く何に使うか検討もつかない僕。


『一体これから何が始まるんだろう・・・』





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