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第86話:ビニール袋の果てにあるものとは?

「えっ!それは・・・・・


ビニール・・・・ぶくろ、、、ですよね?」


「そうだ。普通のビニール袋だ!

これを使ってタケオには・・・・」


僕はそう語る真さんの顔を見ると、、、

真さんの顔は真剣そのもの。


しかも真さんは目で何かを訴えていた。


『これはすごい眼力だ!僕もこれに答えなければ』

僕はそう思い、僕自身もその真さんの真剣な眼差しに答えるべく


じーーーーっと目で、、、、、

訴える。


特に僕には訴えるものはなかったけど、


とりあえず眼で訴え返す。



僕と真さん・・・。


この2人の間にはかつて無いほどの緊張感がそこには生まれていた。


この雰囲気・・・・、


今考えてみると


何時ぞやの・・・。


そうだ!あのみのもんたが司会をしていたクイズミリ●ネア状態だった。


ちなみにクイズミリ●ネアは2000年4月からの放送なので、僕が築地バイトをやっていた当時はまだやっていない。

ある意味先取りしていたのかも・・・いや、、、んな事ないか。


ともあれ、

「このビニール袋を使ってタケオには・・・・」

と、真さんが重大発表をしようとしていたのは事実。


僕はゴクっと、、、

かたずを飲んで真さんの次の言葉に耳を傾ける。


「このビニール袋を使ってタケオには・・・・」



『うん。・・・このビニール袋を使ってタケオには・・・・』


心で復唱する僕。



「このビニール袋を使ってタケオには


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


『早く言ってよ~』



じらされる僕。



そして

じらされているであろう、今この物語を読んでいるあなた。


そう!

じらしにじらされ、遂に・・・答えが。。。。。




「このビニール袋を使ってタケオには


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


氷袋を作ってもらう!」


とのお言葉。


「・・・・・・・・・・・・・・・・へえ~??」


僕はこの言葉にあっけに取られてしまった。



僕はあまりの真剣な真さんの顔に


クッ!と待ち構え、


真さんから重大発表がでたら


「えっ~ほんとですか~!!まじっすか~」

と、リアクションを取るつもりだったのに・・・。



しかし、聞いてみたら

「このビニール袋を使ってタケオには氷袋を作ってもらう!」

だって。。。。


これはあまりに・・・・


普通。


普通すぎちゃって、リアクションできない。


僕は、あまりに真さんが真剣な顔だから、

なにかこのビニール袋をつかって

①アタタタタタタ~っと、魚をしめる


②ウオオオあたたたた~っと、貝類を調理する


③ワアアアあたたたた~っと客引きをする


と、特殊な技を使いつつ作業をするのかと思ったのに~。



けれども、ふたを開けてみりゃあ、


【ビニール袋を使って氷袋を作る】

だって・・・。



このときの僕の心境は、予期もしなかったという点においては、


あの松田優作氏が演じた【太陽にほえろ!】のジーパン刑事に共通するものがあると思う。


僕も大声でこう言いたい!


「何じゃあこりゃああ!!」

と。


ともあれ、【ビニール袋で氷袋を作る】というこの行為。

これはあまりに普通すぎて

『ちゃんちゃらおかしくて、おへそが茶を沸かすぜ』

っていう感じだった。


真さんは、そんな気持ちの僕を、顔から察知したのだろうか、


「タケオ!今、高校から頑張っていい大学まで入ったのに、

なんでバイト先でこんな事をしなくちゃいけないんだろうって思っただろう」

と僕にズバリ問いを投げかける。


僕もバカ正直だから、この真さんの言葉に


「ハイ~そうなんですよ」

と、本音を滑らしてしまった。


僕は言った瞬間、

『あっしまった!』

と思ったものの、時すでに遅し。



真さんはこの僕の言葉に




「あははは!」

笑った。


そして


「お前、面白い奴だな~。気に入ったぞ~」


と上機嫌。


僕はなぜ真さんがこれほどに笑い、上機嫌になったのかよくわからなかったものの、

真さんが笑ってくれたので、ひとまず安心した。


それから、真さんは続けてこう僕に言った。


「タケオ!」

「ハイ!」

「魚を出荷するとき、何が一番大切か知っているか?」

「えっえーーやっぱり鮮度ですかね~」

「そうだよ。その通り」

「じゃあその為にはどうする?」

「それは~、やっぱり冷蔵庫に入れるだのして冷やすんじゃないんですか」

「さすが大学生。その通り。しかしその通りなんだが、ここには冷蔵庫はないから・・・どうする?」

真さんが僕に質問し続ける。


「えっと~それならやっぱり氷を入れるしかないんじゃないですか?」


「そう、氷を入れるんだが、そのまま魚と一緒に入れたんじゃあ、

氷で魚が傷ついたりするから、そのままは入れらんね~な。

傷ついたら商品にならねーし」


「あっそっか!」

「だから氷袋を作るんだよ。」

「ふーん」

僕はこの真さんの話に納得はできたものの、

だからと言って、氷袋を作る事はそんなに特別な事でもなく

『そんなの氷袋をいれるなんて発想は、すぐ考えりゃあ当たり前ジャン』

と心の中で思ってしまった


すると、真さん、


「それじゃあ、ここにあるビニール袋に氷を入れてみな」

と、僕を店の奥にあるに氷がどさっと山のように積まれてある大きなプラスチック箱のところに連れて行き、

縦40センチ、横20センチほどの大きなビニール袋を僕に手渡したのだった。

「じゃあこれでやってみな!」


「ハイ、わかりました。」


僕は言われたとおり、ビニール袋の中に氷を入れていく。


『こんなの簡単じゃん。馬鹿馬鹿しい』

僕は氷を入れながらこう思う。

そして

「ハイ、できました」


僕は、ビニール袋にめいいっぱい氷を入れて真さんに見せた。


「よし!じゃあそれを、箱の中に入れてみろ」


僕は指示されるがままに魚の入った箱にそのビニール袋を入れる。

そして、箱のフタを閉めた・・・のだが、、、


「あれ??・・・閉まらない」


魚の入った発泡スチロールの箱が全く閉まらなかった。


そう、僕の作った氷袋が大きすぎて、フタが閉まらなかったのだ。


そればかりか、氷袋が重すぎて中の魚を圧迫してしまっているではないか。

僕は焦った。


けれども、真さんは僕のその焦り様を横から見ていたものの何も言わない。


僕は慌てて

『氷が多すぎた』

と思い今度は氷を減らして箱に入れてみる。


すると、今度はちゃんとフタがしまった。


『ふう~。なんだ。簡単じゃん』

僕はそう思い、


「できました!」

と、真さんに自信満々に報告。



そんな自信満々の僕の報告を受けて


真さんは、こうひと言。




「どうかな??」




「えっ違うんですか?」


僕は目を丸くした。


「そうだな~。悪くは無いけど、、、今のやり方じゃあ、

この魚はお得意さんのところに着いたところで鮮度はかなり落ちちゃってるね」


「えっそうなんですか??」


『俺のどこに間違いがあるっていうんだ!こんな簡単な氷袋作りに・・・完璧じゃないか!』

と、さっきの僕のやり方に間違いがあるなんて全く思えない僕。



「それじゃあ、俺が作ってみるから見ててみな!」


真さんはそう言うと、僕の目の前でビニール袋に氷を手早く入れ始めた。




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